448話 【女神&異世界勇者&現地人連合部隊結成】2
「ごめん」
「いいですって」
ノーネームさんは謝り続けている。
何でか知らないけども責任を感じているらしい。
まぁよく分からないけども、今までの僕が特に困ってなかったからいいんじゃない?
ノーネームさん、ちょっとだけ神経質なところあるからなぁ……。
「ごめん……」
「や、つい忘れちゃうことなんて誰にでもありますし」
「でも、たいせつ……」
「……そんなに大切なんですか?」
何が大切なんだろう。
【ノーネームちゃんのガチ謝り】
【ゆるしてあげて】
【まぁハルちゃんなら怒らないだろ】
【だよな】
【ハルちゃんみたいなタイプはあれだもんな 怒らないけど愛想尽かしたら反応なくなるタイプ】
【!?!?!?!?!?!?】
【アアアアアアアアア】
【help3w;:;lb】
【アアアアアアアアアアアアアアアアアア】
【草】
【ノーネームちゃん落ち着いて!】
【大丈夫だから!】
【ハルちゃんなんてよっぽどのことがない限り愛想尽かすとかないから!!】
【そうそう、炭火焼きレベルじゃないと大丈夫だから!】
【安心】
【草】
【草】
【あの魔王もたまには役に立つんだな!】
【まぁハルちゃんが好意的じゃない、ほぼ唯一の相手だし……】
【てかノーネームちゃんの発狂、マジで久しぶりに見たわ】
ぺこり。
何か非常に申し訳なさそうな感じに頭を下げ続けているノーネームさん。
何回かおんなじやり取りをしたら、ようやくに納得したらしい彼女が顔を上げる。
なんか高速でぴこぴこ出てたけど、あれってもしかして心の声とかだったりする?
「けど、それって何ですか?」
「――――これ」
【解除】【解除】【解除】【解除】【解除】
ぴこん。
5人の頭の上にぴこぴこと文字が浮かび上がる。
……これ、他の人の上とかに出せるんだ……。
「あら、またこの文字……って、あら? これ、確かアニメーションで出てきたカンジに似てるわね? 何で今まで分からなかったのかしら」
赤毛の子が――いきなり分かる言葉――たぶん英語――でしゃべり出す。
【ふぁっ!?】
【!?!?】
【今、英語で】
【米英語だよな? 聞き取れないけど】
「けどアルテ様とノーム様、お姫様とお姫様の姉ちゃんっぽいのと何話してるんだろうな?」
「分からない……けど、とにかくぼくたちは」
「だな、話し込んでるみたいだからあたしたちで撃ち続けようぜ」
黒毛の姉弟が――なんか思ってたより乱暴な話し方のお姉さんと、こっちはイメージ通りな弟くんが、こちらを気にすることもなく矢をかけ続けている。
【!?】
【え、翻訳なし!?】
【あの、なんで急にうちの国の言葉を……?】
【さぁ……?】
【確かに東洋系ではあるけど、まさか……?】
「未来のわたしは、このあと亡きソレイユ王国をこの地に復活させ、この地の方々とともに魔王軍を撃退、そしてシゲンの方々とともにアルアさまの復活を待つ……感じでしょうか」
「リリー、ごめんなさい……やっぱりさっぱり分からないわ……」
「わ、わたしも、正直頭が混乱していまして……」
――リリさん、なんだよね――と、そのお姉さんが、美食と長靴の国が混じった言葉でしゃべっている。
【白髪姉妹は……】
【リリちゃんとお姉さん……】
【全肯定クンカーとムカ着火ファイヤー女王様だったか……】
【草】
【草】
【かなりの大事件なのに笑えちゃって草】
【まぁなぁ、リリちゃんもお姉ちゃんもやらかしてきたからなぁ……】
「……え? みんなの話してることが……聞き取れる?」
「ん」
まだしょんぼりとしてるノーネームさんが、こくりと頷く。
「……情報管制って」
「ん」
「この子たちと、僕を?」
「ん」
「……理由が、あったんですよね?」
「ん」
「じゃ、怒ることなんてしません」
「ん……」
「今までそこまで困ったことないですし、大丈夫ですよ」
「んぅ……」
しょんぼりしたのはなんかかわいそうだし、ちょうど頭が見えてるから撫でてみる。
「ん……♪」
そうすると、おずおずとぐりぐり頭を押し付けてくるノーネームさん。
「ノーネームさんって猫みたいですね」
「はやす?」
「……生やせるんですか? いえ、今は良いです」
「しゅん」
【かわいいいいい】
【かわいいいいいいいいい】
【かわいいいいいいいいいいいいい】
【様式美】
【この10秒で何人がないないされたんだろうな……】
【142】
【草】
【草】
【ノーネームちゃん!?】
【あーあ】
【恥ずかしさでうっかりないないしちゃうおちゃめな女神様だもんな!】
◇
「アルア様、わたくしたちをお救いくださいまして……右、ろくかり」
「改めまして、ありがとうございます……はいっ!」
「すっごぉい、アル様、やっぱり言葉も操れるのね……左も、はちかり!」
「おーし、休憩の内にしっかりと拝んでおくんだぞアレク」
「う、うんっ……!」
「や、みんな、戦いながら頭とか下げたりしなくていいから。 あとその2人も土下座やめて」
僕たちが話しているのを聞きつけた子供たち。
目を輝かせて――スライディングして拝んできてからは、ずっとこうだ。
「だからいいって、僕はたまたま君たちと会っただけだから」
【子供たちの信仰心が半端ない】
【そらそうよ】
【この子たち視点じゃ、本当に命救われた形だろうからなぁ……】
【てかそれ言ったらないないされた人たちと同じだし】
【確かに】
「えっと……アリスさん? アレクくん?」
「アルテ様は神様なんで呼び捨てにしてくれ……ださい!」
「そうです! 不敬になったら呪われちゃいます!」
「や、呪ったりしないから……」
「やっぱりアルテ様は想像通りに優しいんだな……です!」
「すごいね、お姉ちゃん……です!」
黒い髪、聞き慣れた言葉で親近感はいちばんあったはずなのに、なんだか肝心なところでいろいろ食いちがってる気がする2人。
「と、とにかく! 今は迎撃戦は終わったし、みんなも交代で休憩入れようね」
「はい! 命ある限りには戦い続けます!」
「や、命は大切にね? お願いだよ?」
ダメだ……この子たち、なんか覚悟が決まりすぎてる。
本当に大丈夫だからね?
いきなり言葉通じたと思ったら重い意思表明とか要らないからね?
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