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【2巻予約受付中・25/10/20発売】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~  作者: あずももも
3章 るるさんとコラボ 2人はるるハルって良い響きだね

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36話 【コラボ配信】「ふたりはるるハル!」6

なんか、自分のペースで人と話しながら好きなことしてると、温まってくるよね。


普段は誰とも話さない生活な僕だけども、たまにはこういうこともあるんだ。

だからお口は疲れてきたけども、ちょっとだけ楽しい僕。


「あ、ここのダンジョン浅いんですね。 もうボスフロアっぽいです」


「そうだねぇ……」


「るるさん、大丈夫ですか?」

「だぁいじょうぶぅ……」


「無理はしちゃだめですよ?」

「………………………………」


るるさん、なんかげんなりしてる。


……昨日の夜、眠れなかったりしたのかな?


【ハルちゃん……もうちょっとこう……手加減というものを……】

【るるちゃんかわいそう……】

【かわいそう】

【おいたわしい……】


【こんなにもるるちゃんがかわいそうな配信はあっただろうか】


【この前のやばかったの以来じゃない?】

【そうか、つい最近だったな】

【すっかり不憫属性に……】

【元からでは?】


【さらに悪化したんだよ?】


【かわいそう】

【かわいそう】

【るるちゃんかわいそう……】

【本気でかわいそう】

【草】


普段の配信――っていっても2回3回しか見てないんだけどね――そのときのるるさんに比べると、ものすごく疲れてる。


ペース配分まちがえた?


ダメだよ?


前衛さんこそ、スタミナ管理だよ?


