536話 【速報・キャシーちゃん、衝撃の展開】
「ケセランパサランって語感が良いですよね。ケセランパサラン」
「ぱさらん」
「ケセラン?」
「ぱさらん」
「パサラン?」
「ぱさらん、……」
はっとした顔をするノーネームさん。
なんかこういうのって楽しいよね。
「んむぅ」
「ごめんなさい」
【草】
【かわいい】
【かわいい】
【ハルちゃんって変なテンションになることあるよね】
【あの、今、助けたばかりの人たちが見てる前……】
【草】
【ハルちゃん……どうして……】
【フリーダムすぎる】
【女神でしょ? 威厳とかないの??】
【ハルちゃん、威厳とか気にしないから……】
【ないせいでノーネームちゃんとか子供たちとか始原とかその他いろいろが何かあるたびにハッスルするんだろうが!!】
【ゆるすぎる神様崇めちゃうとああなっちゃうんだよね】
【草】
【草】
【けどネッシーとかツチノコとか言ってのけるハルちゃんのセンスよ】
【しかも自分のことをな】
【草】
【かわいいよなぁ】
【うん……かわいいんだ……】
【ただちょっと、敵と見なしたらジャッジメントしてくるだけで……】
【ひぇっ】
【普段は温厚な人、もとい神様の方が怖いっていうね……】
【それな】
【ハルちゃんだけは怒らせちゃいけないんだ】
【そうだぞ、Gとか通算で何度もやられてるし】
【「ごんっ」とかな!】
【草】
【分かったノーネームちゃん? だからそうやっておかえしかなにか知らないけど、ハルちゃんをまさぐってててててて】
【ノーネームちゃん!!!!】
【草】
【ハルちゃんが注意しないのがいけないから……】
【この百合女神、絶望の顔で見上げてきてる人たちの前でナチュラルにおさわりを……】
【破廉恥な女神って思われ……いや、はいてないこともあるから間違ってもいないか……】
【草】
【そういやそうだったわ】
【ハルちゃん? ぱんつはちゃんと穿こうね?】
【今ですら、穿いてるかどうか……】
【草】
【ハルちゃんは本当、お酒と本以外はどうでも良い子だから……】
【さすがにもうちょっと……いや、神話の神々ならこんなもんか……】
【そういやそうだわ草】
【普通に混じってても違和感が無さ過ぎるロリ女神】
「……と、とにかく恩人……いえ、異界の神ということにしましょう! ね、サーモンドさん?」
「マダムとお呼び! ……そうさね、いろいろなものは脇に置いて、現実を見ないとね。お前たちも――」
「――ママ!? パパ!?」
「その声は……」
「キャシー!?」
なぜか顔を真っ青にしてぜえぜえしてたキャシーさんが――顔を上げた人たちの中に知り合い――いや、
「両親の人たちが居たんですか?」
「はい……はいっ!!」
――彼女の目線の先には、立派な感じのおじさんに綺麗なおばさんが。
あ、おばさんの方、キャシーさんに似てるね。
「キャシー……本当に……!?」
「………………………………」
【ぶわっ】
【イイハナシダナー】
【ケセランパサランからいきなり感動を投げつけられて困惑してるけどとりあえず泣いた】
【草】
【視聴者の感情はもうボロボロ】
【キャシーちゃん、現代出身だけど何かがあってあのダンジョンに居たと】
【欧州に出てたときもいろいろ言ってたしなぁ】
【あー】
【よく見たらキャシーちゃんの髪の毛、お母さんとそっくりな赤だよね】
【ほんとだ】
【……あれ? このお父さんの方……いや、まさか……】
【ふぁっ!? この前うちの国に来てた大統領!?】
【!!??】
【マジ? マジだわ……】
【しかも若い……!?】
【この前来てたときより……白髪が少ない!?】
【この前来てたときより……やつれてない!】
【草】
【かわいそう】
【夫人の方はそんなに変わってないみたいだけど……】
【あと、新型ミサイルのせいで全世界から1年近くサンドバッグにされてる前だからお肌つやつや!?】
【あの日で追い詰められる生命の危機を感じるストレス<<<サンドバッグでのストレスか……】
【※主な原因はリリちゃんのお姉さんです】
【※でも直接の原因は合衆国海軍のやらかしです】
【草】
【かわいそう】
【かわいそう】
【こればかりはかわいそうだわ】
【許した】
【さすがになぁ】
【まぁあのときのミサイル食らっても、結果的に全員無事だったって判明したわけだしなぁ】
【そういやそうよね】
【おかげでリリちゃんがすっかりおもしれー子になっちゃって……】
【草】
【速報・キャシーちゃん、大統領の娘】
【え、でも、大統領夫妻に子供は――】
「ぐぇ……は、吐いてる場合じゃないわ……!」
「ゆっくり立ってくださいキャシーさん。胃薬とか探してみましょうか?」
【草】
【やさしい】
【ハルちゃんってばやっぱ優しいよなぁ】
【ただ自分のやらかしでみんなが困るのに気がつかないだけで、優しい神様なんだよなぁ】
【草】
【そ、それがハルちゃんの魅力だから……】
なぜかよろよろしてるキャシーさんを支えてあげる。
さっきまでリリさんと一緒にイスさんでぶんぶん飛び回ってきゃーきゃー楽しんでたのにね。
「良いかい。落ち着いて、よく聞くんだ」
「で、でもっ!」
キャシーさんの、お父さんとお母さん。
あんな洞窟――ダンジョンに子供たちだけで居たんだし、てっきり家族の人とかはモンスターに食べられちゃったか、ノーネームさんのおかげで異世界にないない中かって思ってたけども。
そっか、無事だったのか。
それならないないされてない理由も――――――
「――キャシーの遺体は、道中の教会の墓地に埋めた。……ひと房だけ切り取ってきた髪――唯一の遺品を持っているのは、君だろう」
………………………………。
ん?
遺体?
遺品?
キャシーさんの?
……何のこと?
「………………………………、ぇ……」
――ぎゅっ。
キャシーさんを、抱きしめる。
あったかい。
息をしている。
間違いなく、僕の知ってるこの子なんだ。
この子は僕たちと……ずっと一緒に居たんだよ?
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