表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
593/639

593話 【11年前のるるちゃんとノーネームちゃん】

【……ここへ、ノーネームちゃんが連れてきたんだよな? 小さいるるちゃん――11年前の、「あの日」のるるちゃんのところに】


【地下――洞窟?の中でひとりぼっちのるるちゃんのとこにな】

【洞窟……あ、地上が魔力に取り込まれてのダンジョン化……】

【大きな岩を、爪が……まで、必死でどかそうとしたってことは……】

【そうだよな  子供が居たら、誰かが守ってくれたはずだもんな】

【つまり……その人は、もう……】


【でも、きっとその人もないないされてるよね】


【ああ】

【そうだな】

【ノーネームちゃんだから、きっとね】


【そうだ  だから、ノーネームちゃんは案内したんだね、ここへ】


【ハルちゃんの行く先は、いつもノーネームちゃんが案内してたな】


【合衆国の新兵器……おのれ、合衆国……怒る気も起きない……】

【あれは結果としてハルちゃんのためになったし……】

【草……】

【けど……】

【そのあとから、ずっとな……】


【ああ  「過去」――11年前の「あの日」に起きた、「ハルちゃんたちが居なければ確実に壊滅してた場所」へ、案内してきたよな  あの異世界しかり、11年前の各地しかり  ノーネームちゃんがずっと、先導し続けて】


【歴史の改変……それを、これまでずっと……】

【ハルちゃんと一緒にね】

【そうだよね】

【ノーネームちゃん……】


【ノーネームちゃんは、ハルちゃんのためになることしか、しない】


【でも、ハルちゃんが望むことはなんでも先回りして叶えようとしてる】


【そしてたぶん、るるちゃんのことも】


【そうだよな】

【うん、ノーネームちゃんハルちゃんのこと、大好きだからな】

【俺たちの大好きなノーネームちゃんだもんな】


【こんな人間大好きっ子な女神様が、たったひとりの女の子のこと、無意味にいじめたりはしないはずだもんな】


【そうだよ】

【どうして気づかなかったんだろ】

【途中まではともかく、それからはずっと】

【ノーネームちゃん、人に対していじわるなんてしなかったのにね】

【けどさ、今だから分かるけどノーネームちゃんが無意味なことなんて】


【るるちゃんの「不幸」ってさ】


【ああ】


【本当に――「不幸」だったのかな】


【いつもいつもすっ転んで擦りむいて】

【治癒魔法がなかったらケガの跡だらけになってただろうけど】

【ダンジョンの後の世界だから、治癒魔法が存在して】

【もし大ピンチでもリストバンドっていう革命があって】


【そうだよ  「ハルちゃんが配信に映っちゃったあの日にハルちゃんが来なかったら死んじゃってた」けど、それまでは命の危険もなかったんだ】


【そうか、あの日か】

【ハルちゃんがるるちゃんの「不幸」に巻き込まれたってきゃっきゃしてたけど】

【それが、もしかして……】

【そうに決まってる  だって、ハルちゃんだもん】


【「不幸」って、なんだろうね】


【「不幸」ってさ、実はもっと大きい何かから――】


【るるちゃんを、「死」から守るために】


【みんなが笑っちゃう程度の「不幸」で済ませてた……?】


【でも、るるちゃんのお母さんとお父さんは大ケガをって】


【それってさ  「死んじゃうほどの大事故とかに巻き込まれるはずだった、るるちゃんの身代わり」ってことじゃ?】


【あっ……】


【だって、そのときのるるちゃんは子供だったはずでさ  大人2人が大ケガするくらいの「何か」なら、子供なら……】


【その当時ならリストバンドはまだ……】

【あったとしても、最初はダンジョンに潜る人にしか……】

【一般人だったはずのるるちゃんは漏ってなかったはずか】


【それですら、ノーネームちゃんがずっとずっと……】


【そうだぞ  10年間、ずっと傍で】


【ぶわっ】


【「呪い様」って言われても、ずっとずっと見守ってたんだ】


【ハルちゃんの配信にるるちゃんが合流してしばらくして、ようやく自我が「戻ってくる」までもそれからも、ずっとずっと……】


【身代わり  ハルちゃんがGに連れ去られそうになってたときも……】

【身代わり  ハルちゃんがティラノさんのレーザー直撃させられそうになってたときも……】


【ノーネームちゃん……】


【もしかして、ノーネームちゃんが最初、体どころか心も無かったっぽいのって】


【えっ】

【あっ……】


【るるちゃんを……守る、ために……?】


【ノーネームちゃん】

【ノーネームちゃん、死んじゃやだよ】

【死なないで】

【俺たち、ノーネームちゃんのことが大好きなんだから死なないで】



【love】


【to death】



【駄目】



【……】



【死んじゃ、ダメ】

【一応その表現は「死ぬほど好き」だけど】

【ノーネームちゃんが死んじゃ駄目だよ】

【そうだよ】

【ハルちゃんが……ううん、るるちゃんだって、他のみんなだって……悲しむよ】


【俺たちも、ノーネームちゃんのことが大好きなんだ】

【種族の差も性別の差も知らない  私は、ただノーネームちゃんのことが好きなんだ】


【家族への愛情だよな】

【わかる】

【この1年半、ずっとそばに居たんだ  何があっても、そばに居るよ――ノーネームちゃん】



【――アリガト】


【ワタシモ】


【――ダイスキ】


【モチロン】


【ハル<比翼>】


【ルル<保護対象>】


【ソノ】


【ツギニ】



【ノーネームちゃん……】

【そんなにも……】


【るるちゃんは保護対象なの?】



【恐怖】


【好】



【草】

【泣いてるのに笑っちゃったよノーネームちゃん】

【ノーネームちゃん、ほんとわがままだね】

【でも、それでも好き】

【そうそう】


【ハルちゃんが好きなノーネームちゃんだからこそ、俺たち視聴者はみんな――好きなんだ】


――ぴこぴこぴこぴこ。


ノーネームさんは、小さなるるさんを見ながら――いつまでもひとりごとをつぶやいていた。


「おうえん」「したの【☆☆☆☆☆】→【★★★★★】」「ぶくま」「おねがい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ノーネームちゃん……恐いけど好きってこと?
つまり、命に関わる不幸が起こる度にノーネームちゃんがその身を犠牲にして庇ってたって……コト? (´;ω;`)ブワッ
ノーネームちゃん…(ブワッ)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