489話 「あの日」を超えた旅立ち その2
「現在、同じようにアル様の御業を配信で見て感激して、自分たちから『アルム教』に入るって宣言した州……じゃなくって独立国家が30っ。 ハイウェイを使えば車で行き来できる距離のとこも4つ5つあるから、なにかあっても問題なしねっ! 簡易的だけど発電機と有線ケーブル使って短距離の連絡網も構築できそうだし安心! あー、英語とかは私の故郷とおんなじで良かったわー!」
【草】
【解説助かる】
【めっちゃ早口なキャシーちゃん】
【キャシーちゃんって”こっち側”よね】
【理系女子……良いよな】
【いい……】
「ええ。 キャシー様には情報関係に対外交渉でお世話になりました」
「なりました」
ビビさんリリさんからお礼を言われたキャシーさんが、ふんすと胸を張っている。
あの子、戦いから解放された途端すっごく元気になったね……や、普通にこの世界の人たちより強いし、戦いも上手だし、他の子たちと連携すれば普通に戦えるんだけども。
まぁ僕が近接戦やれって言われるようなもんかな。
僕は遠くからちくちく安全圏を拡大したいタイプなんだ。
それを、モンスターがわーっているところにわーって突撃させられてるようなもんだもんね、そりゃあ疲れるよね。
人にはそれぞれ性格とタイプがあるんだからね。
「この世界ってすげーよな。 どこも石と鉄で覆われてるんだぜ」
「し、しかも、本来なら電気、ってので遠いところの人ともおはなしできるとか……」
「キャシーが平べったい板とか使って遠くの地図とか出してたしな」
「魔法も狼煙も使わないで意思疎通、できるんだもんね……」
【アリスアレク姉弟はあいかわらず見てるだけで頭バグるわ】
【性別がね……】
【かわいいでしょ?】
【いや、かわいいけどさ……】
【黒髪&褐色って良いよね……】
【いい……】
【しかもおめめが紫なんだよなぁ】
【いいね】
【俺っ子姉貴と僕っ子女装っ子とかいうすげぇ組み合わせ】
【ていうかちょろっと話してたけど、なんか男女違う世界出身だとか】
【ていうことは……弟くんが、孕む……?】
【お姉ちゃんが……孕ませる側……だと……?】
【!?】
【!!!!】
【ショタよ!!】
【はいはい病室戻りましょうねー】
【草】
アレクくんとアリスさんは――まぁなんとなく察してたけど、文明とはちょっと離れた場所出身だったらしい。
おかげでなんでもびっくりして感心してておもしろかったっけ。
キャシーさんとかるるさんがいちいちいろいろ説明しても新鮮な反応が返ってきて、すっごく生き生きしてた。
キャシーさん、意外と現代っ子だね。
「……はい、こちらが、私が思い出せる限りの――恐らくは今現在の世界情勢の情報です。 伝えない方が良さそうな情報は私の独断で記載していませんが……ぜひ、活用してください」
九島さんが――おとといから一睡もしてなかったけど大丈夫なんだろうか――ひたすらにキーボードを打ち続けていたノートパソコンを、町の人――じゃないね、新しい国の人に渡している。
【くしまさぁん】
【くしまさぁん!】
【女神がやつれている】
【くしまさぁん……】
【もうだめだ……】
【草】
【仕事人だからねぇ】
【真面目すぎるのが女神】
【分かる】
【くしまさぁん……分裂して……】
【草】
【えぇ……】
「ちほ……よくあそこまで細かい情報を覚えていましたね。 もう11年――私たちの主観では10年前ですが、それでも子供のときの話なのに」
「ええ、仕事で調べる機会がありましたので。 ……多少は機密情報も混じっているかもしれませんが……ハルさん関係ですからなんとかなるでしょう」
【あー、くしまさぁん、これ寝不足でハイになってますねー】
【ガタタッ】
【女神が乱れているだと……!?】
【興奮した】
【やはりくしまさぁん is 女神】
【でも大丈夫? 徹夜でやった内容、致命的な情報とか入ってない??】
【ま、まぁ、どうタイムパラドックスとか回避してるのか分からないけど、結果的に俺たちの時間軸では普通に世界も存続してるから……】
【これってノーネームちゃんが世界そのものに干渉して時間改変……あの、これ、ループが進むごとにえらいことになってたり……】
【め、女神のすることだから……】
【そうそう、もはや人知を超えたなにかだから……】
【ノーネームちゃんかわいいいいいいいいいいいいいいい】
【草】
【うわぁ急に発狂してないないされてて怖っ】
【草】
【かわいそうに……】
【全世界の言語を統一するとか何百万人ないないして安全に運ぶとか、それに比べたら些細なこと……いやそうでもないな……】
【草】
【冷静になったらおしまいだよ?】
【じ、人類全滅が、それも複数の世界でガチで迫ってたし……これくらいやらないとダメだったんだろうから……】
「……ちほも、変わりましたね」
「ええ。 全てを杓子定規に処理すると……大変なことになるのは、ハルさんのお相手でよくよく理解しましたので」
「ちほちゃん……」
「るるさんは、そのままで居てくださいね」
「ちほ……」
「ある程度制御できるのなら、あなたの性癖も多少は考慮しましょう」
「嬉しいけどそろそろ名前を呼んでくれない!?」
【草】
【草】
【えみちゃん……】
【どうして……】
【ロリコンだからだけど?】
【それも重度のな】
【ハルちゃんっていう特定の相手だけだから……】
【ほんとぉ?】
【わりとノーネームちゃんにもちょっかい出してた気が】
【ノーネームちゃんはハルちゃんのコピーだから……】
【自分で孕んで複製した女がががががが】
【ノーネームちゃん! そういうのよくない!!】
【草】
◆◆◆
お待たせしました、定期ないないより復帰しました。
また……ハルちゃんの話ではありませんが、朗報です。
カクヨム様での話になりますが、今年のカクヨムコン10の中間選考をユズちゃん・明乃ちゃん・玲くんが突破しました(ハルちゃんはすでに書籍化済みのため選考対象外です)。
明乃ちゃんは完結済み&投稿済み、玲くんはもうじきこちらへも投稿の予定です。
投票、応援、感想、いつもありがとうございます。
「ハルちゃんがこれから何やらかすのか気になる」「おもしろい」「TSロリっ子はやっぱり最高」「続きが読みたい」「応援したい」と思ってくださった方は、ぜひ最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に&まだの方はブックマーク登録で最新話の通知をオンにしていただけますと励みになります。応援コメントやフォローも嬉しいです。




