582話 【速報・ハルちゃん、大きくなった】
【朗報・ハルちゃん、おっぱい】
【悲報・ハルちゃん、おっぱい】
【ハルちゃんは幼女だから良いんだろ!!】
【馬鹿、少女の方が良いだろ!!】
【ショタも良いんじゃないかなって……うぅ……】
【草】
【姉御、そういやハルちゃんが異世界に行って大きくなったときも落ち込んでたな】
【まぁショタコン共はね……】
【大丈夫大丈夫 ショタっ子がTSしたって妄想で切り抜けてる】
【!! 思い出したから大丈夫ね!!】
【草】
【草】
【不敬にも程があって草】
【ま、まあ、ノーネームちゃんがないないしてないし……】
【そうそう、適度なら良いんだもんな!】
【その「適度」の加減が分からないのが怖すぎる】
【規則とかってさ、明言されてると怖くないからね】
【草】
【こわいよー】
【ハルちゃん&ノーネームちゃんに明確な劣情抱いたりそれを報告しなきゃスルーしてくれる、ナマモノ相手としてはとんでもなく優しい判定だから……】
女の子。
幼女っていう、男と女がはっきり分かれてない年頃じゃなく、もうちょっと成長して――成長の早い女子から急に体が変わっていく年頃の体。
ノーネームさんが毎晩お風呂でさりげなく揉んでくる程度には脂肪があって、先っぽがちょっとぴりぴりして。
ここまで来ると、さすがに男とは完全に別の体だなって諦めもつく――けどもやっぱりちょっと怖いし恥ずかしい、そんな体。
ちょっとだけ――「小さい子供」から「女の子」になった顔つき。
細いままですらりと伸びた手脚、ちょっとだけ伸びた指先、おまた以外は見ただけじゃ男か女か分からないようなぷにぷにとした体つきから、おへその横がちょっとくびれ始め、気のせいかふとももが横に広がってる気がする体。
――るるさんたちと別れて――や、途中でノーネームさんに喚ばれてちょっとだけ一緒だったけども――から、もう何十日もこの体で暮らしてたんだ、未だに恥ずかしくはあっても慣れてきていて。
……そして、
「……ん。大人の体よりはまだまだ未完成だけど、それでも動きやすい」
そうだよね。
小学生と中学生だと、やっぱり見えるものもいろいろと違う。
知識はあってもまだ子供な小学生と、そこからちょっとだけ成長した中学生となら全然違うんだ。
【love…♥】
【草】
【たぶん「しゅきぃ……♥」って言ってるんだろうなぁノーネームちゃん】
【それをちらっと目で見てスルーするハルちゃん】
【まぁ慣れてるみたいだし】
【大抵のセクハラはセクハラとも思ってないからなぁ、ハルちゃん……】
【怒】
【セクハラ】
【違】
【?????】
【??????】
【ノーネームちゃん???】
【草】
【すっとぼけおって、この百合っ子め……】
【ノーネームちゃん、やっぱ人間っぽくなってきてるよね】
【わりと最初期からハルちゃんについては一貫していたような……】
「――GAAA―――――――!」
きゅぃぃぃん。
僕が大きくなってたあいだにもチャージしていた恐竜さんが、数十メートルの距離からレーザーを発射。
【あっ】
【逃げてー!?】
【変身中に攻撃するとか】
【草】
【戦隊ものとか魔法少女ものとは違うの!!】
【いや、冗談言ってる場合じゃ――】
それを――僕は、「探知スキルで変身中から把握できていた」。
だから。
「えいっ」
片手を突き出した僕は、魔力の指向を反射する防御魔法を展開。
「GA――――――――――!?」
きぃんっ。
【Shield】
【of】
【H-alte/Altemis】
【!?】
【えっ】
【アルテミスぅ!?】
【「アルテ」って、黒髪姉弟の呼び方だよな……?】
【ノーネームちゃん待って、今ハルちゃんにおっぱぱぱぱぱぱぱ】
【草】
【女の子らしくなったって言おうとして劣情抱いたおバカ】
【あーあ】
【ノーネームちゃん! 体維持できない状態で無駄なないないしないの!】
【ていうかハルちゃんがますます強くなってるぅ……】
【片手であのビームをガードとか】
【ノーネームちゃんの分も女神パワーとか魔力とか吸収したんだから不思議はないけど……】
「………………………………」
しゅううう。
僕の前に金色の盾。
そこには薄いけども、向かい合わせに額と手を合わせている長い髪の毛の少女の模様が刻印されている。
これ、やっぱりあの地下にあった町の中心にあった、でっかい石に刻まれてた――
【H-aru】
「……あ、そうですね。今のうちにやらないと」
ぴこっと教えてもらってどっかから戻ってきた僕は、必死の攻撃を反射されて大ダメージを負っている彼を見る。
「GRRRR……」
「ごめんなさい。でも、帰ってもらわないといけないんです」
しゅいんしゅいんしゅいんっ。
僕の頭上の輪っかが、上へ上へと拡大されながら複製されていく。
「……おお、神よ……!」
「あー、うん。こういう雰囲気はそっちの宗教画とか系統だわなぁ」
遠く離れた空中で、さっきのお兄さんたちの会話。
そうだ。
魔力さえあれば、この体ならどこまででも聞こえるんだ。
そうして魔力を頭上に溜めた僕は――
「イスさん」
「――また、お役に立てる日まで――adieu」
イスさんを「吸収し」、足元がふわりと空を掴み――ばさりと羽を広げて飛び始めた。
「おうえん」「したの【☆☆☆☆☆】→【★★★★★】」「ぶくま」「おねがい」




