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236話 ちょっとやりすぎた

『――――――!?』

『――――……っ!!』

『――――!!』


ものすごい音、ものすごい揺れ、ものすごい風。

それが、僕が放った先の部屋から跳ね返ってくる。


【何が起きてるんだ】

【分からん】

【なんか真っ白だったけど……何あれ】

【さぁ……?】

【なぁにあれぇ……】


【あの  ハルちゃん、ファイヤーボール撃ったんだよな……?】

【ふぁいやーぼーるだよ】

【そうだった】

【声はかわいかったが、今はどうでも良い】

【画面が真っ白で何が何だか】


【あのさ  真っ白の光って……炎属性の魔法の、最上位レベルなんだけど……】

【えっ】

【いや、そんなの配信でも観たことないぞ】

【だってまだ理論上の仮説だもん】

【えぇ……】


【まだ仮説の域だけどな、頂点になるとこうなるらしいんだよ  学会の発表でこんなののCG再現観たもん】

【えぇ……】

【あー、炎って温度が高くなるほどに青とか白とかって】

【そうそう、分かりやすいとこで言うと恒星とか】

【はえー】

【一等星とかそうだってなんか聞いたことあるな】


【え?  じゃあハルちゃん、炎属性の……最高ランクのじゃないにしても超上位スキルを?】

【でもハルちゃん、今まで魔法なんて】

【もしかして:あの魔王戦で学習した】

【あー】

【なんか指弾とか使ってたしなぁ】

【ドラゴンに風穴開けるあれに比べたら……まぁ……】


「……けほっ……みんな、大丈夫……?」


何秒か、何十秒か。


気が付いたら息もできないほどのそれが収まりつつあって、ようやく僕は体の感覚が戻ってくる。


「……大丈夫か……よかったぁ……」


【ハルちゃんの声!】

【大丈夫……子供たちか】

【良かった良かった】

【良かった……本当に】

【ハルちゃんがうっかり魔法で、せっかく助けた子たちを巻き添えにしちゃわないで……】

【草】



【怒】


【危険】



「あ、ごめんなさい……って言うか、そこに居たんですか、ノーネームさん」


なんか胸元がもぞもぞするなって思ったら、中にはノーネームさんが隠れてたらしい。


……あんな爆発起こしちゃったからしょうがないか。


むしろ、爆風で吹き飛んでどっか行っちゃってたら、そっちの方が困ったし。


【ノーネームちゃん!?】

【ハルちゃんの胸元から!?】

【ノーネームちゃんずるい!】

【どさくさに紛れやがって!】

【俺たちにもその感触と匂いと温かさを分けろ!】



【ダメ】


【推】


【匂】


【温】


【柔】


【♥】



【草】

【楽しそうなノーネームちゃん】

【自分だけ良い思いしてご機嫌なノーネームちゃん】

【成長した推しのお胸に挟まってたんだ……そりゃあご機嫌だろうよ】

【ノーネームちゃん……俺たちを裏切ったのか……?】



【チガウ】


【推】


【仲間】



【草】

【ねえねえノーネームちゃん  仲間ならさ、見て来たものを見せる義務があるよね?】

【そうそう、ハルちゃんの服の中に入った映像、出せるでしょ?】



【鼻歌】



【草】

【だからノーネームちゃん、それマンガ表現!】

【ノーネームちゃん、微妙に間違って学習してるのあるんだよなぁ……】


『あ、あるて……?』

『のうむ……』


風も光も収まって来て、羽を広げて子供たちを解放。


……ま、まあ、とりあえずモンスターを倒すって言う目標はクリアしたから大丈夫でしょ。


「けどびっくりしたなぁ……たかがファイヤーボールがあんないりょ……く……」


【たかが?】

【????】

【あの、今のが初級魔法……?】

【えぇ……】


【って画面画面!!】

【!?】

【ひぇっ……】

【あの……部屋が……】

【壁から天井から、ことごとく真っ赤になってる……】

【あの……これって融解してるんじゃ……?】


「………………………………」


床が、壁が、天井が……明るいオレンジ色に輝いてる。


……それに、顔を向けるだけで熱い。


「……モンスターさんたち……溶けちゃった?」


【ひでぇ……】

【草】

【モンスターしゃんたちかわいそう】

【あの……これまでは爆発の罠で吹き飛ばされたりしても、一瞬は生きてたんですけど……】


【これ、ドロップすら溶けてない?】

【溶けてるな】

【倒された意義すらなくなっててモンスターしゃんたちマジでかわいそう】

【かわいそすぎて草】

【草が枯れたよ……】

【なぁにこれぇ……】


……ぽとっ。


天井からオレンジ色の、スライムみたいな物体が地面に落ちる。

それは、じゅっと音を立てて……オレンジ色の地面と同化する。


【ひぇっ!?】

【今! 今天井からぽとって落ちたぞ!?】

【溶けてらぁ……】

【ひぇぇ……】


【何なの? ハルちゃん、このダンジョンを物理的に破壊するつもりなの??】


【ハルちゃんだぞ、それはない】

【ああ、ないな】

【草】

【あの……ダンジョンって壊せないんですけど……】

【忘れたのか? あのトカゲでさえ壊せたんだぞ?】

【そうだった……】


【大丈夫だ落ち着け  今日の目的はおいしいごはんとおしゃけのドロップだぞ】

【そうそう、それにハルちゃんがそんなめんどくさいことするわけないだろ】

【ああ……】

【草】

【説得力ありすぎて草】


【もしかして:ハルちゃん、魔王戦でむっちゃ強くなった】

【それだ】

【そのせいで「あれは極大魔法ではない……ただの初級魔法だ」をやっちゃったのか……】

【さすハル】


【これはさすハルで済ませていいのか?】

【これ、ちょっと間違えたら子供たちとかノーネームちゃんたちごと蒸発してたよね……】

【ダメでしょハルちゃん!!】

【反省なさい!!】

【草】

【視聴者たちからの怒濤のツッコミ】

【そらそうよ……】

【なぁにこれぇ……なぁにこれぇ……】

【お、新作】


「ハルちゃんがこれから何やらかすのか気になる」「おもしろい」「TSロリっ子はやっぱり最高」「続きが読みたい」「応援したい」と思ってくださった方は、ぜひ最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に&まだの方はブックマーク登録で最新話の通知をオンにしていただけますと励みになります。応援コメントやフォローも嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
ノーネームちゃんの羨ましい特等席! とんでもない惨状!理論だけで実証されていなかった最上位の結果を出されてまぁたダンジョン関係者が大変になるなぁwww
[一言] 天使「これはメラゾーマではない…」 天使「…なんだっけ…」
[一言] あの…白い恒星って表面温度10万度らしいんですが…(白目)
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