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【2巻予約受付中・25/10/20発売】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~  作者: あずももも
7章 最下層、そして「泉」とるるさんと僕

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122/639

122話 『泉』1

こちらは本日1回目の投稿です。昨日の2話目がまだの方は前話からお楽しみください。


「……んぅ……」


なんだかまだ寝てたい……けどもそれなりに寝た感覚。


あれだ、深酒しすぎたのに翌朝早く普通に起きちゃって、でも寝たいなーって感じるあの感覚。


「……あたまいたい……」


あと、軽い二日酔い……じゃなくて、魔力がすっからかんになったときのこの感覚。


……最近だけでもう2回だからさすがに慣れてきたね。


【よかったぁぁぁぁ】

【生きてたー!!】

【死ぬ前にリストバンド起動するから大丈夫って分かってただろ?】

【それでも心配なんだい!!】

【ばか!!】

【なぁにこれぇ!】

【鳴き声のバリエーション豊かで草】


明るい光で目が醒めたらしい僕。


……あれ?


僕、何してたんだっけ?


……………………………………。


「あ、ノーネームさんと戦ってて……それで」


【悲報・ハルちゃんの寝顔鑑賞会終了】

【朗報・ハルちゃん目覚めた】

【お前ら……】

【だって大丈夫だって知ってても心配だったじゃん】

【ああ……何時間もずっと、るるハルの寝顔配信だったからな……】


【えみちゃんは?】

【大丈夫だ、「協会の病院で大丈夫」だって】

【良かった】

【でもリリちゃん……】

【心配だけど、今は待つしかない】


【とりあえず、あんだけのことがあったのに被害はほとんどないってことで良いん?】

【リリちゃんが行方不明だぞ】

【えみちゃんとほぼ同時に転送されたんだし、きっとどっかの病院で手当て受けてるあいだに寝ちゃったんだよ】

【そう思うしかないよな】


【で、他には?】

【人的被害は、あの揺れと衝撃波で数十人が転んだりガラスで切った程度だな】

【あれだけあってそれってしゅごい】


【物的被害はどうなんですかね……】

【知りたい?】

【やっぱやだ】

【やめて】

【やめない】

【なんでそんなこというの!!】

【草】


【まずはダンジョンがあった場所にでっかい穴が開きました】

【穴】

【そこには直径数キロの穴が開いております】

【直径数キロ】

【下は真っ暗でぜんっぜん見えません】

【下が見えない】


【あと、近所の建物とか家のガラスは木っ端みじんです】

【木っ端みじん】

【悲報・ご近所さんたち今日から避難所生活】

【ご近所さんたちかわいそう】

【えぇ……】

【テレビの中継で観てるけど……ひどいな、これ】

【まぁあんだけの攻撃だったし……】


ちょっとぼーっとしてた僕だけども、すぐ近くですぅすぅ言ってる声で、るるさんに気が付いた。


「るるさん。 るるさん」

「うにゅう……」


「うにゅうじゃないでするるさん」

「ん――……ハルちゃん……」

「ほら起きて」

「あと5分……」

「起きなさいってば」


【草】

【寝起きがハルちゃんより悪いるるちゃんで草】

【かわいい】

【ハルちゃんのあきれ顔もなかなか】


そういえば……いつもはるるさんに起こされてるから、なんだかこういうのはレアかも。


なんかすごく幸せそうな寝顔だし。



【尊】



【うむ】

【然り】

【左様】

【こんな2人を眺めていたいだけの人生だった】

【もっと有意義な人生の目標持とうよ】

【え、無理  2人とも推しだし】

【推しならしょうがない】


【でもノーネームちゃん戻って来て良かったー】

【俺、戻って来たって知らなくてびっくりしたんだけど】

【俺も】

【明け方には復活してたぞ?】

【もしかして:ノーネームちゃん、寝てただけ】

【えぇ……】

【ノーネームちゃんもおねむだった……?】

【ノーネームちゃんも幼女だった……?】

【草】


何回か声をかけてようやくに起きたらしいるるさん。


でもまだぼんやりしてるっぽいから、僕は先に周りを見てみ――


「あ、泉」


泉。


1年前、かつて見た風景とおんなじの。


――僕が、こんなに小さな女の子になっちゃった場所。


【お、カメラも動いた】

【あのあとどうなったのか分からないけど、カメラ、どうやらるるハルの1基ずつしかないみたいだから】

【お互いの寝顔しか見えない天国だったんだよね】

【事実と感想をごっちゃにしないで】



【真実】



【草】

【ノーネームちゃんが言うならしょうがない】


僕が立ち上がったので目が醒めたらしいるるさん。

