表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【2巻予約受付中・25/10/20発売】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~  作者: あずももも
3章 るるさんとコラボ 2人はるるハルって良い響きだね

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/639

30話 【コラボ配信】「ふたりはるるハル!」1

「……………………………………」


初めて来るダンジョン。

その3層くらい。


ここまでのんびりと入ってきて、のんびりと進んできた僕。


なんでも、周囲の偵察もとい他に潜ってる人たちを見るってことで、僕たちに先行して警備の人たちが様子見してくれてたからね。


冒険の楽しみはないけども、これはこれで新鮮だね。


今回はるるさんに合わせるのと、普通の人はしないらしいソロとソロの組み合わせなわけで、僕のレベル的には目をつぶっててもクリアできる難易度のとこってことらしいし。


で、るるさんはちょい遅れての到着。


理由?


ほら、僕たちが入った途端ダンジョンがなんかやばいことになったら困るし?


僕たちだけならなんとかなるけども、他の人がいての巻き添えはちょっと……ねぇ?


崩落とかモンスター召喚とかで被害が出かねないからしょうがないよね。


そんなのないって?


るるさんだよ?


るるさんのあのミラクルをこの身で体験したんだ、ありえないなんてことはありえないって、よくよくわかってるよ?


あと、るるさんと僕との距離をいろいろ試したいって言われてるのもある。


僕たちがどのくらいの距離であんなことが起きるのかっての、確かに知っときたいし……だってあんなミラクルだし。


『ハル様。 現在探索中の方は4組、いずれも私たちが配置につきました』


「ありがとうございます」


耳に入れたインカムからは、護衛の人たちの声。


男だった前の僕より高レベルだし、幼女になってる今の僕よりも身体能力ではずっと上な彼らが、いざとなったらなんとかしてくれるんだって。


ありがたいね。


るるさんのなにかですごいことになったら、お願いね?


ちなみに、こういう裏方なお仕事は人気がある。


ほら、スキルを活かしての会社勤めながら高給取りだからさ。


普通の人は自己顕示欲なんてそこまでないから、ルーチンワークな裏方の方が好きなんだよね。


毎日の仕事量も一定、報酬も一定、仲間も一定だからね。


入るダンジョンによって難易度はまちまちでイレギュラーもよくあって、報酬もそれに応じて毎回計算して、しかもそこそこ頻繁にメンバーが入れ替わるらしい普通のダンジョン潜りと比べると……安心感がぜんぜんちがうもんね。


わかる。


僕もそっちでいたかったもん。


経理でいろいろ処理してくれての社会保険とか……会社がやってくれて払ってくれるって、素敵だよね。


年末調整?

確定申告?


なにそれよくわからん……ほっとこ……って気楽でいられたもん。


それをクビになってから自分でやると、その恩恵が――ってレベルの稼ぎじゃなくなるからやる気は出るんだけどね、僕みたいに毎日のように潜ってると。


ただただめんどくさいのは残るけども。


でもこれだってでっかいケガしたりすると半年単位でお仕事できないし、リスクはそこそこある。


いくら治癒魔法っていう「死ななきゃなんとかなるすごいの」が出てきたとしたって痛いものは痛いし、精神的ないろいろとか幻肢痛とかフラッシュバックで、大ケガした人は簡単には復帰できないらしい。


そういうのがイヤだから遠距離職を極めた僕はかしこいね。


それはさておき……じゃ、スタート。


ぽちっとな。


【お、いつも通りの時間】

【午前10時って、まるでフレックス制で働いてるみたいだよな】

【だがそれがハルちゃんだ】


【ぼっちで決まった時間にダンジョンで働く健気な子……】

【社畜のようなルーチンワークで淡々と働くロリっ子……】

【いい……】

【訓練されすぎた視聴者たち】


今回はコラボ。


だから視聴者さんたちの対応はるるさんに丸投げ。


だけど僕だって10人くらいならなんとかなるから、始原さんって人たち11人だけは、アイコンでわかりやすくしておいてもらってる。


それ以外の人たちのコメントは、基本、流し見。


なんでも、「普段MAX10人の配信から、いきなり数百数千はムリだから」って。


そりゃそうだ。


配信ってのは特殊な作業なんだもん。

僕にそういうのはムリ。


【俺の名前、ハルちゃんのデフォルメ絵……だよな!?】

【俺たち始原は最高ランクのメンバーに加入できたからな】


【いいなぁ始原……】

【追加はありますか?】


【残念でしたー、私が最後ですー】


【姉御!】

【ずるいぞ姉御!】


【姉御言うな、開示請求するぞ】


【えぇ……】

【ゆるして】

【それ、通らないでしょ……?】

【それでもめんどくさいのには変わりないぞ】

【草】

【姉御が強すぎて草】


姉御さん?


