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【2巻予約受付中・25/10/20発売】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~  作者: あずももも
6章 500Fダンジョン攻略RTA

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83話 『500階層RTA配信:低層』2

「みなさん、2週間分のスケジュールを今一度ご確認をお願いします。各時間のフォーメーションと休息を徹底してください」


えみさんが慣れた感じでお話中。


こういうの聞いてると、余計に眠くなるよね。


「今回は500階層……少なくとも民間では前人未踏となる深さですから、ちょっとした違和感や疲労の蓄積が致命的です。各種ポーションや救護班もスタンバイしています。何かありましたらすぐにお知らせください」


【改めてとんでもない攻略】

【えみちゃん気合入ってる】

【えみちゃんに指示されたい】

【ああ、俺にダンジョンの適性があれば……!】


【ちくしょう……俺、体は頑丈なのにダンジョン適性がなかったばっかりに……!】

【モヤシだろうと何だろうと適性あるやつはあるっていうし、よく分かんないよな、ダンジョンって】


【まぁ10年前いきなり現実世界にポップしてきた謎の空間ですし】

【謎だらけだけど現象は解明されてるから、普通にアイテムも使われてるしダンジョン由来のそれらで工業製品も作られてるんだよなぁ】


【大丈夫大丈夫  なんで聞くか良く分かってなかったけど麻酔とか普通に使われてたし】

【大丈夫大丈夫  なんで飛ぶか良く分かってなかったけどとりあえずで飛行機とか飛んでたし】


【草】

【まぁ普通に使えるなら良いかってのはそう】

【副作用とかなければ、庶民としてはありがたいだけだしな】


ぞろぞろぞろぞろとダンジョンの入り口に吸い込まれていく人たち。


最初の10人くらいは装備品くらいで手ぶら、その後の20人くらいは装備も持ちつつ荷物も多め。


その後ろにはごろごろと荷台を引いたり押したりしてる人たち、あとカメラさんたち。


【そういやさ、この中に始原いるんだよな?】

【あ、そう言ってたっけか】


【そうそう、始原の何人かって上位ランカーだったらしい】

【ああ……だからハルちゃんのちょっとおかしいスキルに無名時代からストーキングしてたのね……】


【それでもノータッチ、非接触、対面すらしないとか徹底してるな】


【ファンの鏡だな】

【ああ……!】

【始原、誇らしい】


よく見ると結構若い子……いや、今の僕が最年少なんだろうけども中学生くらいの女の子とかまでいる気がする。


いや、気がするんじゃなくているよね……ここに来てる時点で実力とかはあるはずだし、別にいいけども。


「じゃあハルちゃん」

「はい」


大体の人たちが入りきって……おもむろにるるさんが両手を差し出してくる。


「ん!」


【あ〝っ(昇天】

【るるちゃんが両手を……ふぅ……】

【元気っ子の全力なハグ要請は俺に効く】


「いえ、おんぶって言ってましたよね?」


「ん!!」


「いえ、ですから抱っこは歩きづらいでしょ?」


「ん!!!」


【ああ……ああ……(昇天と堕天】

【百合……】

【おねショタ……】



【尊】


【♥】



【ノーネームちゃんは黙ってて】

【草】

【もうなんでもいいよ、尊ければ】


最低でも最初の1週間、僕は誰かに抱えられつつの移動。

その最初は絶対に譲らなかったるるさん。


そこまでしなくて良いのにね……って言いたいけども、確かにこの体だ、2週間の道のりは相当に眠くなるはず。