彼女は目をこすりつつ、僕に体重を預けてくる。


「……泉……って、ここが……?」

「はい。 僕が、僕になった場所」


【へ?】

【え?】

【ハルちゃんがハルちゃんに?】

【どゆこと??】

【綺麗な泉ね】

【水フロア……にしては狭くない?】

【かなり狭いな……】


【ノーネームちゃんノーネームちゃん、始原からのお願い。  配信切るかぼかして】

【ノーネームちゃんはよ!】



【no】



【そこをなんとか】

【ハルちゃんの秘蔵のあげるから】

【始原勢ぞろいでハルちゃんについて語り合って良いから】

【そうそう】



【……】


【……】


【……】


【否】



【駄目か……】

【もうだめだ……】


【草】

【ノーネームちゃんめっちゃ長考してて草】

【ここまで考えるノーネームちゃんも珍しい】

【けどどうした始原】

【なんか取引持ちかけて拒否られてる始原】

【ぼかすって何よ?】


ゆっくり体を起こしてみる。


……ちゃんと寝たあとの、あの気持ちいい感覚。


え?


ちゃんと寝た?


……そうだよね、魔力、コンマ%はあるもんね。


「……るるさん、今何時?」

「え? えっとぉ……あ、朝ぁ!?」

「あー、やっぱり」


【草】

【そうだよ2人とも、君たちぐっすりだったの】

【俺たちはらはらしながらどきどき見てたの】

【実質添い寝♥  あ、もしかしてノーネームちゃんんんんんんんん】


【いつもの】

【無茶しやがって……】

【でもノーネームちゃん、元気になったんだな】

【元気になった証がボッシュートとか……】


【なるほど、ノーネームちゃんが来るのか  るるハルの添い寝、百合百合に俺も混ぜてよよよよよよ】

【草】

【自分から飛び込むのか……】

【それがハルちゃん配信の義務だ】

【嫌だよそんな義務!】


「んしょ……」


るるさんと一緒に、周囲を警戒しながら立ち上がる。


と言っても、昨日……になったんだよね、その疲労のせいでふたりとものろのろだけども。


僕たちの足元に、からからと落ちていく瓦礫。


「でも、なんで私たち無事なの……? 全然痛くない……」

「このマントです」

「ローブ?」

「どっちでも良いですけどね」


るるさんのおしりに敷かれてたのをぱたぱたってはたいて、肩に巻き直す。


む、あったかい。


「これ、結構なダメージまで吸収してくれるんです」

「そっか、それで守ってくれたんだね」

「はい。 これ、広げてもぎりぎり2人だと思ったので」

「あ、だから私は守れるって」

「そういうことです」


【そんなロープあるん?】

【物理衝撃軽減のいいやつなら】

【それとハルちゃんたちのレベルならなんとか……?】

【どうせまた良いドロップのだからそういう効果あるんでしょ】

【そうだな、ハルちゃんだもんな】

【今回含めて2回以上は500階層を攻略したんだもんな、ハルちゃん】


む。


るるさんの匂い。


「けど……んーっ……よく寝たねぇ……」

「僕、これでの防御、残ってた魔力全部使っちゃったのでこんなに寝ちゃったんです」

「あはは、私も寝ちゃってたし……あんなに走り回って戦って、疲れちゃってたから」


「あ、まだ砂とかついてる」ってるるさんが僕の周りを回りながらぱたぱたって払ってくれる。


べつにいいのにね、別に家とかじゃないんだし。


【尊い】

【てえてえ】

【これが……これが、ふたりはるるハル】

【お世話を焼くるるちゃんに焼かれるままのハルちゃん】

【ハルちゃんの直立不動っぷりが普段を物語っている】


【三日月えみ「私も……私も混ざりたかったです……」】

【三日月えみ「ちほ……九島さんもそう言っています」】


【三日月えみ「リリさんは……恐らくスポーン地点の設定が、攻略開始前にセットしていなかった可能性が高いそうです。 彼女が前に設定した場所……つまりは彼女の故国に出ており、何かしらの事情で連絡が取れないだけかと思われます」】


【えみちゃん!】

【くしまさぁん!】

【戻って来たか】

【おっつー】

【リリちゃんが心配ね】

【まぁえみちゃんが大丈夫だったんだし大丈夫だろ】

【これで安心して眺められる】


あと数話で最終話です。


一応の最終話まで&その先を応援してくださる方は、おもしろいと思ってくださった話の最下部↓の【☆☆☆☆☆】を最高で【★★★★★】に&まだの方はブックマーク登録で最新話の通知をオンにしていただけますと励みになります。応援コメントやフォローも嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
ノーネームちゃんも一応無事っぽそうでよかった! あやうく放送事故しかけるハルちゃんww
[一言] くしまさぁんとえみちゃんの混ざりたいには違う何かを感じる
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