……ああ、11人目だっけ。


なんかかっこいいよね、そういうの。


「始原」とか「11人目」とか……そういう悪乗り、僕も好きだよ。


男としてはそういうところに心くすぐられるんだ。


「おはようございます」


【しゃべったー!】

【ハルちゃんが俺たちにしゃべってる!!】

【かわいい声】

【やっぱロリだな】

【ちょっと舌っ足らずな感じがいい】


いつもの時間、いつも通りに告知とかは一切なし。


そしたらいつもの人たちが集まっていて、やっぱり言われたとおりの作戦でよかったみたい。


そうだよね。


僕はもともとぼっち気質なんだ。


たくさんの人がわいわいやってるところからけっこう離れたところで、ひとり、本でも読んでるのが合ってる。


だから――いつも通りにやろう。


他の人たちのはるるさんとか事務所の人とかがうまくさばいてくれるでしょ。


「僕の画面ではこの前と同じ感じですので、コメントに反応してもらいたい人とかは、るるさんの方に行ってくださいね」


【はーい】

【いいんちょー】

【ろりいいんちょー】


【でも俺はハルちゃん目当てだからこっちにする】

【俺も】


【私も!!!!】


【姉御……】


勉強のためにるるさんのアーカイブとか見たけど、みんなすごいね。


あんなのもう普通にテレビ出てる人とかみたいじゃん。

僕には絶対ムリだもん。


僕は教室の中でさえ前に出て話せない生徒だったんだ。

せいぜい仲がいい感じの10人くらいが限界だよね。


その10人の中に入るか入らないかで、ときどきぼそっとしゃべるくらいが最高なんだ。


【この前もそうだったけど、しゃべり方は幼いけどしっかりしてる……意外とロリじゃない?】


【ロリに決まってるだろ】

【いいんだ、俺たちはロリでも合法ロリでも】


【うわ、同接の増え方えげつない……】

【前回と前々回があれだったし】

【コメント、一瞬で流れるな】

【まあ、そうなるな】

【ミラー配信もいくつか用意してあるってさ】

【だろうなぁ】


【これで事故起きたらまた大変なことになるな】


【召喚の儀はやめろ】

【るるちゃんの呪い様が来たらどうする!】

【え? 泣く】

【情けなく泣き散らして慈悲を請う】

【草】

【それしかないとも言うな!】


あ、そうだ、先にこれ言っとこ。


「今日はコラボなので、事務所から提供してもらった弾がたくさんあります。 なので今日は石とかじゃないです」


コメントがだーっと流れる画面が表示されてるスマホを片手に、じゃらっと支給品を自慢してみる。


【おてて】

【おてて】

【ちっちゃい】


【お、狙撃銃も映ってる】

【ハルちゃんのいつものやつだな】


【スリングショット→弓矢→狙撃銃、高レベルの敵にはロケット砲だもんな】


「だから今日はコストのこと考えなくていいですね」


コストは大事。

コスパも大事。


その積み重ねが積もれば、ワンランク上のお酒を手に入れられるんだ。


【いっぱい食べて \1000】

【大きくなって \15000】

【そのままでいて \30000】


え?


………………………………。


あ、これ、もしかして!?


