461話 女神&異世界勇者&現地人連合部隊を作ろう! 5
旧市街地の広場――欧州の古い町って、広場と教会が町の中心なんだ――に別れて集まり、それぞれのリーダーたちを中心に作戦を話している光景。
……僕たちにはない、こういうのって、ちょっと羨ましいかも。
「ぷは」
「ぷは」
「こういうときは白ワインですね」
「うまうま」
みんながやる気出してる光景を見ながら――そして、育ててきた子供たちが、補助だったとしても今度は他の人を育てる番になってるのを見ると、なんだか誇らしくなってくる。
「ああやって人間は成長していくんだよね。 そういうのを見てるのって、なんか好き」
「すき……♥」
「やっぱ育てるのって良いですよね」
「すきぃ……♥♥♥♥」
【ハルちゃん……】
【ノーネームちゃんといちゃいちゃしながらも垣間見える、女神マインド】
【やっぱ種族が違うからなぁ……】
【数千歳とかだって言うし……】
【いいなぁ ハルちゃんたちに直接見守られる人生って】
【分かる】
【永遠のロリ女神様にな、子供のころから見守られてな、そんな人生って最高だよな】
【分かる】
【ちょっとひよこババアもの買ってくる】
【草】
【草】
【お前……】
【気をつけろよ? ひよこババアものでハルちゃん思い浮かべたらないないだぞ?】
【やべぇ……めっちゃ難易度高かったわ……】
【草】
【ノーネームちゃんが見てる】
【ガチで見てるからな……】
【<●><●>】
【ひぇっ】
【こわいよー】
【じょばばばば】
【ノーネームちゃん! ホラーやめて!!】
【ガチで怖くて草枯れる】
【ゴメンネ】
【いいよ】
【もー、ノーネームちゃんってばおちゃめさん☆】
【これがノーネームちゃんなりのじゃれつきなのか、素で反応してるだけなのか】
【どっちでもかわいいいいいいいいいいいいい】
【草】
◇
「ハルちゃーん!! 準備終わったから降りてきてー!」
「こっちも終わったわー! あ、終わりましたぁー!」
ノーネームさんとの宴を楽しみ尽くしたころ、下から呼びかけられ、僕たちはひらひらと降りていく。
ふむ……るるさんとキャシーさんがなんか仲良くなってる。
確かにそんな感じ、するかも……?
「ん!」
「はいはい……わぷ」
「きゃーっ♥ ハルちゃんがふわふわ降りてきたー♥」
【ふたりはるるハル……】
【いい……】
【大丈夫? 痛くなななななななな】
【絶壁を愚弄した罪は重いぞ】
【こわいよー】
「ノーム様!」
「ん」
「わー……あぁぁぁ!?」
【草】
【あーあ】
【降ってくるのが幼女たちでも、受け止めるのが高校生と小学生だと全然違うわな】
【しかもあの子って戦闘能力は……ねぇ?】
【ノーネームちゃんに押し倒されてる幼じょょょょょ】
【あーあ】
……ずてん。
腕を広げたるるさんの胸に納まった僕は、横を見てみる。
髪の毛がもっさもさになってるからか、るるさんの匂いが濃くなっている。
「ごめん」
「い、良いのっ! 私が非力だから……」
……ノーネームさんに押し潰されてる赤毛の子。
うん……君は他の子に比べて弱いからね。
多分だけど、この子だけは安全な場所で育ったからなんだろうし。
「お待たせしました、ハルさん。 簡易的ですが名簿も作成してあります」
「ハルたん! 中衛の方々、5人程度のパーティー分けも終わっています!」
【くしまさぁんマジ優秀】
【えみちゃんマジえみちゃん……】
【草】
「あとはハルちゃんたちの号令で、いつでも動けるよ!」
「すんすん……はっ! 動けます!」
【るるちゃんがすっかり元気】
【リリちゃんは飛びついてすんすんするのやめようね?】
【にぎやかすぎて草】
【みんな個性豊かだからな……】
【そんなみんなが、地球の11年前のあの日に揃ったんだよな】
【ああ……】
【しかも現地のさ、巻き込まれたばっかの人たちも、あんなに覚悟の決まった顔してさ】
【ああ……!】
僕たちの前に――るるさんたちと、子供たちと、あとリリさん――そして町の人たちが、立っている。
僕たちを、見ている。
最初のときとは違って――意思のある顔つきをしていて。
「分かりました」
僕は――景気づけは大切だから。
ふぃぃぃぃん。
【!?】
【ハルちゃん!?】
【急に輪っかさん起動してる】
【まさかまた魔王軍が?】
【いや、ノーネームちゃん(偽?)がダンジョンに押し込めたって】
頭の輪っかに魔力を通し、ちょっと勿体ないけども――あのジャッジメントを、空高くまで、打ち上げて。
ひゅるるるる………………………………ぱぁん。
【たーまやー】
【かーぎやー】
【打ち上げ花火】
【おー、すっごく遠くに飛んで行く】
【もしかして:遠くの地域の魔物たち狙ってる】
【だろうなぁ……】
【新しく湧いてくるモンスターたちが地下のダンジョンに押し込められたのであって、すでに湧いてたのはそのまんまってのは、さっきハルちゃんたちが倒して回ってたので分かってるし】
【まー、もし偽ノーネームちゃんの魔法で全部地下にないないしてくれてたなら、11年前も実際あんなにひどいことにならなかったわけで】
【あー】
【さすがにそこまでは無理か】
【後続のがことごとくダンジョンっていうワンクッション置いてくれるだけでとんでもなくすごいことだしな】
【ああ……!】
「それじゃ、みなさん」
ぎゅっ。
手を握ってくる、ノーネームさんの体温。
「――この町の下に閉じ込められているモンスターたちは、たくさん居ます。 よりどりみどりです。 ですから、ひと狩り――行きましょっか」
【ハルちゃんがいい笑顔】
【かわいい】
【かわいい……】
【11年前のあの日、ほとんどの地域じゃ悲劇だらけだったけども……ハルちゃんたちに助けられて、こうして勇気もらえる展開があったって思うと嬉しいよな】
【だよな】
【今からでももらえてるぞ 今だってダンジョンは攻略してひと狩りし続けないと抑えられないからな】
【だな】
【ダンジョン攻略、がんばろ】
【それな】
【ところで偽ハルちゃんと偽ノーネームちゃんって呼び方、なんかかわいそう】
【確かに】
【ここはあの王国の呼び方で良いんじゃね? ――ハルちゃんとアルちゃん、ノーネームちゃんとノームちゃんでさ】
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