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【2巻予約受付中・25/10/20発売】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~  作者: あずももも
24章 11年前と、僕たち

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638/639

638話 単騎VS.軍団の遠距離戦

ぽつぽつぽつぽつ――真っ暗な空に、オレンジの光が灯る。


『『……ギィ――――――――!』』


――ごぉぉぉ。


この威力ならたぶん、数匹から十数匹ずつが束になってブレスを収束させて合体魔法にしているんだろう――射程10キロほどの、数百のブレスが炎の槍となって、こちらへ放たれる。


その姿はまるで、空に瞬く星々がいっせいに迫ってくるかのよう。


【おろろろ】

【こわいよー】

【画面いっぱいが真っ赤な点で】

【ハルちゃんにげてぇぇぇ】


うん。


これは「ただの人間だった僕」なら、諦めて観るだけになっていただろう光景だ。


けども、


「ねぇ、君たち知ってる?」


僕は索敵スキルで極限まで集中して目に映る物体の時間を遅くして――それぞれの軌道を計算。


「弾幕――とりあえず物量で、石とか矢とか砲弾とかミサイルとかを、これでもかってばらまく戦術は、ね」


僕は、くいっと羽を動かして……ほんの10メートルほど旋回する。


――ごぉぉぉぉぉっ。


僕の至近に向かってきた炎柱を、ちょっとあったかいって感じる程度の距離で受け流す。


「君たちみたいな大軍相手にこそ有効であって、僕みたいに単騎で、しかも君たち基準だとちっちゃくてすばしっこくってひゅんひゅん動くような相手には、リソースの無駄なんだよ? まぁ偶然ヒットすることもあるし、怖くなって動けなくなることもあるから完全な無駄ってわけじゃないけどさ」


『『ギ――……!』』


……ぽつぽつぽつ。


間髪を入れずの2回目か。

煽ったつもりは――や、煽ってるのかな。


僕だってさんざんどうでも良くってげんなりすることばっか聞かされてて気が滅入ってるんだ、この体は疲れると機嫌が悪くなり安いみたいだし、思った以上にメンタルがやられてるのかも。


やっぱり僕は男ではあってもヘンタイさんたちの境地には到底追いつけないんだ。

せいぜいがえみさんレベルの、あの適当につついて楽しめる程度が理想なんだ。


――ごぉっ。


ふたたびの、10キロを貫く炎の槍は――今度は、まったく動かないで回避。


10キロ先から到達したひとつひとつのブレスでさえ、直撃すればただじゃ済まない――けれども、当たらなければどうということはないよね。


「……ホーミングもできてない。誘導弾とかじゃなきゃ、こんな遠距離戦では単体相手への戦術として無駄だって、君たちのご主人様に教えてあげてね」


【つよい】

【ぅゎょぅι゛ょっょぃ】

【これは幼女】

【これは猛者】


【結構煽るハルちゃん】

【精神攻撃は基本だからね】


【行けハルちゃん! おじゃるとくっころとノーネームちゃんが共倒れするまで時間を稼ぐんだ!】


【草】

【草】

【ノ、ノーネームちゃんは勘弁したって……】

【ハルちゃんの気が済めばいいね、ノーネームちゃん】

【草】


【ひさびさにハルちゃんが戦ったと思ったら初撃で敵の最前線を殲滅  張り出してきた第二軍からの弾幕も、2回目はもはや動かないでおすまし顔】


【さすハル】

【まぁハルちゃんはずっと戦ってきたし】

【戦闘経験が違いすぎるよな】


【この1年半、ほぼずっとダンジョンとかやべー規模の戦闘だったからなぁ】

【その前の3年半もソロで潜ってたし】

【その前の数千年も、たぶんソロでずっと……】

【ぶわっ】


【しかしさっきよりブレスがばらついてなかった?】


【確かに】

【俺たちから見ても明らかにスキマあったからなぁ】

【だからこそハルちゃんは動かないで見てただけなのか】


【※たぶん最初にやられたのが最精鋭たち  なので単純に練度とかレベルとかが低い】


【あっ】

【草】

【あんなでかい魔法ぶっ放したのが正解だったのか】

【しゅごい】

【思い切りが良いハルちゃん】

【そ、それも込めての戦術だから……】


【改めて遠距離戦のエキスパートだなぁ】


【だって、ずっと隠れて狙撃し続けてきたのんびり屋さんだもん】

【おっと、お酒と温泉も忘れるんじゃないぞ!】

【草】


――ごぉっ。


「くぴっ……」


――ごぉぉっ。


「ん、さすがに修正射撃してきたね……しかもだんだん攻撃が僕へ焦点を合わせてきてる……くぴ」


【そして酒飲み】

【隙あらばお酒】

【ハルちゃんに隙を見せた方が悪い】

【草】


【悲報・町じゅうのスーパとコンビニのお酒が空になってる】


【え、ちょっと待って俺の晩酌!!】

【もうないないされたよ】

【そんなぁ】

【草】

【全部捧げ物としてね……】


【こうなったら自前で作るしかないか……】


【密造酒は逮捕されるから気をつけようね】

【ジュ、ジュースを作ってたら偶然発酵しちゃったってことにすれば良いから……】


【それを書き込んだ時点で、少なくともお前が作ってたら問答無用なんだが】


【あっ】

【草】

【あーあ】

【キジも鳴かずばなんとやら】


――ごぉっ。


懲りないブレスの弾幕。


ふわりと羽で50メートルくらいをスライドして避けたものの、今のは何十本の柱がまとめてきていた。


さすがにここからは簡単には行かないね。


「……えいっ」


きりりり……しゅんっ。


気休めだけど気晴らしついでにお酒を空け――お空の鐘はもうないから、光の弓矢だけでの攻撃。


ひゅるるる……ばしゅっ。


飛翔する矢を20ほどに分裂させ、それぞれ――「ちょうど次のブレスを口に溜めていた個体」のお口へ――どぉん。


『ギィィ!?』

『ギャギャッ!?』


どどどぉん。


「おー、誘爆してる。……さすがにこの距離で動く的のコアを確実にぶち抜くことはできないけど、攻撃しようとしてる瞬間に自爆させたら誘爆してご近所まで巻き添えかぁ。あれか、砲弾が入ってる大砲の入り口にストレートで投げ入れたら、投げ入れた分と投げ入れられた分の両方の威力で周囲も巻き添えな感じ。便利だね」


コスパ。


それは、遠距離職にこそ要求される使命なんだ。


【草】

【やっぱようじょつよい】

【なぁにこれぇ……】

【あ、久しぶりにハルちゃんのやばさでの鳴き声】

【草】

【懐かしくて草】


「おうえん」「したの【☆☆☆☆☆】→【★★★★★】」「ぶくま」「おねがい」

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― 新着の感想 ―
そういえばそもそも狙撃特化でしたね、すっかり忘れてた。
口にぶち込んで誘爆させるのえっぐwww狙えるハルちゃん凄いww 弾道を把握して避ける必要が無い物は動かないハルちゃんの強者ムーブ!かっこいい!
先の攻撃は上手い事主力をごっそり削ったのかー
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