【たぶん本気でわかってないハルちゃん】

【ま、まあ幼女だし……】

【合法ロリだとしたら、るるちゃんとほぼ同い年だけどな】

【うん……今回の見るとロリって思えるよ……】

【精神年齢が幼すぎる】

【肉体相応なんだよ】


【ハルちゃんにもできないことってあるんだね】


【むしろ、できることとそれ以外がはっきりしてそう】

【興味があればすごそう  ダンジョン攻略のスキル的に】

【スキルツリーも対人ツリーも、完全に尖ってるタイプか】

【興味がないことには今のるるちゃんみたいな扱いになりそう】

【おいたわしい……】

【草】


えみさんからの通信によると、このダンジョンは10階層と浅いところ。


この前みたいなのになったら困るからって、レベル自体はそこそこだけども別に深くもないってのを選んだらしい。


わりと人気のところみたいだし、放課後とか会社帰りにパーティーで集まって2時間程度とかでもうまうまって感じで、リスクとリターンが釣り合っているんだろうね。


そういうとこはみんな集中するから、僕は避けたもんなぁ。


それでここを選んだ事務所さんの判断は英断だね。


だって、なぜかるるさんがこんなに疲れてるんだもん。

普段から比べると明らかにおかしいもん。


きっとなにかがあって、付き合いが長いらしいえみさんが前もって決めたんだろう。


帰ったら「ヘンタイさん」って呼んであげよっと。


ここの人たちみたいに喜んでくれるよね。


【けど道中はことごとく悲惨だったな……】

【ああ……】


【本当にハルちゃんひとりでできちゃったもんね……】

【る、るるちゃんも……ムード盛り上げようってしてたから……】


【まずハルちゃんが乱射】


【近くの敵はだいたいだいたい死ぬ】


【ハルちゃんに合わせてしゃがんでたるるちゃんが起き上がる】


【るるちゃん、お仕事ないって悟る】


【不憫な顔】


【起き上がって2人でもくもくとドロップ拾い】


【そのあいだに反応して向かってくるモンスターたちをハルちゃんが順次乱射】


【遠くの敵もだいたい死ぬ】


【るるちゃん、お仕事ないって悟る】


【2人で手分けしてドロップ拾い】


【以下ループ】


【そこからやっと1匹とか2匹とかのモンスターが来るようになって、るるちゃんが軽く戦ってからハルちゃんがズドン】


【るるちゃん、お仕事、ちょっとだけしかないって悟る】


【かわいそう】


【で、またドロップ拾い】


【途中からるるちゃんが率先して、ひとりでもくもくドロップ拾い】


【草】

【あらためてかわいそう】

【……うん、るるちゃんがんばった】

【すっごくがんばった】

【えらい】

【この乱射幼女……どうして……】


伏し目がちなるるさんが気になるから、気が付けば普段の逆で、僕から話しかける形が多くなってる。


「ごめんなさい、るるさん」

「ううん、いいの」


「るるさんってものすごく運が悪いので」

「うん、運が悪いの」


【草】

【るるちゃん、話聞けてない……】

【もしかして:普通に戦うより疲れてる】

【なんならトラップで大変な目に遭うより疲れてる】


【かわいそう】

【あれ? でも、なにか違和感が……】

【言われてみれば確かに……】

【なんだろうな……?】


「るるさんに近づく敵を先に倒して回ったからか、罠、引っかかりませんでしたね。 よかったですね、不幸って言われなくって」


「うん、そうだね。 ………………………………、うん?」


あ、ちょっと元気になった?


やっぱり女の子は話してあげなきゃだめっぽいね。


「今日は念のためにって、見えてる罠踏まないように誘導したのがよかったんですね」


「うん? ……うん?」


【えっ】

【え?】

【ゑ?】


【いやいや、罠から誘導って……マジ?】


【……ハルちゃんは冗談は言わないよな】

【だって天然だもん】

【むしろ言えないよな】

【ああ、言えない】

【ハルちゃんはそんなこと言わない】

【言うっていう発想すらない】

【確実に信用できる事象だね】


【「嘘つく」とか「騙す」とかは、ハルちゃんと最も縁のない言葉】


【天然だから安心できるね!】

【草】

【負の方向に信頼が厚いハルちゃん】


僕がるるさんと一緒に潜るのは、今日が実質的に初めて。


あのとき?


救助要請のあのときは別だし……。


で、今日は様子がおかしい彼女のこと、最初からちょっと観察してた。


……そうしたらるるさん、なぜかことごとく罠のある場所を踏み抜こうとしてるんだ……いやほんと、なんで?


わかってはいるけどね……それがみんなが呼んでる「呪い様」ってやつなんだって。


観察した限り、彼女はちゃんと周囲を見てるし足元も警戒し続けてる。


……でもどうしてか、そっちの方ばっか足が向くんだよねぇ……呪いって怖い。


僕にはそういうのがなくってよかったね。


……いや、ないからこそこうして幼女するハメになって、そこそこに居心地の良かった職場クビになったんだけどね……。


あ、ちなみに会社の件は誤解を解いてくれたらしく、不登校もとい出社しなくなっての解雇じゃなくなったらしい。


ありがたいね。


これで再就職も……うん?


幼女じゃ……就職、無理じゃない?