「あ、違います、おねだりじゃなくて」


ちがうの、ちがうの。


そういうつもりじゃ――――――


【収益化してなかったときの3年分以上のだから \50000】


【収益化してない相手って貢げる手段がないんだ……わかってくれ…… \10000】


【本当だよな……相手が干し芋とかファンボ持ってればまだ貢げるけどなぁ】

【応援のメッセージじゃ足りないことも多いんだ】

【特にハルちゃんはあんまり読んでくれないし……】


【始原たち……わかる、わかるぞその気持ち……!】

【わかる】

【清貧も推す材料だけど、応援したいときにないとなぁ】

【そうそう、長く続けてもらいたいたら】


うわぁ、今の一瞬で……さ、さんじゅう……。


「……………………………………」


……僕の手元に入って来るのはこの何割かだけども、なんか悪い気がする。


僕の金銭感覚は独り身のサラリーマンのまま。


副業のダンジョンでなんか上手く行っちゃったからお金は稼げるけども、スーパーとか薬局とかコンビニで安いの食べ比べする程度にはまだまだ脱・新入社員って感じ。


「……えみさん」


困ったことがあったら、普通に話しかけてって言われてる。


たぶんえみさんたちも配信見てて、何か問題があったらってことらしい。


「今のお金、返金とかは……できないんですか?」


【三日月えみ「返金機能はありませんね」】


ここはヘンタイさんじゃないときは頼りになるえみさんしかいない。


なんか抜け穴とかないかなってダメ元で聞いてみる。

だってなんか……こう、悪いじゃん?


投げ銭とか……こう、ストリートパフォーマンスしてる人におひねりでコイン投げる程度でいいものじゃないの?


「そこをなんとか」


【三日月えみ「いえ、プラットフォームのシステム的に無理なんですよ」】


けども、彼女から帰ってくるコメントは絶望のもの。


「えー……」


なんでなんだろ……まちがって投げちゃった人とかいるでしょ?


