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【2巻予約受付中・25/10/20発売】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~  作者: あずももも
9章 1ヶ月の地下ダンジョン暮らし

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170/639

170話 ここのダンジョンで初めての戦闘  相手は……スライム?

「あの部屋です。 ……また黙りますね」


【りょ】

【緊張してきたな】

【さっき大部屋出たとき以来だな】

【とうとうモンスターか……何出るんだろ】

【せめて予備の銃で何とかなる範囲だと良いが……】


かちゃっ。


気が付けばグリップが汗で濡れてた狙撃銃を持ち直す。


……ほんと、こんなどきどきは読書中以外じゃ、ノーネームさんなドラゴンとのあのとき以来だ。


つまり。


僕は、わくわくしてるんだ。


「……………………………………」


速くなった鼓動を意識しつつ、それでもあえて息をゆっくり深く。


アドレナリンが出るのはそのままに、呼吸法で交感神経だけががーっとなるのは抑えつつ。


沈静化魔法とはまた別に……僕の心を落ちつけるようにして。


慎重に、慎重に。


この部屋にいるのは1体だって分かってるけど、それが正しいかどうかを判断するためにも……。


すっ。


「……………………………………」


鏡に映ってるのは……スライム、かな。


アクティブじゃないから色が分かりにくくって、あと、今の索敵スキルじゃあれの強さが分かんない。


でも、アクティブじゃないんだ。


そして差し出したミラーと索敵スキルの両方とも、この部屋に他のモンスターは居ないって言ってる。


だから。


【お、部屋の前に】

【スライム?】

【でかいな】

【何スライムなのか】

【属性次第で難易度相当変わるだろうな】

【まぁ大体のろいから、いざとなったら逃げられるのだけはありがたい】


「……………………………………」


――コアが、見えない。


……なるほどね。


つまり今の僕の状態は、この体になる前くらいのレベルとスキルってことは確実なのか。


これは幸先が良い。

情報だけが手に入るって言うのが何よりも大切なんだ。


……たぁんっ。


びしゃっ。


「……………………………………」


【当たった?】

【だろうな】

【飛び散ったスライムしゃん】

【スライムしゃんかわいそう】

【草】

【いつものノリに戻って安心したよ】

【問題はこの後だが……】


10秒。


廊下に体を隠しつつ鏡で観察することしばし。


「……どうやら無事倒せたみたいですね。 結晶化にはもうちょっとかかるのかな」


【おめ】

【おめ】

【しかし強さが分からなかったな】

【もともとハルちゃんの持ってた、深層のドロップの銃だしなぁ】

【とりあえずスライムなら、いつものヘッドショットで倒せるのは分かったか】

【でもスライムじゃあ……】


スライムの飛び散った跡。


……普段よりもべちょってしてない?


なんか普段よりも凄惨な気がする。

気のせいかな。


【この階層のモンスターは弱い……のか?】

【分からん】

【スライムだしな】

【レベルは低そうだし、ちょっと安心がな】

【ドロップがあればもっと分かったんだがなぁ】


その部屋は特筆することもない小部屋。


「さっきのスライム、はぐれでしょうからまだ油断はできません。 それに、索敵スキルに引っかかるモンスターが数体……今の銃声で気が付かれたかもしれませんから、ここからもより警戒して行きます」


【はーい】

【慎重にね】





――その後10分待ったけども、結晶化はしなかったスライム。


そうして、今。


ひゅんっ。


べしゃっ。


「……これで全部ですか」


廊下に散らばる、ねとっとした液体。


スライムみたいにのろのろしててコア……見えないけど……がむき出しなら、スリングショットでも大丈夫みたいだ。


【弱くない?】

【弱いな】

【スリングショットは高品質のやつで、ハルちゃんの投擲、狙撃スキルはそこそこなんだろうけど、拾った石で一撃とは】


【もしかして:ここ、浅いところ】

【その可能性も出て来たな】

【油断はできないけど……ハルちゃんなら大丈夫だろう】


【浅いなら、モンスターが少なくて弱いって言う理由にも納得が行くな】

【それにしては最初の大部屋の広さも、なによりこの廊下の長さも疑問ではあるけど……】


【これなら今日中に次のフロアに行けるか?】

【それともどっかのダンジョンの浅い階層から脱出か?】

【いや、安全を確保してどっかのくぼみで夜営するかも】

【ただ、なぁ……】


「……やっぱり結晶化はしないみたいですね。 あと、ドロップも」


結晶化。


モンスターは倒されると、ちょっとの間はグロい感じで死体になってるけども、時間差はあっても数分で結晶――魔力の塊になるんだ。


僕たちにとってはそれこそが貴重な収入源、落とすかどうか分からないドロップとか宝箱、その中身なんかよりも「このくらいのレベルならこのくらいの価値の結晶」ってはっきり分かってる方が生計が立てやすいもの。


……なのに、どうやらここではそうならないらしい。


まだ確実じゃないけども……なんか死に方、ぐろいもん。


あと、臭いし。

普段なら臭いなんてしないのに。


【結晶化しないとか……やばない?】

【ああ】

【まずもって、単純に魔力回復する方法が寝るだけになるな】

【それだけじゃないぞ、結晶の魔力使っての簡単な投擲魔法攻撃とかさえできない】


【さらに言えばさ……1か所に留まれないってことよね?】

【そうか、ハルちゃんみたいにポップ待ちして荒稼ぎなんて】

【できないねぇ……死体が残るなら】

【ここみたいにレベル低いとこなら良いかもだけど、そうじゃないところで臭いに釣られて集まって来られたら……】


……とりあえず、ここは普通のダンジョンじゃない。


そう分かっただけでも大きな収穫だよね。


「……こうして攻撃すれば経験値は入るでしょうから、まずは地道にレベリングですね。 もしそれすらしなかったら……いえ、1週間前に比べると相当上がりましたから、多分それは無いはずです」


ゲームみたいなシステムのある、ダンジョンっていう空間。


「あまりにも都合良すぎない?」とは言われてたけども、その一部だけでも無くなった途端に厄介な気がしてきた。


「今日はもうちょっと行きましょう。 情報が必要です」


【いつになく真面目なハルちゃん】

【はーい】

【結晶化しないとか……ほんと、ここどこなんだろうなぁ】

【さあなぁ……ノーネームちゃんも教えてくれないし】


「ハルちゃんがこれから何やらかすのか気になる」「おもしろい」「TSロリっ子はやっぱり最高」「続きが読みたい」「応援したい」と思ってくださった方は、ぜひ最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に&まだの方はブックマーク登録で最新話の通知をオンにしていただけますと励みになります。応援コメントやフォローも嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
わくわくハルちゃん可愛いからの普段とは勝手が違って不穏なダンジョン!
[一言] もしやレベルやスキルが戻ったのはそもそも環境自体が違っている…?
[一言] 明らかに何時ものダンジョンの雰囲気ではない… ある程度情報は得てきたけど、明確な解答出来ないのがきついなぁ
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