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【書籍化決定】スナイパー・イズ・ボッチ ~一人黙々とプレイヤースナイプを楽しんでいたらレイドボスになっていた件について~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
C級ランクマッチ編

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第18話 チーム戦

(は、始まっちゃった……どうしよう。いっそここから落下して自滅しようかな)

 

 屋上の柵から道路を見下ろす。


『おーっ! 転送位置いいねぇ!』

「うひゃあ!?」


 頭にチャチャさんの声が響く。


「チャチャさん!」

『よっほーい! チャチャさんだよぉ~』

「あ、あの、僕が見てる景色、見えてる感じですか?」

『うん。見えてるよ~。チーム全員の視覚とレーダー情報は共有してる。序盤はシキっちょのサポートに専念するからヨロ』


 これは自滅は無理だな。自滅したら僕の印象最悪だ。


『とりあえずシキさんの座標を軸に合流を目指します。チャチャさん、指示を』


 今度はシーナさんの声だ。


『ほいほーい。そんじゃそれぞれの転送位置の座標おくっちょるね~。合流地点はいまシキっちょがいるビルがいいかも。とりまシキっちょは中に入ってっちょ』

「了解です」


 通信なら意外と話せる。

 面と向かってじゃ無ければ緊張感も少ない。良かった。


「え」


 レーダーに、敵アイコンが映る。

 高さ180を移動!? これ、空を飛んでるってこと!?


(真っすぐこっちに向かってきてる……!)


 アイコンの方向を向くと、赤い機械の翼を持ったスペースガールが向かいのビルの屋上から飛んできた。


「ファーストキルいただきまぁす!!」


 紅い長髪で、頬に爪で引っ掻かれたような傷があるスペースガール。背中に大剣、それにこの機動力……アタッカーだ!


『うぎゃっ!? 『紅蓮(ぐれん)(つばさ)』のクレナイんだ!』

『クレナイ!? ちょっ! いきなり優勝候補じゃない!?』


 ゆ、優勝候補!?


『シキさん! 我々もそちらに向かってます! なんとか耐えてください!』


 と言われましてもぉ!?


『シキっちょ! 逃げるのは無理だよ!』

「交戦します!」


 シーナさんから借りたスナイパーライフルを手に取り、まず1発撃つ。


「シールド!」


 ライフルの1撃はシールドピースの束に防がれた。距離が10mまで近づく。


『前の大会と同じ構成なら、クレナイんの武装はウィング・ウィング・シールドピース・シールドピース・グレートサーベル・サーベル・フットサーベル・フットサーベルだよ!』


 フットサーベルって、まさか、


『足の裏からサーベル出してくるから気を付けて!』

「足裏からサーベル……!」


 それは好みだ! ――とか言ってる場合じゃないや!


(武装変更。GW-7!)


 両手にGW-7を装備。


(ホントだ。バレル上部に(ダガー)が付いてる)


 銃を敵機に向け、引き金を引く。すると引き金を引いている間、弾丸が連射された。


全自動連発式(フルオートマチック)!)


 GW-7から稲妻のような黄色の弾丸が放たれるも、相手はシールドピースで弾丸を防ぐ。けど、シールドピースも万能じゃない。耐久値はみるみる削られ、1個、また1個と壊れる。


(けれど! このままじゃ突破される!)


 敵機は大剣を構え、振り下ろしてくる。大剣はほとんど実体だけど、片側のみある刃の部分だけエネルギー体だ。


「シールド!」


 見よう見まねでシールドピースを腰から射出。敵機、クレナイの顔面に飛ばす。


『ダメ! それじゃ『インフェルノ』は防げない!』


 シールドピースは容易く大剣の赤いエネルギー刃に焼き払われる。


(問題ない。元より目的は目くらまし)


 シールドピースは焼却さえ、小さく煙を出す。その煙でクレナイさんの視界が淀む。

 僕は両手のハンドガンから弾丸を連射しつつ、距離を取る。


「逃がすか!!」


 敵機のスラスター加速。とんでもなく速い。僕はまたシールドピースを顔に向かって飛ばし、目くらまししてハンドガン連射→回避の連携をする。


「ハエかっ! 鬱陶しい!」


『シールドピースを嫌がらせに使うなんてやるねぇ♪』


 シールドピースの消費スピードは同等ぐらいか。僕は目くらましに使い、相手はハンドガンの弾丸のガードに使っている。シールドピースが無くなった後が、本当のバトルの始まりだ。


 また僕のシールドピースが切り払われる。


(これで、僕のシールドピースは0)


 同時に、僕の射撃で相手のシールドピースも削り切る。


「ここからが……」

「勝負です!」


 二丁拳銃vs大剣の近距離戦。

 相手は高機動にモノを言わせた高速連続攻撃を仕掛けてくる。

 僕は最小の動きで躱し続ける。射撃も相手に当てるというよりは、相手の動きを牽制するように弾を()()ことを意識する。ハンドガンの向きと弾丸で相手の選択肢を絞り、相手の動きを制限して避ける。隙を見てハンドガンのダガーで斬りかかり、相手の耐久値を多少ながらも削る。


 回避、回避回避回避攻撃回避!!


「こ、の! お前スナイパーだろ! 寄られたスナイパーがいつまで生き残ってんだ!!」

「ごごご、ごめんなさいっ!」

「謝るんじゃねぇ! 褒めてるんだよ!!」


 足を上げてきた。足裏のサーベル!


「ぎり、ギリ!」


 振り上げられた足サーベルを横にスラスター加速して躱す。


「ちっ! やっぱ手札は割れてるか!」


 大剣で引きつけつつ、隙を見せたら足サーベルを差し込んでくる。凄くうまいやこの人。特にスラスターの管理が上手い。足サーベルを使った後の隙をスラスターで上手くカバーしている。


『残り300mまで近づいた! 粘りなさいよ素人スナイパー!』


 後10数秒ぐらいか、これならもつ!


(深くは踏み込んでこない。シールドが無いからだ。これならシーナさん達が来るまでもつかも)


「……」


 膠着しているのに、クレナイさんは一切焦る様子を見せない。急に冷静になったような……。


(……? 何かおかしい――)


 頭に過る、1つの可能性。


「いいからやれ! コイツは残しておくとやばい!」


 クレナイさんの言葉は僕に向いてない。その言葉の行く宛は、通信機の向こうだ。

 700m先の電塔で光が散った。


(狙撃!!)


 上半身を逸らして狙撃を躱す。


(スナイパーか! スナイパーは射程が長いから距離700mでも援護ができる! さ、先に合流された!!)


 体を逸らし、体勢を崩した僕に、大剣が迫る。

 絶体絶命――


(死ぬな。コレ)

スペースガールは脳内に通信機があるので、それで通話してます。脳内にあるとはいえ、ちゃんと発声しないと声は届かないです。


【読者の皆様へ】

この小説を読んで、わずかでも

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「もっと頑張ってほしい!」

と思われましたらブックマークとページ下部の【★★★★★】を押して応援してくださるとうれしいです! ポイント一つ一つが執筆モチベーションに繋がります! 

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― 新着の感想 ―
スナイパー『かわした?』 自信なくしそう
ダストミラージュのステルス性1.5倍は使わなかったのかな? それともそれ込みでもレベル差で抜かれたのか、パーティーメンバーに声を掛けられてわちゃわちゃしてるうちに被発見、接近されたのか 何にしてもせっ…
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