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【2巻予約受付中・25/10/20発売】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~  作者: あずももも
4章 実感のない有名な僕と、お忍びリリさんと

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43話 『80Fダンジョン攻略RTA&救出作戦』1

「ということで、るるさんのとき以来の救助要請行き……あ、意外と最近でしたね、救助要請。 別に珍しくもなんともないや」


【草】

【まーたゲリラ配信してるよハルちゃん……】

【意外と最近もなにも、まだ2週間経ってないんですけどそれは】

【まぁ救助要請は待ってくれないし……】


どうしよっかなって迷ったけども、結局配信することにした。


や、配信機材もダンジョン前のお店で買えるって聞いて……ほら、懐が温かくなったから試してみたくなってね?


大丈夫、ほんの10分くらいのロスだから。

急いで来た貯金で、これでも得してるはずだから。


それで新しい機材手に入れてテンション上がれば、その分以上はペイできるはずだから。


【救助要請に駆け付けるって本当だったんだな】

【今日は配信の予定なかったし】

【というかこんなときでもひとり?】


【援軍、総勢1人!】


【しかも幼女!】

【ちょっとやべー幼女だから安心だね!】

【援軍総勢1人の心強さよ】


【普通なら絶望する数だけど、ハルちゃんショック以降は流れが変わったな】


【ハルちゃんショックで草】

【まーたパワーワード爆誕してるよ……】


ふむ。


配信にも、そこそこの人が集まっている様子。


救助要請には積極的に参加してほしいし、これでやる気が出る人が1人でも出れば儲けがあることになるもんね。


「えっと、今日は普通に町で買い物してたらリストバンドが反応したので……ダンジョン前のお店で普通の装備買ってきてます。 全部新品です」


新品。


いいよね、新しいのって。


【え?】

【それ普通じゃ……いやハルちゃん普通じゃない子だったわ……】

【草】

【普通とは……普通とは一体……】


【お出かけって、るるちゃんたちと?】


「あ、はい。 ……あ、そうでした、忘れてました。 誰か2人に連絡しといてください。 急いで来たので、たぶん今ごろになって僕がいないって慌ててるはずなので」


僕の着替えに時間がかかるにしても、いつまでも出てこなければ返事がないんだ、いい加減に声かけて更衣室のカーテンをぴらっとめくってるはず。


そこに僕がいなかったら?