あ、そういえばえみさんって人の前では雰囲気変わるよね。


なんか別人に思えるけども、その正体は女の子でありながらにしてヘンタイさんなんだけどね。


【優しい】

【悲報・ハルちゃん、マジで返そうとしてた】

【おいしいものもっと食べて? \5000】

【おにく代 \7000】


コメントを見る限り、今どきの価値観はお金をもらうのはおかしくないことらしい。


普段からネットとか配信とか見ないから、さっぱりだ。


……今度からもうちょっと、るるさんとえみさんのだけでも見よっと。


【ていうか珍しいねハルちゃん、こんなにコメントに反応するなんて】

【もっと声聞かせて……】


【この前もけっこうおしゃべりしてくれただろ?】

【あれはるるちゃんの不幸のせいだからノーカン】


【だな、るるちゃん関係のことは見なかったことにするのがこの業界のマナー】


【結局るるちゃんに回帰するのか……】

【ああ、すべてはるるちゃんを中心に回っている】

【るるちゃん……】

【草】


【るるちゃんが転んだ拍子にスカート下ろされた子やズボン下ろされた男は数知れず……】

【しかも配信中でな】


【あれで、本気で狙ってないからなぁ……しかも恨まれないどころか同情されるし】

【配信の機能で、だいたいセンシティブっぽいのには自動でモザイクかかるからセーフだけど……】


【おい、ハルちゃんの配信だぞ  るるちゃんの不幸はるるちゃんの窓でやれ】


【そうだな】

【すまん】

【いいよ】

【やさしい】


【でもコラボで実質同じ画面だし……】

【なんかこの前以来、るるちゃんから何か飛ばされそうだし……】

【るるちゃんのとこでコメントするの、ちょっと怖いし……】

【わかる】


コメント、読めはするけどすごい勢い。


どうしよっかなって思ってたら探知スキルに、嗅ぎ慣れた気配が。


「あ、るるさん来ますよ」


【るるちゃん遅刻?】

【配信そのものも今始まったみたいだし、単純にハルちゃんが早かっただけじゃ?】


【でもるるちゃんだよ?】


【ああ遅刻だわ、そのへんで転んだり迷って】

【誰かを巻き添えにしてる】

【悪い子じゃないんだ……ただただ運が悪いんだ……】

【草】


「……ハルちゃんおまたせー!!」


ちょっとしてから、結局お揃いの服におめかししたるるさんが走ってくる。


お揃いのワンピース。


「それじゃ戦闘しづらくないですか」って聞いたら「腰でベルト巻いてスパッツ穿けば大丈夫!」って言ってたやつ。


うーん……女の子の感覚はよくわからない。


おしりとかおまた、布1枚増えただけでそんなに安心できるものなのかなぁ……。


【るるちゃんかわいい!】

【ああ、いい……】

【元気っ子のおしとやかな格好……】


【あのまま麦わら帽子被って】

【タイツ脱いで】

【穿いて】

【サンダルにして】


【……あとは何もしゃべらなければ男の理想の女の子だな!】


【おい、大切なものが足りないぞ】

【そうだな、胸も必要だ】

【草】


【いや、絶壁っていうのもるるちゃんの童顔フェイス的に、小学生なあのころだって思えば……】


「あ、そうだ。 僕も顔はダメですけど」


せっかくだからって頭に乗せてたカメラを持ち上げて、足元だけ映すように。


……るるさんがいるから慎重にね、慎重に。


るるさんがいるから、すごいミラクルで僕の顔が映る可能性もあるんだ、慎重に……。


【あんよ!!!!】

【かわいい座小僧】

【その脚で踏まれたい】


【おそろのワンピース……てぇてぇ……】


【あっ……(尊死】

【尊い】

【これが百合か】

【ガチで仲良さそうだ……つまりは百合……!】


【これと同じかな? ハルちゃんに合わせてかお手軽なお値段ね<URL>】


【\15000】

【\20000】


【後で買いに行ってくる \5000】

【もうカートに入れた】


【XLLなら大丈夫そうだな!】


【男が買ってどうするんだ?】

【聞きたいか?】

【聞きたくないな……】

【教えてやろう】

【聞きたくないな……】

【草】


【せっかくるるちゃんとハルちゃんのおみ足を見て浄化された目が汚れた! どうしてくれる貴様!】


【草】


【     】


【あ……姉御が……!】

【ただの しかばねのようだ】


【ま、まぁ、ショタの女装って思えば……】


【!!! なるほど!! 最高ね!!!】


【姉御、一瞬で復活してて草】


【しまった、姉御の同志が「女装ショタだって!?」って顔してる……】

【もうおしまいだ……】

【草】


とんっと目の前に立つ、るるさん。


今日はちゃんと武器――普通の剣を背負う感じ。


まぁ、あのときが異常だっただけで、この子も普通に戦うの上手らしいし……。


「ふぅっ。 ……この前はほんっとごめんね! 私がまた変なの送っちゃって!」


「僕は別に平気でしたからいいですよ」


あ、あの変なの、送った自覚あるんだ?


「だからコラボ、がんばるね!」

「ほどほどにお願いしますね」


そうそう、君に張り切られるとまたなんか起きそうだし。


【カメラ、ハルちゃんの頭の上に乗っかってるからるるちゃんのバストアップ!!】


【バスト……あるのか?】

【いや、ないな……】

【そこになければないですね……】


【そこにあるのは虚無だ】

【立体感がない……】

【胸もない……】

【草】


【るるちゃん、絶壁だから……】

【るるちゃんとハルちゃん、どっちがおっきいの?】


「もう! またみんなそうやって! 私はまだ成長期だから!」


【無理だと思うよ】

【無理でしょ……】

【高2だっけ? でそれって……もう……】


【ここからるるちゃんが育つには?】


【呪い様に願うしかないな】

【呪い様のせいでえぐれそう】

【さすがにマイナスは勘弁してあげて】

【そうか……これが虚無……虚数領域……】

【草】


あー、またお胸のことをいじられてるっぽいね、この感じ。


む、お胸のこといじるってなんかやらしい表現。


けど年ころの女の子ってどの辺までこういう話題大丈夫なんだろ。

持ちネタっぽいし、バストサイズのことは、るるさん的にはOKなのかな?


僕は学生時代に女子とそういう会話したことないから、さっぱりなんだ。


【でもほら、ちょいしたからだとかすかに膨らみと影が】

【ウソだろ!?】

【お胸からどアップで喜ばれないるるちゃんで草】


……でもちょっとかわいそう。


あれでしょ?


男だったら「背が低いなぁお前」とか「お前のソレちっちゃいなぁ」とか言われるレベルでしょ?


……そう思ったらちょっと援護してあげたくなるな。


ほら、今は同性だし?


「大丈夫ですよるるさん」


「ハルちゃん! 私のことはるるちゃんって――――」


ちゃんと証言したげるからさ。


「お風呂で見ましたけど、言うほど絶壁じゃないですよ?」


「ひゃあっ!?」


【!?】

【!!??】


【えっ】

【え】

【おふろ】

【おふろ】


【ハルちゃんとるるちゃんがお風呂!?】


「……あっ」


あ。


……これ、言っちゃってよかったやつ――じゃ、ないよね……?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
燃料投下www百合勢がヒャッホイしそうww おそろい、お風呂…ギリギリツーアウトかww 姉御が頑強すぎるwww無敵かwww
[一言] 強いロリっ子だけと、何故か貧乏?
[良い点] やらかし増し
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