これだけはみんなが譲ってくれなかったんだ、しょうがない。


「……2回目からはおんぶですからね」


「ん!!!!」


僕は両手を差し出す彼女にすがり付く形で――ぎゅっ。


ん。


るるさんの匂いとあったかさと柔らかさ。


【だっこ】

【だっこ】

【ハルちゃんのお顔がるるちゃんの肩に】

【ハルちゃんのおしりがるるちゃんの手のひらに】

【あっ……(尊死】


【るるちゃんに抱きつくハルちゃん】

【るるちゃんの胸に顔を……うずめられないハルちゃん】

【だって絶壁だしししししししししししししししししし】

【だーからやめーや】


【前から見ても後ろから見ても尊い】

【俺、これ見るために産まれてきたんだな……】

【ああ……産まれてきたかいがあった……】

【もう少し産まれた意味を考えよう……?】

【感動した】

【草】


ちょっと恥ずかしいけど、るるさんに前から抱きかかえられる感じの僕。


……これじゃ完全に幼女じゃん……。


でもるるさんの匂いとあったかい体温に包まれて気持ちいい。

幼女だからね、そのへんはもうしょうがないよね。


あと、女の子と正面からハグする恥ずかしさってのにも慣れてきた。


まぁるるさんの場合は……とと危ない危ない、るるさんは僕のこと男だって理解した上でやってるんだから、罪悪感がないって意味でね。


「……では行きましょうか、リリさん」

「……ええ……」


なぜかちょっと声が低くなってる九島さんとリリさんが後ろを守ってるらしい。


確かそういうフォーメーションだったね。


ちなみに今日はえみさんが先頭で戦闘の指揮してるから、寝るときくらいしか会えないらしい。


がんばったご褒美はあげたいけども、あの子ちょっとでも甘やかすとすーぐヘンタイさんになるからなー。


そうやって僕はゆさゆさと抱っこされながらダンジョンに潜って行っ……運ばれて行った。



【至福】



【分かるか? ノーネームちゃん】

【それが感情だよ】

【全員でノーネームちゃんの情緒を教育してて草】

【情操教育だよ】

【こんなんでちょっとでも楽になれば儲けもんよ】


【でもその感情、俺たち準拠なんですけど良いんですかね】


【まぁ俺たちも基本ノータッチで無害ですし】

【そもそも害意がありそうなのは事務所とノーネームちゃんが弾いてるしな】

【なおノーネームちゃんが何してるのかは不明】


【なんかハルちゃんorるるちゃんorノーネームちゃんに暴言吐いたりしたアカウントがだんまりになる件が多数報告されてるんですけど……】


【もしかして:ノーネームちゃん】

【怖いけど頼もしいな】

【改めてすげぇなノーネームちゃん】





るるは、抱っこをしている小さな女の子――「彼」の様子に気がつく。


普段なら――普段と言っても彼女が勝手に抱きつくだけだが――それなりにこわばるはずのハルからの抵抗がなくなっていたのと、肩へ頭の重みを載せてこられる感覚、それに落ち着いた寝息が聞こえてきたのに気がついたから。


「くぅ……くぅ……」


「……ハルちゃん、寝ちゃった……」


るるは、嬉しくなった。


「彼」が、自分を信用して寄りかかってくれたのと、「彼」にとっては自分が年下の女子とあって、普段はさりげなく距離を取ったりくっつけた体を離したりしてしまうから。


「ハルちゃん、ちっちゃいもんね」


【草】

【ダンジョンに潜って早々寝ちゃう系幼女】

【だって幼女だもん】

【ああ……カメラにぷらぷらしてるおみ足が……!】


ときおりインカムから流れてくる状況報告は、ダンジョンの低層かつ低レベルのモンスターしか出てこないということで――そのための大部隊ではあるが、それでも安心できる「想定通りで索敵中」という言葉。