………………………………。


……いいもん、ダンジョン攻略と配信で食べて行けそうだもん。


「……ハルちゃん? その、誘導って」


「え? ああ……るるさん、そこに立ってください」


まだちょっと頭が回ってない感じだから、彼女をわかりやすい場所へ誘導。


「え? う、うん……」


「そこから真っ直ぐ歩いてくださいね」

「え、えっと……うん……」


【……罠が見えるのはスカウトスキルで知ってるけど】

【ハルちゃん、使うそぶり、なかったよな……?】

【ああ、ただただ乱射してただけだった】

【草】


【あ、でもそういえば、なにかとるるちゃんのこと呼んで、戦闘中以外では頻繁に「そこを右」とか「左」って……あれって誤射避けるためじゃなくってもしかして……】


【そうだよな? 戦闘中は「横にどいてください」か「そこで動かないでください」だったもんな?】


「……着いたよ? ハルちゃん」

「じゃあ動かないでくださいね」


今日はなんだか物足りないって思ったら、最初の石集めがなかったんだって思い出した僕。


数歩歩き回って、いくつかの石ころを拾い上げて――。


「音、しますからね」

「う、うん……わっ!?」


ひゅんっ。


がしゃんっ。


痛そうな音。


るるさんの左右40センチくらいのところに石を投げると、片方はひゅんっと毒矢、もう片方はばしっとトラバサミが牙を剥く。


罠の方向的に大丈夫だって確信してのだからケガとかないだろうけど、びっくりはするよね、やっぱり。


【は?】

【罠そこぉ!?】

【あったよ! 罠!】

【殺意高くない??】

【えぇ……】


「るるさんは素直なので、誘導は楽でした」


そうそう、この子はいい子なんだ。


「そ、そっか……ありがと……」


ちゃんと教えてあげたからそこまでびっくりしてないね。


うん、やっぱり報連相は大切なんだね。


【天然幼女にも褒められる素直っぷり】

【良くも悪くも、るるちゃんってば普段から指示され慣れしてるしな】

【えみお母さんのおかげだな!】

【まじでそれな】


【えみちゃんのおかげで大惨事は防げてたんだけど……ハルちゃんはさらにその上を……?】


「……ハルちゃん。 これ、もしかして今日……初めから?」


「はい。 なんかるるさん、ほっとくとことごとく罠の方に向かうので」


「え゛」


「もしかして、罠、踏みたいんですか?」

「そんなことはないよ……毎回痛いし、恥ずかしいし……」


【草】

【ああ……それで普段から転んだり罠踏んだりするのが、今日は1回もなかったのか……】


【え? じゃあハルちゃん一緒ならるるちゃん、もうドジっ子卒業?】


【ドジっ子っていうか不幸体質だけどな】

【呪い様に対抗するには天然だったか……!】

【どっちかっていうとスカウトスキルじゃね?】

【とりあえずるるハルが正義だってのはわかった】

【わかる】


ぼーっと足元の罠の跡を見てる、るるさん。


そうだよね、やっぱ怖いよね、そういうの。


「僕と一緒のときは、罠から守ってあげられますから大丈夫ですよ」


「……………………………………」


む。


また変な感じになってる……なんでだろ。


「帰ったら髪の毛は好きにしていいですから」


そう甘い飴を投げてあげてもなんか固まってる。


この子よくなるよねぇ、こうやって。


【ん?】

【今】

【なんでもって】

【るるちゃんには言ったな】

【つまり帰ったら百合展開?】

【姉御のためにおねショタ展開とも言っておいてあげよう】


【あなたいい人ね  後で郵便受け見といて】


【は?】

【草】

【なんか犯行予告にしか聞こえないセリフが】

【え……こわ……】

【これ、通報した方がいいんじゃね……?】


「おーい」


なんかるるさんが固まっちゃってるから近づく。


……本気で怖くなっちゃった?