……まずはそのへんぶらついてるって思われるだろうし、まだ騒ぎにはなってないはず。


たぶん。

きっと。


そうだといいな。


【えぇ……】

【草】

【悲報・ハルちゃん脱走癖ついちゃった】

【飼い猫かな?】

【野良猫かもしれん】

【まぁ経緯が経緯だし……】


【脱走幼女とか斬新すぎる】


【保護者はどこだ!】

【えみちゃんたちってことになってるんじゃ?】

【もうだめだ……】

【草】


【とりあえずSNSでリプ飛ばしといた  事務所の担当がこの時間見てくれてたら気が付いてくれるだろ】

【ハルちゃん……せめて、電話1本しなよ……】

【メッセージ1本でいいからさぁ……】


「いえ、時間がもったいないので」


【えぇ……】

【ハルちゃん! 報連相!!】

【おい、相手は得体の知れない幼女だぞ  ちゃんと噛み砕いて教えてあげないとなんにも通じない可能性があるぞ】

【草】


スナイパー職にとって、心拍数はかなり大切。


僕的にはフラットに50くらいが1番当てやすい感じだけども、今回はけっこう急がなきゃいけないかもしれないってことで、無理のない範囲で走る予定。


【それって、他のパーティーは来てないのん?】


「何組か見かけましたね」


【おお】

【よかった】

【それならハルちゃんも一緒にパーティー組むとか】


「けど、入り口で要請出した人たちの話聞いてたので置いてきました」


【草】

【草】

【ゑ??】

【ひどい】

【いや、そこは聞きなよ】

【協力すればいいのに……】


【足手まといは置いてきた!】


【えぇ……】

【ハルちゃんとしては……まぁ、そうなるのか……?】

【隠蔽と速度重視のビルドだからな……ある意味ソロの方が……か】

【モンスターとのエンカウントと戦闘でロスする時間を考えたら、確かにこの方が……?】


【ハルちゃん、人の話……いや、ハルちゃんはもうそれでいいや……】


【草】

【ま、まあ、実力はあるから……】

【ついでに、あのるるちゃんを助けた実力もな!】


【あ、じゃあ大丈夫だわ  あの不幸っぷりを超える人なんていないだろうし】


【草】

【そういえば、もう、「不幸のるるちゃん」って言われなくなったね】

【そのへん全部ハルちゃんが持ってったからな】


【むしろハルちゃんが来たことで幸運になってる可能性すらある】

【だって、呪い様無効化するし……】

【やっぱこの幼女ちょっとおかしい】


【というかハルちゃん……走ってる?】


「はい。 ちらっと聞いた話だと、そのパーティで取り残された人、たった1人でボスフロアだそうなので急ぎます」


【えっ】

【うわ、かわいそ】

【1人かよ……】

【ハルちゃんならまだしも……】

【草】

【え? 見捨てられたのその人?】


「事情はそのうちわかると思いますけど……みんなぼろぼろだったので、しんがりを引き受けたのかもしれませんね。 リストバンド使わないってことは、なにかあるんでしょうし」


なんとなくヤな予感がしたもんだから、お店でも速攻で必要なものだけ買ったし、その人たちの話も、すみっこで装備してるあいだに聞いただけ。


ひょっとしたら聞きまちがいとかあったかもしれないけども、今はボスフロア――何階層かわからないけども、そこに1人で。


救助要請してるってことは、その子のリストバンドは壊れてるか、無くしたか――それともパーティーの誰かのために譲った可能性が高い。


――つまりは、あのときのるるさんと一緒で、死んじゃう可能性があるんだ。


「すぅっ。 ……ということで、今からこのダンジョンを最速で突破します。 あ、配信してるのは新型の配信機材に心惹かれたとかじゃなくって、最新機能がいろいろおもしろそうだからじゃなくって、えみさんたちが心配しないようにってのと現在地と状況を共有するためですから私欲じゃないですから、経費にしてくださいって言っといてくださいね。 経費ってのはそういうところが大切だとか九島さんが言ってた気がするので。 決して私欲とかじゃなくってあくまで装備ゼロの状態から最速で攻略するために必要な分だけを調達したので、特に問題なく経費として落とせて1円も損しないってのが大切なんです。 決して私欲じゃないってことは伝えてくださいね」


