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トイレのピエタ  作者: 庚子睦月
7/10

ベルセル

01

ピエタ/ワインを飲んで少し酔っている。天使の後ろに来て真っ白な長髪を嗅いでいる。

「お前のニオイを嗅ぐと変な気分になってくる」


02

ピエタ/天使にキスをする。

「ああ、たまらないいい気分だ」

天使/突然のキスに逃げようとするもピエタに両頬をしっかり片手で押さえつけられ身動きが出来なくパニクっている。


03

アツコ/真っ赤になって呆然と二人を凝視している。


04

アツコ/チーズたっぷりのパスタをピエタの鼻の前に突き出し「美味しそうでしょう!」「ピエタはお子ちゃまなんだからワインなんてダメよ」と少し引きつりながらもワインを取り上げ微笑む。


05

ピエタ/鼻をクンカクンカ鳴らしパスタの方へ目をやるとすぐに食いつく。


06

アツコ/天使に向けてそっとVサインする。

天使/ピエタからのキス責めから解放されてホッとし口の動きで"あ・.り・が・と・う"


07

テーブルを囲んで4人が談笑している。


08

ベルセル/小高い山の頂に突然現れる。


09

ベルセル/両手を上げる


10

突然空が真っ暗になる。


11

アツコ「あれっ!」「急に暗くなった」


12

ピエタ/怯えた声で「ベルセルっ…」ポロッとフォークを落とす。


13

天使とアツコ「えっ!?」ピエタに振り向く。


14

ベルセル/小高い山の頂から空を飛ぶ。


15

天使/ベルセルに気づき"しまった!"振り返る。


16

ベルセル/天使の後ろに降り立つ。


17

ベルセル「悪魔が天使となれあってどうするんだ?」


18

ベルセル/天使の後ろから爪を立てて羽交い締め。

天使「うっ!」


19

アツコ「キャーッ!」


20

天使/気を振り絞って「アツコさん"お花摘み"を…」

アツコ/涙ボロボロで顔グシャグシャで微かに頷く。


21

ベルセル/天使を掴んだまま空高く飛ぶ。「ピエタ!お前はその人間を連れて王宮へついて来い」


22

ピエタ「ああ、アイツが天使だったなんて!」「僕はルシファーに殺されちゃうよ!」


23

アツコ/涙を拭き払うと天使の言葉を思い返す。""お花摘み"は非常時のこのキャンバスからの脱出方法、森の奥から帰って来る時に教えてもらった""もう迷っているヒマはない!"


24

アツコ/まだベソをかいているピエタの腕を掴むとトイレに向かって猛ダッシュする。

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