「だいじょうぶ?」


「…………うん」


「本当? リストバンド使う?」


「……ううん。 ハルちゃんが居るから大丈夫」

「そ。 なんかあったら言ってくださいね」


【尊い】

【てえてえ】

【ハルちゃんが純粋にるるちゃんのこと心配してる声……】

【深く考えられなさそうなハルちゃんだからこそ伝わってくる優しさ】

【優しい】

【いい子】


【けどさ、確かにソロのレンジャーだから罠発見スキルはあると思ったけど……ここまで全回避だろ?】

【やば】


【これ、事務所がハルちゃんのこと、もう離さないんじゃ?】


【いや、これだとるるちゃんの不幸っぷりが皆無になる  撮れ高が壊滅だ】

【ああ……るるちゃんのアイデンティティーが崩壊しちゃう……】

【るるちゃんの育成方針が重大な局面を迎えている……】

【草】


【悲報・るるちゃん、まさかの個性喪失】

【いやまあ、るるちゃんにとってはいいことだから……】

【まあな、1回ガチで死にかけたし】


「――――――うん。 大好きだよ」


【!?】

【ひぇっ】

【なに今の声】

【こわいよー】


「? そうですか」


なんか毎日言われてる感じのラブコールをつぶやく彼女。


妹的存在としての「好き」だろうし、別にいいけども。


【おかしい、聞きまちがいかな……るるちゃんの声、ドスがきいてるっていうか……】

【るるちゃんがおよそ発しなさそうなタイプの声だったんだけど……】


【……あのさ、俺、ヤンデレの彼女いたんだけどさ】


【おう? 視聴者全員にケンカ売るつもりか?】


【大丈夫だ、血を飲まされそうになって逃げ出した  いや、けっこうな期間入れられてはいたんだけどな……いくらなんでも直接はな……】


【草】

【こわいよー】


【……でさ  今のるるちゃんの感じ、あのときの彼女に……あれ、玄関の鍵閉めたはz】


【え?】

【おい、そこで止めるなよ!】

【返事がない……】

【もしかして:呪い様がヤンデレの彼女呼び寄せた】

【え……こわ……】

【これもう迂闊にしゃべれねぇじゃねぇか草】


【呪い様の精度やばない? というかもはや因果関係収束してない?】

【呪い様に引っかかるワード、呪い様が時空をさかのぼって探知してる……?】

【この配信やべぇ……】

【こわいよー】


【怖いけど怖いもの見たさ+おもしろすぎてもう離れられない地獄】

【天国だよ?】


「るるさん? お腹空いてます?」


「ううん……何でもないよ」

「そうですか」


この子ってば気分の乱高下が激しいからなー。


ホテルでもときどきなってる気がするし……まぁ害もないからほっといてるけどさ。


「でもるるさんに何かあったら困るので、もう倒しちゃいますね」


万が一でも突撃されたら困るからね。


「うん……………………………………、え?」


――どんっ。


今日の行きでは、最後の攻撃。


残りは引き返すだけだからたぶんそこまでモンスター出ないしってことで、さくっとね。


【え?】

【あ、そういえばここボスフロアだった】

【草】

【視聴者揃って忘れてて草】

【いやだって、それ以外の情報量があんまりにもな……】


「僕たちが立ってるところ、ボスが侵入に反応して起きないぎりぎり距離だったので、ボスは眠ったまま仕留めました」


「え……え?」


「もう大丈夫ですよ」

「そ、そう……?」


【えぇ……】

【悲報・とうとうボスすらヘッドショット】

【しかも寝たまま】

【さらには画面外っていう】

【ボスしゃんかわいそう】

【とことん配信と相性悪くって草】


【えみお姉ちゃん……ハルちゃんのカメラ、いいの買ったげて……暗いところでもちゃんと見えるやつ……じゃないと見せ場が皆無なの……】


【それか、手練れのスタッフさんとか他の事務所メンバーちゃんたちをカメラ係にとかさ……】


少し遅れて、ずしんと崩れる音。


「おっきいニワトリさんでしたから、るるさんひとりでも大丈夫だったとは思いますけど……念のためです」


「あ、ありがと……」


【にわとりさん】

【かわいい】

【……ニワトリ? それって】

【コカトリス!?】


【コカトリスって毒と石化持ちだから、接近戦のるるちゃんとは相性最悪じゃねぇか】

【だから遠距離からのヘッドショットでワンキルだったんじゃ?】


【お前、ハルちゃんがそこまで考えたと思うか?】


【いや? あり得ないけど?】

【絶対にあり得ないね】

【断言できるね】

【草】


【すごいことしたのに、ハルちゃんの天然っていうのに吸われてて草】


「じゃ、ドロップと宝箱拾ったら帰りましょうか」


「……そうだねぇ……」


【ああ、るるちゃんの目が! 目が!】

【さっきからハルちゃんしか見てなくてこわいよー】

【るるちゃん……カメラ見て……いや、今はいいや……】

【しかも絶妙に光が……これ、ハイライトオフってやつじゃ?】


【……るるちゃん、ハルちゃんにまた助けられてなんかスイッチ入っちゃった?】


【どうにもそうっぽいですな……】

【おい、下手に言うと何かがやって来るぞ】

【え、こわ】


【……今回の配信、いろいろやばいよな】


【ああ】


【なにしろ、あの深谷るるが1回も不幸発動しなかったんだからな】


【そっちかよ!】

【草】


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― 新着の感想 ―
るるちゃん壊れちゃったwww今後どうなるのか愉しみです! ハルちゃんの無自覚王子様ムーブよwww不幸が起こらないようにエスコートしてくれてたなんてww
[気になる点] るるさん前衛なんですか? ずいぶん前の捕獲された直後辺りの記述で、「私と一緒で後衛だね」 とかいうセリフがあったと思ったのですが
[良い点] 天然にはヤンデレをぶつけるのが吉
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