よし、大切なことは言っておいた。


こういうことは、ちゃんと言葉を尽くしておかないと誤解が生じる可能性があるからね。


うん、決して新しいのを試したくなったからじゃないんだって伝えないとね。


【草】

【草】

【めっちゃよくしゃべるじゃん】

【すげぇ】


【ハルちゃんめっちゃ早口で草】

【ハルちゃんこんな長文しゃべれたんだ……】

【よくかまないね……走ってるのに……】


【ハルちゃん、普通におしゃべりできるんだよね……ただしゃべろうとしないだけで……】


【コミュニケーションできるのにコミュニケーションしないからね……】

【今日だって、まさかの伝言を俺たちに任せるレベルだからな……】

【コミュニケーションをぶん投げている……】

【草】


【なるほど、配信機材に惹かれたんだな】

【わかる】

【新しい機械って欲しくなるよね……】

【すっごくよくわかる】


【けど新しいのって……えっ】

【あの、haruzon見たら、今月発売の配信機材って3ケタ万円なんですけど……】

【け、経費でできるならまぁ……】

【プ、プロならそれくらいかけるだろうし……?】


【あ、そうだったな  もう個人じゃないんだもんな】


【ちょっと悲しい】

【始原は悲しい】

【始原しょんぼり】

【始原はしょんぼりしています】

【始原としては推しが羽ばたいてものすごく凹む】


【泣かないで】

【唐突な始原で草】

【まぁハルちゃんの配信なら来るよね……】


「じゃあウォーミングアップも終わったので全力で行きます。 画面酔いとかは……カメラの補正に期待ですね」


【OK】

【……待って、これ、今からハルちゃんの全力ってこと?】

【しかも市販品の装備で……】


【これでようやくスペックの比較が……できないか……】

【無理だね……】

【不可能だね……】

【草】

【ハルちゃんのスキル、ほんっといろいろおかしいから……】


「……ふっ」


ダンジョン内でレベルアップすると、普通じゃ無理なくらいまで体が鍛えられる。


それはもう、こんな幼女なのに何時間でも止まらずに走ることができるくらいには。


ものすごく疲れるから、普段なら絶対やりたくないけどね。


【うわようじょはやい】

【ちょ、こんな全力じゃすぐスタミナ切れちゃう】

【あ、救助のためのRTAだから石拾いとかしないのか】


【なんか普通の配信っぽいな】


【たぶんすぐに普通じゃなくなるだろうけどな】

【ああ、そんな信頼がある】

【絶大な信頼がな】

【持って数分だ  全財産賭けていいよ】

【ダメだ、それじゃ賭けが成立しないよ】

【草】


今日の目標は――配信でもドロップでの稼ぎでもレベリングでもキャンプでも遊びでもなく、人助け。


ひょっとしたら、すでに救助に向かった人が助け求めてる人の近くに到達してるかもしれないけども、途中で手間取ったりしてたら間に合わない可能性もある。


――僕は、なんだか知らないけども、特別な力を持っちゃってる。


ついでに女の子になっちゃってる。


や、それはどうでもいい――よくはないけども、今はいいんだ。


で、そんな力を持ってない男のときからもそうだったけども、僕の私生活はどうでもいいとして――誰かが困ってるのに、それを手助けできる僕の力を使わないとかは、できないんだ。


