481話 【カオスの中の王冠神授(台無し)】
「大変だぁ! えっと……えみの姉御が継続毒かなにかで苦しそうにしてる!」
「ち、治癒魔法っ! 治癒魔法使える人すぐ来てくださいっ!」
「え、あの凜とした方が……きゃあ!? すごい血!?」
「あ、あれ、額とか頭とか攻撃されていたのでは……!?」
「使徒の方が魔王から攻撃を受けていただと!?」
「ああ、なんでも俺たちを庇ったんだとか……!」
「ああ聖女様、どうか死なないで……」
「 」
「えみちゃんお願いだから意識取り戻してぇぇぇ!! 笑顔してる場合じゃないのぉぉぉ!! 鼻血だけで血が足りなくなっちゃうぅぅぅぅ!!」
「おしり、出てました?」
「おしり」
「ノーネームさんは僕とおんなじでしょうが」
「おしり……」
「どうせ今晩もお風呂で見るんですから良いでしょう?」
「おしり……!」
【草】
【草】
【どーするよこれ……】
【どうしようねぇ……】
【親戚さん倒した瞬間からこれだよ!!】
【ああ、良くも悪くもハルちゃんの配信の悪い部分が……】
【良い部分ではあるよ? 安心できるだろ?】
【ああ……えみちゃんでな……】
【えみちゃん……】
【さすがはハルちゃんを崇める人たちの前でセクハラかます女】
【やべー女とかおもしれー女を通り越して真顔になる女】
【えみちゃん……】
【そんなえみちゃんが好き】
【分かる】
【イロモノでもいい……ギャップできゅんとくるんだ】
【わかる】
【あ、えみちゃんの同接と、ついでに登録者数がリアルタイムで急増してるわ】
【草】
【草】
【えぇ……】
【ああ……えみちゃんのいい笑顔での鼻血だっくだく、真っ正面から映してるからねぇ……】
【うん、インパクトはすごいから……】
【※周囲は大混乱です】
【うん、知ってる】
【だから?】
【ハルちゃんとノーネームちゃん、いちゃいちゃしてるよ?】
【もういいや……】
【草】
【こういうときにまったく動じないのはハルちゃんらしいよね】
【分かる】
【るるちゃんが真っ青になってる……】
【かわいそう】
【おいたわしい……】
【血の量が尋常じゃないからな……】
【太い動脈でも切ったのかな?】
【興奮で?】
【興奮で】
【性的な興奮で?】
【性的な興奮で】
【草】
【草】
【えみちゃん……】
【ま、まあ、高レベルだしダンジョン内だし、出口にはくしまさぁんたち居るし……】
【けど改めてカオスだな】
【ちょっと見渡してみようか】
【そうしようか】
【ハルちゃんはもうちょっと周りを見ようね】
【見ても対した興味持たなさそう】
【始原もそう思います】
【王国もそう思います】
【草】
【ハルちゃん→王冠持ってきょとん】
【ノーネームちゃん→ハルちゃんの真横で無表情でおしり連呼】
【るるちゃん→えみちゃんのツッコミ&心配でおいたわしい】
【アリス・アレク姉弟→大騒ぎしながら呼びに行っちゃった結果ビビリリちゃんたちと町の人たち巻き込んで大騒動に】
【えみちゃん→鼻血出す以外の行動がない】
【あれ? リリちゃんどっか行っちゃった?】
【草】
【草】
【えみちゃん……】
【え、ていうかやばくない? ハルちゃんのおしり見て鼻血止まらないとか】
【興奮しすぎ】
【いくらロリコンどもでもさすがにここまではならないよな?】
【まぁハルちゃん見てないないされるレベルのは残ってないとも言える】
【草】
【それはそう】
【さすがの俺たちもそこまでは興奮しない……】
【そこまで行くのはちょっとおかしい……】
【いくらなんでも、ただのラッキースケベ程度のでそこまでにはならない……】
【中学生男子でもそこまでは……】
【草】
【悲報・えみちゃん、同胞からもドン引きされるくらい興奮してる】
【えぇ……】
【えみちゃんの業が深くなっていく……】
【大丈夫大丈夫 崇拝対象の女神様にセクハラかます方が外交的にはよっぽどやばいから、これくらいへーきへーき】
【草】
【草】
【えみちゃん……よかったね、女の子で……あと聖女扱いされてて……】
【性別と立場が違ったら……】
【あの……宝箱から王冠とか、これまたとんでもない状況なんですけど……】
【えみちゃんのだくだく鼻血で全部持ってかれちゃったね☆】
【王冠さんかわいそう】
【かわいそう】
◇
「ということであげるね」
……かぽっ。
ちょうど来てくれたビビさんを捕まえた僕は、頭の上に新鮮な王冠さんを乗せてあげる。
なんか焦ってたけど、えみさんのあれは残念な発作で害はないから大丈夫だよ。
ちょっと長く禁欲しすぎたんだろうね。
あとで九島さんに緩くしてもらえるように言っといたげるね。
「え、あの……」
「悪いけど、1個しかなかったから。 あと、王様って2人とか居ると国とか分裂しそうで縁起悪そうだし」
魔王さんの親戚さんを倒して盛り上がってたらしいみんなに着いて行けなかった僕は、なんかすごそうな王冠ってアイテムを手に入れた。
けどもこんなの、僕が使う予定はないし……なにより配信のカメラさんがくっついてるときの脳天付近とちょうど被るんだ。
や、べつに頭じゃなくても腕とかでも良いらしいけどね……ほら、きにならないとこって言ったらそこくらいだったから。
「あ、お姉さんだから君にあげちゃったけど、もしかして妹さんにあげたかったとかそういうのあったりする?」
「い、いえ……」
「わ、わたしも、特段……」
「そ。 なら良いよね」
「いい」
よし、これでこのダンジョンですべきことは終わったね。
もともとこのダンジョンはこの町の人たちのものだし、僕たち助っ人で入っただけだし、宝箱は元からあげるつもりだったし。
あ、でも、ドロップ品に結構あったワインとかはもらってこうかな。
ほら、やっぱ本場のワインっておいしいし。
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