486話 つかの間の休息 その2
【ノーネームちゃんが11年前とのリアルタイム通信実現しちゃったせいで、世界中の科学者たちが発狂中】
【あと宗教家たちも必死に会議中】
【考えるの放棄してハルちゃんたち崇める方向に転進したのもいるな】
【草】
【かわいそう】
【かわいそう】
【しかもタイムパラドックスとかノーネームちゃん自身が言ってるし】
【まぁそうだよな、こっちからいろいろ書き込めば11年分の未来の情報とか知れちゃうもんな、あっちからすれば】
【あー】
【あの日に大暴落した世界中の株価とか暗号通貨とかなぁ】
【まさか1年で立て直せるって思わなかったよね】
【そらそうよ……】
【まぁ実際に国ごと消滅したせいで紙くず以下になった通貨も数知れず……】
【金銀が高騰するかと思いきや、それも1年で落ちつくとかなぁ】
【誰も思いつかないよな】
【こんなん知ってたらえらいことになるな、確かに】
【けどあっちはこれから大変だぞ】
【ああ……】
【うちの国は幸運にも電気とかは切れなかったけど、大陸はなぁ】
【実際、ハルちゃんたちの居るレストランもロウソクの明かりだし】
【……あのさ 美食の国の発電所が止まってるって……】
【あっ】
【ノーネームちゃん!】
【いや待て、検索したら普通に停止できてたらしい】
【良かった】
「むぅ」
「? 今度はご機嫌ななめなんですか? 呑みます?」
「のむ」
僕が差し出したグラスを、さっと受け取ってこくこくと飲み干すノーネームさん。
……この子、見えないなにかと話したりしてない?
【草】
【ごめんねノーネームちゃん】
【でもほら、なんでも聞いてばっかじゃ悪いからさ】
まぁノーネームさんだからあり得るんだけど、聞いてもごまかされるし……。
でもまぁ、魔法があるんだから幽霊さんも居るよね。
なんならゴースト系とかスケルトンとか……あれはモンスターだけど居ることは居るし。
なにもないとこ見てころころ表情――無表情の中の表情を変えるし、1人で隅っこ見てぴこぴこ出してるときもあるし。
なにか居るのかなぁ……元々呪い様だし、呪いとか?
コアがあるなら怖くないけど、コアがないならちょっと怖いかも?
【ノーネームちゃんのごきげんは?】
【大丈夫、ハルちゃんと間接キスしてご機嫌になってるよ】
【ああ、この子もハルちゃんラブでしたねぇ……】
「すき……」
「あ、それおいしいですよね。 このワイン……あ、持ってきてくれるんですか? ありがとうございます」
ノーネームさんが「すき」って行った瞬間にがたたっと席を立ってもっと持って来てくれる様子の町の人。
近くにワイン作ってる人が居るのってすごいね。
僕、将来はここに住みた
「ぜひ!!」
「リリさん、うるさいですよ」
「我がソレイユ王国はハル様とノーネーム様でしたらいつでも大歓迎です!」
「よく分かりませんけど、そういうのはこの世界が安全になってからですね」
ふんすふんす、すんすんと近づいてくるリリさん……君、こんなキャラだったっけ?
「……来ていただけましたら、好きな銘柄を好きなだけ。 交易が再開しましたら、北国から新大陸まで。 ありとあらゆるお酒というお酒を完備いたします」
「え? じゃあ行きます」
「いく」
【草】
【草】
【ハルちゃん……】
【もしかして:ハルちゃん、お酒さえちらつかされたらちょろい】
【うん……神話の神様たちってお酒に弱いのが常だから……】
【ハルちゃんの弱点はお酒か】
【ただし酔い潰れたりはしないけどな】
【それな】
【たまーに酔ってるけどな ほら、全世界公開全裸でお風ろろろろろ】
【あっ】
【あーあ】
【そんなこともありましたねぇ……】
【あー、ハルちゃんが合衆国のミサイルで……おのれ合衆国!】
【草】
【大統領が直々に訪問してビビちゃん大人ver.に謝らせられてたんだからもう許してやれよ】
【だって……】
【それで犠牲になったと思われてたリリちゃん、普通にここにいるもんなぁ】
【なんならハルちゃんのお酒の弱さに付け込んで来国の約束まで取り付けてるぞ】
【したたかなリリちゃん】
【リリちゃんも全肯定ではあっても女の子ね……】
【まぁあの件で1年間、国際会議の場でけちょんけちょんにされてたし……】
【けど、今画面でハルちゃんたちを眺めてるロリビビちゃんがムカ着火ファイヤー女王様になるのか……】
【お胸もでかくなってね】
【うむ】
【然り】
【え? 別に大きいわけ何だお前らどっから】
【え?】
【は?】
【王国「王国内の法律では4柱及び王族に対する不敬は極刑です」】
【え?】
【草】
【こわいよー】
【やべぇ、呪い様やってたころのノーネームちゃん以来の恐怖だ】
【あの、ここうちの国 国内法とか……】
【いいか? 賢いやつはな、気づかないフリをするんだぞ】
【そっかぁ……】
【まーたイロモノのせいで視聴者が怯えちゃって……】
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