「そもそもこの作戦は、可能な限りにハルさんの出番を遅らせることです」


「うん、分かってるけど……」

「ハル様……はぁ……♥」


【ノーネームちゃん的にこれセーフなん?】

【おいばかやめろ】

【せっかくハルちゃんの負担を減らすためにってやってるのに】

【こんなとこで言うんじゃねぇ!】


【いや、逆だろ  ダメなら早い段階で言ってくれないと】

【あ、そっか  ハルちゃんがおねむで運ぼうとしてダメって言われたら困るのか】


【ノーネームちゃん的なレギュレーション、どうなのさ?】



【審議中】


【寝顔】


【寝息】


【抱擁】


【尊】


【許可】


【♥】



【草】

【ノーネームちゃんの思考回路が分かりやすすぎて草】

【ああうん……ノーネームちゃん、ハルちゃんを愛でたいだけなのね……】

【まぁハルちゃんの実力なら、撮れ高が出てくるのは早くて150階層くらいからだろうし……】


「くー……くー……」


「どうしよ、リリちゃん……!」

「るる様、何か困ったことが?」


【お】

【どうしたの、るるちゃん】


「どうしよ……ハルちゃんの寝息なんだけど。…………ものすっごくこしょばゆい……!!」

「……それは大変ですね……!」


【草】

【●REC】

【ほんとだ!! ハルちゃんの配信かるるちゃんの配信、イヤホンで聴くとASMRだ!!!】


【マジか、出遅れた!】

【おみみがしあわせ】

【おみみが溶けりゅ】

【脳に染み渡るハルちゃんの寝息……】


「……やはり最初の通りに背負うように……いえ、それでも寝息が……」

「……私も耐えられる気がしません。非常に残念ですが、ハル様はやはり担架で運ぶべきかと」


【ちょ、リリちゃん!?】

【やめて、ASMRなくなっちゃう】

【やめて】


【いきがいがないないなっちゃう】

【草】

【もっと別の生きがい見つけよう……?】


『――るる。そっちの方はどう――ですか?』


「もうだめ」

『るる!?』


【るるちゃん!!】

【草】

【ああ……いつものおっちょこちょいなるるちゃんが】

【普段の配信でのるるちゃんだ……】

【感動した】

【草】


「えみさん、大丈夫です。引き返す必要はないんです」

『ですがるるが……ハルさんが……!』


「は……ハルちゃんのこえがぁ……んぅっ」

『るる!? 声!? 声って何!?』


【早速大混乱で草】

【えみちゃんもご乱心】


【ていうかるるちゃんの声、めっちゃ……】

【うん、エロい……】


【るるちゃんってこんな声するんだ……】

【ハルちゃんの寝息1分でこれとは……】

【ハルちゃん、恐ろしい子……!】


「事情は後で説明しますから……本当に大丈夫ですから……はい、そうです。いつものるるさんですから……」


呆れた目をしながら――るるのインカムを手に取り、強引に軌道修正を試みる、ちほ。


前途は――多難だった。


【草】

【いつもの救護班さんかわいそう】

【「いつもの」でオフが気になりすぎる】

【ダメだ、まじめとまじめとるるちゃんとハルちゃんしか居ねぇ!】


【え、そういえばリリちゃんは?】


【あ、後ろの方でうずくまってる】

【草】

【草】

【ああ……】

【うん……るるちゃんと取り合いしてるって言ってたねぇ……】

【ハルちゃん、やっぱり庇護欲そそるのね……】


「説明しましたので、えみさんはとりあえず大丈夫でしょうが……るるさん?」


「……ん。代わって……お願い……こ、こしょばゆすぎて、そろそろ立ってられなくなっちゃう……」


【悲報・開始5分でるるちゃん脱落】

【早過ぎん???】

【5分で腰砕けになるほどの寝息か……】


【もしかして:ハルちゃんを抱っこかおんぶで連れてく作戦、最初から破綻してた】


【えぇ……】

【なぁにこれぇ……(歓喜】

【お前喜んでる場合じゃないんだよ、どうするんだよこれ】

【ハルちゃん、寝ても起きてもなんかやらかすのね……】

【これがハルちゃんだよ?】

【そうだった】


【存在するだけでやらかす幼女……】

【ほんとハルちゃん、おもしれー幼女だな】

【でもほんとどうするのよこれ……?】

【た、耐性ありそうな救護班の子が抱っこするしかなくね……?】


「くぅ……くぅ……」


【あっあっあっ】

【脳が……溶けていく……】

【ASMRはよ】



【●REC●REC●REC●REC●REC】



【ノーネームちゃん!?】

【草】

【ノーネームちゃんがこんな感じだし、とりあえずこのままでいっか……】


【なんかもういいや……かわいいし……】

【ハルちゃんは爆睡、るるちゃんリリちゃんは腰抜けてて死屍累々】

【あの……ダンジョン入ってから100メートルそこらなんですけど……】


【なんとかなるだろ  多分】

【なるといいね】

【ま、まあ、ハルちゃんが起きたら最悪また落とし穴で時短できるし……】

【それやったら運ぶ意味がなくなるんですが】

【難しいねぇ】


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― 新着の感想 ―
ある意味予想外の理由で開始早々躓いてるwww いやまぁハルちゃんの寝息を直で聞いちゃったらねぇwww ノーネームちゃんww審議の仕方よww
[一言] ノーネームちゃんの審議中、がネタ的に言ってるのか実際審議してるのかによってノーネームちゃん複数説が湧いてきますね。
[一言] 500階層に到着した頃にはノーネームちゃん染まってそうね
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