480話 【悲報・えみちゃんはおしまいでカオス】
「まぁそんなことよりさっさと宝箱開けてここ出ましょう」
「そんなことではないのですけどね……」
ひらひら見せてたらみんなが注目してたきちゃない袋さんは姿を隠し、また宝箱に注目が戻る。
「ん」
「あ、はいはい」
気がついたらるるさんからすり抜けていたらしいノーネームさんが宝箱の反対側に立って、待っていてくれているのに気がつく。
……こういうときくらいなにかしゃべってよノーネームさん。
いいけどさ。
「行きますよ」
「ん」
――かぱっ。
思ったよりも軽く、簡単に開いた?
「………………………………?」
……軽い?
え?
……ニセモノ?
「……宝箱って、普通は1人で開けられるものなんだよ?」
「ないないの配信で、確かものすごい地下の宝箱を開けるのに苦労していたのは……たぶん、宝箱自体を損傷させていたからかと……」
……なるほど、そういやそうだ。
なんかちょっと感覚がおかしくなってたね。
「あ、そうでしたね。 あれ、重かったのに」
【あー】
【あー】
【なんだっけ? ぶち切れハルちゃんだっけ?】
【だな】
【子供たちがやられちゃったって思い込んでぶち切れて高笑いあげながらくそでかジャッジメントぶっ放してボスフロアを半壊させたどころかダンジョンの壁を吹き飛ばして古代都市と繋げちゃったあのときのだね!】
【草】
【ハルちゃん、怒ると怖いからね……】
【普段は絶対に怒らない分、怒るとね……】
【あとはおねむのときとかも謎のキレ方するよな】
【あれはかわいい怒り方だったね】
この前の宝箱……そういや壊れてたっけ。
なるほどね。
あれだけ苦労したの、そのせいだったんだ。
あれ?
でも、なんで宝箱壊れてたんだっけ?
………………………………。
まぁいいや、たいしたことない理由だろうし。
「……はぁ……」
「え、えみちゃん、元気出してっ!」
なんだか、だうーんってなってるえみさん。
気のせいか、いや、気のせいじゃない……お胸がこっちに迫ってきている。
「はぐ、して良いですよ?」
「!!!!!!!!!!!」
ぼよんっ。
彼女のお胸も生き返ったらしい。
【!?】
【ゆれた】
【でかい】
【うわでっか】
【ふぅ……】
【これが母性……えみちゃん……】
【※ただしロリには性欲も発動するタイプの母性】
【それ……母性なの……?】
【愛の一種ではあるから……】
「えみちゃん、帰ってからね」
「……るる……!!」
「ハルちゃんが良いって言ってる以上、私は止めたりはしないけど、それ以上のことはダメだからね」
「るる……! あなたは最高よ!」
【草】
【るるちゃんが】
【許した……!?】
【もしかして:見放した】
【あっ】
【草】
【ま、まあ、どうせ後でくしまさぁんに叱られるから……】
【朗報・えみちゃん、何ヶ月ぶりにハルちゃんにおさわりできる】
【草】
【うん……くしまさぁんが居たときはことごとくガードされてたからねぇ……】
【ま、まあ、通常の範囲でのおさわりなら……】
【下手に禁欲させすぎてそのへんのロリに暴発しそうだし……】
【けどやっぱ、ハルちゃん自身はえみちゃんのそういうのなんとも思ってなさそうなのが本当にかわいい】
【わかる】
【ハルちゃんって興味ないことにはどうでもいいからね】
【えみちゃんがどうでもいいの?】
【そうじゃないの?】
【草】
【そうじゃないって言ったげてよぉ!!】
【ひでぇ】
ぎーっ。
でっかい宝箱の中身は――やっぱり、底の方にあるらしい。
「昔話とかでこういうのありましたよね。 でっかいのにはちょっとしか入ってなくって、小さいのにはぎっちり入ってるって」
宝箱のヘリをまたぎながら――普段は忘れているけども脳みそのどっかに染みついている、古い童話とかの記憶と戯れる。
覚えてないような昔のことでも、魂にはしっかり刻み込まれてるものだからね。
あれ?
そうなの?
………………………………。
……んー、なんか下半身が涼しいから変な思考回路が。
「はっ、ハルちゃん! おしり見えちゃってるよぉ!!」
「 」
「えみちゃん鼻血ぃぃぃぃぃ!?」
【草】
【えみちゃん……】
【悲報・るるちゃん、ツッコミに回った】
【草】
【ボケばっかでバランス悪かったから助かる】
【るるちゃん……おいたわしい……】
「でっかい姉さん、鼻ケガしてたか? やべー血出てるぞ!?」
「ビ、ビビさんとリリさんを呼んできて治癒魔法を……!」
【子供たちが慌てている】
【平常運転だから気にしないでね】
【これはそういう生き物だからね】
【草】
【えみちゃんの扱いで草】
【おしり】
【おしり】
【あと鼻血】
【えみちゃん……】
【すっごい笑顔で鼻血出しながら硬直してる】
【まぁね……真性のロリコンだからね……】
【俺たちの希望なんだ】
【わかる】
【えみちゃん……女の子で良かったね……本当に……】
「……王冠?」
「くらうん」
僕たちの腰くらいの高さの宝箱。
そこでぴかぴか光ってたのは――そんなに大きくない、けれども宝石とかがこれでもかと埋め込んである王冠。
「これ、いくらくらいするんでしょうね……あれ、えみさん、鼻血出てますよ」
「わ、王様とかの頭に乗ってるやつ! 綺麗ー!」
「久しぶりの生ハルたんの裸体……ああ……」
「大変だー! 姉さんの顔から血が止まらないんだぁー!」
「血!? 大ケガなの!?」
【悲報・ツッコミ不在】
【めっちゃくちゃで草】
【阿鼻叫喚で草】
【子供たちが純粋な心で大騒ぎしている】
【そのままの君たちで居て……】
【くしまさぁん! くしまさぁん!!!】
【くしまさぁんなら入り口だよ】
【もうだめだ……】
【草】
つまり、この子たちは……】
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