583話 【絶壁教徒と大和と】
【ハルちゃんの……うぅ……幼女から女の子になっちゃった翼……】
【幼女のときの歩幅とおててのサイズから推測すると、翼の長さはそれぞれ279.8cm】
【そして、髪の毛の長さは……うぅ……】
【え、キモい】
【え?】
【うん……】
【正直……】
【え?】
【草】
【擁護はできないな……】
【始原も擁護できません】
【え!?】
【もしかして:ハルちゃんの身長と歩幅をミリ単位で議論してたやつ】
【え? そうだけど……】
【うわぁ……】
【ひぇっ】
【きもっ……】
【え?】
【草】
【ハルちゃんはかわいすぎるから定期的にやばいのが湧くよね……】
【やばいよー】
【けど……】
【ノーネームちゃんがお人形さんサイズに戻っちゃって、ハルちゃんが……】
【るるちゃんよりは女の子に……!】
【深谷るる「さすがに怒っても良いよね」】
【!?】
【ひぇっ】
【ごめんなさいごめんなさい】
【絶壁なるるちゃんが好きすぎて、つい言っちゃったの】
【どんな罰でも受けるから、るるちゃんが好きな気持ちだけは……】
【るる「………………………………」】
【るる「私」】
【るる「ハルちゃんと結ばれたら、Bカップは確実だってノーネームちゃんが言ってたから」】
【るる「Cカップだって夢じゃない」】
【!?!?】
【そんな……】
【絶壁教徒はどうするのですかルル様!?】
【そうです! 私たちの希望の星が!】
【るる「え? それ、あなたたちが勝手に言ってるんじゃないの?」】
【えっ】
【教祖に裏切られた……!?】
【草】
【草】
【さすがに反省しろ絶壁教徒ども】
【草】
【うん……正直ね……】
【るる「ネタにしてくれるくらいは好きだって理解してるよ? けど、おっぱいがどれだけ望んでも育たない女子たちの気持ち 理解してる? ううん、女子ならまだ良いよ お母さんになってお乳をあげる苦労とか、理解してる? おっぱいがないと、本当につらいっていうんだよ?」】
【 】
【じょばばばば】
【ごめんなさいごめんなさいごめんなさい】
【なんまんだぶなんまんだぶなんまんだぶ】
【草】
【ごめんね、るるちゃん でも分かってるの】
【私たちも、成人したのに「え? あはは、男じゃなくって女子社員だったんだ」とか男どもに酒臭い息で笑われて……】
【「お母さんっておっぱいないけど、本当に赤ちゃんのとき授乳で……ううん、ごめんなさい……」って、学校から帰ってきた娘に謝られたときのあの気持ち……】
【そんな私たちの希望な、るるちゃんに……ごめんなさい】
【るる「………………………………」】
【るる「ノーネームちゃん」】
【恐怖】
【執行】
【施行】
【草】
【悲報・るるちゃん、ノーネームちゃんを使役してる】
【※ノーネームちゃんは、るるちゃんの言いなりです】
【マジで、ダンジョン攻略とかでやべー言霊、ノーネームちゃん謹製の謎の魔法で使いこなしてるんだよなぁ……】
【るる「でも」】
【るる「ハルちゃんを応援してくれたら」】
【るる「許すよ」】
【!!!!】
【るるちゃん……!】
【やはりるるちゃんこそ正義】
【貧乳もとい絶壁を称えよ!】
【あ、私たち絶壁教徒、サーバー管理者制圧してるから】
【るるちゃん様の命に従い、今からお邪魔して男は絶壁性癖に、女は子孫へすり込むから】
【え?】
【ひぇっ】
【どうか……どうかお情けを……】
【こわいよー】
【言ってる場合か!?】
【るる「……嫌だったら」】
【るる「ハルちゃんのこと、応援して」】
【るる「今、ハルちゃんと一緒にがんばってるノーネームちゃんも」】
【はい!!】
【るるちゃん様!!】
【この命賭しても!!】
【草】
【るるちゃんが恐ろしくなってて草が枯れた】
ひゅううう。
海風が、耳を切り裂く。
「……お、やっぱ沈みかけてた」
常に恐竜さんの状態を気にかけつつ、僕は艦隊へ到達。
――状況は、すっごくでっかい戦艦さんたちと少しの随伴艦さんたちが右往左往していて、消火ポンプとか煙幕とかをがんばってるけども厳しい様子。
みんな傾いたり砲塔がひん曲がってたり、お船の先っぽが欠けてたり真っ二つになったのから逃げ出したり――最後のはきっと、危なかった人はノーネームさんがないないしてくれてるから大丈夫だよね。
「えっと……その、傾いてる戦艦さん……大丈夫ですか?」
その中で、僕は最も危険な感じの――金属のきしみ音、戦艦さんの「中身」の悲鳴が聞こえて平常心を保つのに精いっぱいな、特に大きくって艦隊の中心なお船に近づく。
みんなが「必死に浮かんでいようとしている」中、自分も傾いてきてるのにがんばって直そうとしていて――「他の子」に「声をかけている」お船へ。
【大和!!】
【YAMATO……】
【でかい】
【現在でも軍艦の中では世界最大だからな】
【こんなのが浮くんだ……】
【けど、右に傾いてる……】
「!?」
「め、女神様!?」
「こ、この場合、どこの神々なんだ……?」
「どの形式で崇拝を表現すれば……!?」
「あ、そういうのは良いので。いちばんえらい人、どこで……あ、出てきた」
甲板でびっくりしたりすっ転んだり腰抜かしたり……黄金をちょろちょろしたりしてるお兄さんたちからそっと顔を逸らし、艦橋ってやつのベランダっぽいとこに姿を現したおじさん……おじいさん……いや、おじさん……と、目を合わせる。
ばっさばっさ。
やたらと大きくなって細かい制御が厳しくなった羽――翼をなんとかコントロールしつつ、彼の前に浮き立つ。
「こんにちは。ちょっとお話……良いですか?」
「おうえん」「したの【☆☆☆☆☆】→【★★★★★】」「ぶくま」「おねがい」