そういう性分なんだから、しょうがない。


それで学校とか会社に遅刻しようとも、ちょっばかり損しようとも、そうしないとむずむずするんだからしょうがないんだ。


目の前で倒れてる人とかいたら――勇気があるとかじゃなくって、単純に見捨てるってのができないだけの臆病者。


それが、僕っていう生きもの。


そういう生態の生きもの。


だから、しょうがない。


【あ、モンスター】


たんっ。


たんったんっ。


【はやい】

【実況もなしに瞬殺】

【速攻で画面外に吹き飛ばされてて草】

【一瞬でも映ってよかったね】

【草】

【確かにそうで草】


【え、ハルちゃん……今、走りながら撃ったよね……?】


【あの、普通は今の距離のモンスター、止まってないと当たらないと思うんですが】


【そこはまあハルちゃんだし?】

【ハルちゃんだしなぁ】

【偏差射撃もお手のものだね】

【ハルちゃんってことでなんかもうなんでもアリな気がしてきた】

【お前はこの前の配信で何を見てきたんだ?】

【草】


【あ、ドロップ拾わないんだ】

【救助要請だしな】


【石拾いもドロップ漁りもしないハルちゃんが斬新すぎる】

【そもそも画面がこれだけ速く動いてるのも斬新すぎる】

【走ってるのも斬新すぎる】

【アクティブすぎてハルちゃんじゃない気がしてきた】


【草】

【始原の反応で草】


ドロップがもったいないって思ったのも、最初だけ。


何回か倒して素通りするのを経験すると、だんだん気にならなくなってきた感じ。


ふむ……こういうのも、やってみると意外とすぐ馴染むんだね。


【三日月えみ「この度はうちのハルがご迷惑をおかけしております」】


【深谷るる「ハルちゃん!? すっごく探したんだよ!? 『誘拐なの!?』ってみんな心配したんだから! 何回電話しても出ないし既読つかないし!!」】


【あ、保護者】

【あと被保護者】

【被保護者で草】

【せめてお姉ちゃんと……ああうん、るるちゃんだからね……】


【ハルちゃん、時間節約のために配信を連絡に使うとか斬新すぎん??】


【今日は斬新なことばっかりだな】

【えみお母さん、娘さんのことはちゃんと面倒見て?】

【いや、無理だろ……ハルちゃんだぞ?】

【それもそうか】


【「お母さんも苦労していますね」って先生に言われるタイプの生徒かな?】

【草】


【ハルちゃん、なんかふらっと放浪してるイメージしかないもんな】


【そのまま何日か帰ってこないのがデフォ】

【なお保護者は発狂するものとする】

【警察とかご近所とか総動員でえらいことになるやつ】

【※本人は数日後、ひょっこり帰ってきます】

【草】

【草だけど言われるとほんとそう】


「次の角に――2体」


普段、僕が絶対にしないようなスピードレース。


速さを攻めるなんてしたことないから、なんだか新鮮。


ちょっと楽しくなってきた僕は「そういえばちゃんとした実況ってのしなきゃ」って思い出す。


「モンスターさんたちがこっち見てても、僕が足音立てていないので3秒は反応しません」


【そうなの?】

【知らん】

【知るもんか】

【急に実況が始まった!】


【でも、ほんとうにそうなの?】

【ハルちゃんだぞ……?】

【草】


【いやいや、普通はそもそも曲がった角の先のモンスターなんて探知しようがないんですが?】


【探知スキル上げたらできるんじゃ?】

【エコーとかのイメージならそうなりそうだけど】


【お前が耳を澄ませていたとして、廊下の曲がり角で動いてもしゃべってもいない人の存在を把握できるか?】


【上級者パーティーのスカウト職なら、何人かそれっぽいのできるのは見たことあるけど……逆に言えば、そのくらいで……しかも、こんなに走ってたりしなかったし……】


【そら普通の人にはなぁ】

【いや、上級者パーティーって時点で一握りだし】

【ああ、それでもできないんなら、そら無理だわ】

【そうだよ……無理なはずだったんだよ……】


【よっぽど鍛えたらちょっとわかるかもだけど、戦力は……いやでも、ハルちゃんだからなぁ……】


通路の角に到着して、きゅっと――足をグリップにして、直角に曲がる。


【あ、ほんとにいた】

【そしてもういなくなった】

【モンスターしゃんないなった】

【かわいそう】

【草】

【なぁにこれぇ……】


うん、実況ってこういうのだよね?


