257話 20階層?に到達、そろそろ戦える
「……うん。 やっぱりここが、中ボスフロアだ」
【いよいよかぁ】
【子供たちのレベリング優先で……何日だ?】
【半月くらいかけましたねぇ……】
【じっくり育てられた子供たち】
【ハルちゃんにしては脅威の進軍速度】
【だってハルちゃん、ほっといたら1日でこのくらい殲滅しちゃうから……】
【やめて……また爆発&落とし穴コンボでダイブするのはやめて……】
【なんなのあの光る弓矢! もおおおおお!】
【やだ! もうやだ!】
【だから言ってるじゃないですか!! ハルちゃんのあの魔法はハルちゃんの固有魔法とかなんだって!!! 解析なんてムリですって何度も言ってるんですよおおおお!!!】
【草】
【かわいそうに……】
【発言でおおよその職業と状況が察せられて草も生えない】
【おお、もう……】
【ハルちゃん? 君が好き勝手やったしわ寄せは結構みんなに降り注ぐのよ?】
【あの光る矢みたいにな!】
【誰がうまいことを言えと】
【ただの実況は良いよな……これが仕事だとおろろろろろ】
【あああああああ!!】
【草】
結局、今後のことを考えた僕は、子供たちが一斉射で2体くらい倒せるようにって慎重さで進ませてきた。
つまり、2、3人で1体を確実に。
それくらいならかなり安全だと思うし。
おかげで今や、この子たちはそんじょそこらのダンジョン潜り顔負けのレベルとスキル持ちだ。
『………………………………』
『………………………………』
隠蔽も、モンスターの真裏の岩に何時間か張り付かせたりして鍛えた結果、こうして作戦行動中にはしゃべらないくらいに意識も高くなってるし。
なんかちょっと顔つきも大人びた気も……いや、気のせいか。
お風呂で毎晩見てるし、特に変わった様子もないもんね。
でも、モンスターに結構近づいても気づかれなくなってるし……やっぱダンジョンでの生活って隠蔽スキルには大切だね。
【攻略】
【?】
「はい、今日は中ボス戦です。 ここでどんな感じなのか分かれば、この先の攻略も計画が立てられますから」
このダンジョンは、比較的僕の知ってるダンジョンに近いもの。
魔王さんが見つけてきたあのダンジョンみたいにモンスターの死体が残ったりもしないし、ちゃんとドロップ品もざっくざく。
極端に強いわけでもないし、普通に落ちてるアイテムとか罠とかもこれまた知ってるものそのものだ。
ただちょっとモンスターのポップする数と密度がすごいだけで、それ以外は特に変わってない気がする。
あ、毎フロアに回復の温泉的なものがあったりするのとか、半分から3分の1くらいが吹き抜けな構造は違うか。
まぁでも吹き抜けってことは、やろうと思えば
【✕】
【ダメ】
【✕】
【ゼッタイダメ】
「……だからなんで考えてること分かるんですかノーネームさん……」
【ダメ!!!】
「しませんって。 たぶん」
【✕】
【✕】【✕】【✕】【✕】【✕】
「もー、しないって言ってるじゃないですか」
【草】
【怒濤のノーネームちゃん】
【ノーネームちゃんの頭の上、激しくぴこぴこしててかわいいね】
【でもノーネームちゃん、めっちゃ必死なんだよ】
【無表情なのに焦ってるって分かるくらいだもんなぁ】
【ハルちゃんの顔にくっつかんばかりに主張してて草】
【だって……ねぇ?】
【ハルちゃん、好きにさせると絶対何かしでかすから……】
【むしろこの半月くらいが平和すぎて退屈してきたレベル】
【おいやめろ】
【召喚の儀は止めろ!!!】
【召喚の儀で草】
【懐かしすぎて草】
【ああ……かつては「呪い様」呼びしてたノーネームちゃん召喚のワードでしたねぇ……】
【?】
【ノーネームちゃんのことよ?】
【草】
【すっとぼけてるのか本気で分かってないのか分かんない】
【ノーネームちゃんだからどっちでもありうるって言うね……】
【もう初期のAI臭さ皆無なノーネームちゃんだもんな!】
【♥】
【かわいいいいい】
【ノーネームちゃんしゅきぃぃぃぃぃぃ】
【草】
【だーから喜々としてないないされんなって草】
【ダンジョン協会から発表あっただろうが!! やめろ!!】
【さりげなく国際問題なんだぞ!! ノーないない!】
【なぜ人はないないされたがるのか……】
【もはや哲学だよね】
【それを解決するために……と、動き始めたな】
ノーネームさんのぴこぴこが終わったから、じっと下の階に意識を集中。
「……でかいのが……5体。 小さいのは……最低でも200体ですね」
【了解】
【5・200】
『ん』
『かり』
『ごとにまるまる』
『ごとにまるまる?』
『ごとにまるまる』
『にまるまる』
『ん、にまるまる』
どうがんばってもこの子たちの発音が聞き取れなかったから、結局僕が教えたうちこの子たちが聞き取れるワードがいくつか。
その中でも、やっぱり命に直結してるからか戦闘関連の言葉は結構覚えてくれてる。
あと、普通に数とか結構数えられるし……それなりの教育は受けてるっぽい。
少なくとも、小学校の真ん中くらい程度は。
【ごとにまるまるかわいい】
【にまるまる……まぁ、そうねぇ】
【上のフロアで居たみたいなFOEとかと区別して教えるの、子供たちもちゃんと覚えててえらい】
【普通に頭は良いみたいだからね】
【でも、おたがいの発音が致命的に……】
【本当、どんだけ言語が離れてるんだろうねぇ……】
ノーネームさんがしばらく5と200を交互に表示して、その後は200で固定。
それで子供たちも、自分たちが倒すべきモンスターの数を理解。
「今日は、ようやく僕も動けるから楽しみ」
昨日か一昨日、索敵の段階でちょっと強いモンスター……FOEだと思うけど、それに出くわしたときからようやく離してもらえた僕。
子供たちの攻撃が全部弾かれてたもん、さすがにこの辺からは僕も戦わせないとって思ってくれたんだよね。
「あのときは一撃で倒しちゃったからなぁ……今日はじっくり戦わないと」
【ひぇっ】
【じょばばばば】
【やめて……やめて……】
【ハルちゃん?? どう考えてもレベル十後半の子供たちの攻撃を完全無効化するレベルのFOEを一撃でヘッドショットする君がやる気出さなくてもいいのよ??】
【あいかわらずのヘッドショットっぷりでしたねぇ……】
【ヘッドショット(完全未知のモンスター、推定中級者な物理と魔法攻撃無効化してくるのを一撃】
【やっぱりハルちゃん、ちょっとおかしいわ】
【女神だからな!】
【天使派はまだまだ健在です】
【あれが、合計で1ヶ月くらい魔法封印だったからの威力なのか、女神として復活しつつあるハルちゃんの本来の力なのかが分からない恐怖感】
【多分まだあるんだと思うよ……】
【「まだまだですね」とか言ってたし……】
【んにゃぴ……】
【ノーネームちゃんお願い……子供たちと俺たちと地球の全視聴者のメンタルはノーネームちゃんにかかってるの……】
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