たぶん。


【角の先にいたモンスター……確かに硬直してたわ】

【一瞬すぎて、巻き戻してもやっぱ一瞬だけどな】

【まぁ、モンスターでなくとも同じだろうけどな……】

【振り向いたら目の前に幼女がいて銃口を向けている恐怖】


「で、今日はショートカットしたいので」


僕は――目の前にある、下への階段の「横」を全力疾走。


【え?】

【ハルちゃん速すぎて通りすぎちゃった?】

【でも今ショートカットって】


「るるさんが何回も落ちた、落とし穴の罠を使います」


【は?】

【え、今なんて?】

【うっそでしょ】

【もー、ハルちゃん冗談……え?】


【深谷るる「私はともかく危ないよハルちゃん!?」】


【るるちゃん、「自分はともかく」て】

【草】

【まぁ、るるちゃんだし】

【そうだったな】


【るるちゃん、あのドラゴンの1件以外は笑える程度の事故にしか遭っていなかったからな……】

【るるちゃんってなぜか致命傷だけは避けてたもんね……ハルちゃんのとき以外は】


【やっぱりハルちゃん、なんかおかしい……】

【今さらでは?】

【そうだったわ】


たんっと罠のスイッチを撃ち抜くと、がこっと床に穴が開く。


【マジだ】

【あの、今ハルちゃん……罠を撃ち抜いたように見えるんだけど……】

【いや、まあ、それ自体はこの前、るるちゃんに実演……】


「で、ここからダイブします」


【えっ】

【えっ】

【え?】


【深谷るる「ハルちゃーん!?」】


【三日月えみ「ハル、それは危険だから止め――」】


普段はやらないけども、やるときはやる飛び降り。

こういうのって最初は怖いけど、何回かやれば慣れてくるよね。


「落ちるときは片目閉じておいて、下の階の地面がちゃんと見えるようにして」


【今、落ちるって言った!】


【言ったな】

【草】

【飛び降りてる自覚はあるんだ……】

【よかった……感覚はまだ辛うじて人間だ……】

【なぁにこれぇ……】


「で、地面が迫ったら」


【ひゅんってしてる】

【ひぇっ】

【怖い】

【地面が】

【上から】

【ああ! 上に! 上に!】

【ハルちゃんケガしないで】


「手を伸ばして触れる瞬間に」


――ぱりんっ。


寒い冬の日、大きめの水たまりの上に張った氷を地面に叩きつける感じの、いい音が爆ぜる。


攻撃を受け流すスキル――それを、慣れたタイミングで発動。

僕の自由落下のモーメントは失われて、ふわっと一瞬浮いて。


――すとんっ。


「ほらね? 無傷でショートカットです」


む、着地が微妙にぐらついた……最近やってないからなぁ。


「今日は慣れてない装備ってのもあるんですけど、普段はちゃんと綺麗に着地できるんです。 本当です」


【草】

【どんなこだわり!?】

【えぇ……】

【本当にぴんぴんしてて草】

【高度な内容すぎて誰もわかんないよハルちゃん】


【ダンジョンの1階層分って……何メートルよ?】

【たぶん5メートル……10メートル行くところもあるよな】

【大部屋だと20、30メートルくらい?】


【ここは通路だから10メートルくらいか……?】

【いや、もっと長かった気が……?】

【ダンジョンのサイズによって変わるから……】

【80階層だっけ? なら、かなりでかいし……まぁ……?】


【深谷るる「        」】


【三日月えみ「肝が冷えました」】


【だって幼女飛び降り事件だもんな】


【それなのに平気そうすぎるハルちゃん】

【子供とか猫って、意外と高いところから落ちても平気だから……】

【子供がマネするだろ! 御猫様だけに限定しとけ!】

【なぁにこれぇ……】


「じゃ、隣の部屋にまた落とし穴があるので行きます」


【なにこの幼女……自分から落とし穴探してる……】

【確かに階段使うより速い……か……?】

【いやいや、普通はこんな方法しないぞ】


【というか待って? 今、隣の部屋の罠探知したのこの子!?】

【いやまぁ……この前の偽ハルちゃん事件にくらべたら……?】


【そもそも普通はどれだけ急いでいても階段使うよね】

【そもそも普通は飛び降りるなんて発想はない】

【そもそも普通は落とし穴をショートカットに使うっていう発想できない】

【そもそも普通は地面にぶつかる瞬間に謎の力発生したりしない】

【なぁにこれぇ……なぁにそれぇ……】


【……今のって、本当……なに?】


【俺たちが知るもんか】

【上位ランカーのえみちゃんとるるちゃんさえ知らなかったんだぞ?】

【飛び降りたの見てフリーズしてる可能性】

【人として当然の反応だぞ】

【草】


そういえば、女の子になってからこれやると髪の毛ぶわってなって大変なのに、今日はちょっと楽だなって気がつく。


………………………………?


あ、そっか。


るるさんたちに……えっと、つーさいどあっぷ……?

とにかくツインテっぽいのにしてもらったからばらけにくいっぽい。


全部じゃないけども、多少楽になるだけでぐっと楽になるね。


なんか今日に限っては、この髪型で助かった感じ。


「落とし穴の中まではモンスターも追ってこないので、さっきみたいに罠を撃っちゃってさっさと落ちますね」


じゃ、急ごっか。


【ハルちゃんがアクティブすぎて草】

【心なしか生き生きしている】

【すっごく楽しそうだね】

【かわいいね】

【やってることはえぐいけどな】


【なぁにこれぇ……】

【なぁにこれぇ……いやほんと】

【これがRTAですか?】

【知らない、こんなRTA知らない】

【RTAってなんだっけ……】


【ハルちゃんハルちゃん、普通はね、ダンジョン攻略RTAって普通に階段使うの……階段でどれだけ荷物整理と準備、体力と魔力と損耗具合を調整できるかを競うの……断じてこんなバグ技っぽいの使ったりしないの……】


【草】

【バグ技で草】

【ああ、確かにどっかで見たと思ったら、ゲームとかでのバグを使ってのすり抜けとか系統だな……】


【偽ハルちゃんたち! これは絶対に真似しちゃいけないからな!】


【安心しろ、普通の人間は試そうとすら思えない】

【普通の人間は落とし穴ですら怖いから】

【たぶんドン引きしてるから安心して?】

【草】


【あっあっ】

【ボア系のモンスターがこっちに】


【あっ】


【「ぶぎー!?」】


【悲報・モンスターさん、ハルちゃんのせいで落とし穴落っこちた】

【草】

【ごらんよ……ハルちゃん追っかけたモンスターたちが、ことごとく落とし穴からフリーフォールしてる……】

【かわいそう】

【なるほど、戦わずに切り抜けるにはこんな手が……思いつけねぇよ!?】


【で、華麗にダイブするハルちゃん】

【なんか2回目だと目が慣れるね】

【そうだね、心穏やかだね】


【お前ら調教されすぎじゃない?】

【だってなんかよくわかんないけどすごいんだもん……】


【なぁにこれぇ……】

【わかる、なんにも考えないでそればっか言ってたい気持ちはよーく、な……】


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― 新着の感想 ―
ハルちゃんのRTAやっばぁっwww 落とし穴の罠を見つけるとか、数メートルある落とし穴にダイブとかよい子は真似しないでね出来るかんなもん状態だわぁwww 優しさであれ臆病であれ、救援に行けるハルちゃん…
[気になる点] > スナイパー職にとって、心拍数はかなり大切。 > > 僕的には50くらいが1番当てやすい感じだけども、 いや、50 くらいって成長し切った人の心拍数だから。幼児なら 100 とか…
[良い点] のび―をするハルちゃん 脱走癖のあるハルちゃん 高所から衝撃吸収して着地するハルちゃん 完全に猫ですにゃん。 イラスト班急げ―――――――! コミカライズはまだですか?
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