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【2巻予約受付中・25/10/20発売】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~  作者: あずももも
7章 最下層、そして「泉」とるるさんと僕

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118話 地下と空の最終決戦 その7

ここまで来たら最終話まで1日2話投稿。

こちらは本日1回目の投稿です。昨日の2話目がまだの方は前話からお楽しみください。l

とある、海の上の隔離された空間。


『……艦長、よろしいのですか!』


そこに居る全員が、1人の人間に食ってかかっていた。


『こんなことは間違っている……!』

『いくらスタンピードが発生したとは言え、我々にも開示されない脅威があるとは言え、こんなものを……』


『聞けば、現地で避難誘導と治安を担当している奴らには伝わっていないと言うではありませんか! 』

『そもそも安保理決議を完全に無視した独断専行で、世界ダンジョン法違反どころではありません! また我が国は、自ら作った約束を反故にするのだという汚名を……!』


しかし彼らの上官は表情を変えず……その命令を受けた姿勢のまま言う。


『大統領命令は絶対だ。 祖国に忠誠を誓った軍人である我々の任務は、それに従うだけ……我々の判断すべき段階ではない』

『しかし……同盟国の首都圏に、しかも避難させたとは言え民間人の住むエリアの、ど真ん中にこれを……』


パネルに表示されているのは、地図。


地図の中心には「NO NAME」とあるダンジョン。


『……上の推測によると、かのダンジョンの上層階から急速なスタンピードを観測しているらしい。 それも、10年前のあの時期に同時多発していたものと同等以上のものがな』


『10年前の……!?』

『またあの大惨事に……』


『世界中から非難されるのを承知の上での命令だ。 その確信はあるのだろう……だからこそ、平和になりつつあるこの時代にそんなものがあそこから溢れたらどうなるのかは……当時の激戦を経験した、ここに居る皆なら分かるだろう』


彼らは思い出していた。


10年前、世界中にダンジョンが溢れ――彼らの故郷も例外なく襲われたあの悪夢を。


『……そんなことになれば、このエリアどころか……』

『……………………………………』


『そういうことだ。 急な要請にもかかわらず、幸いにして民間人の避難がほぼ完了している。 ……その報告を信じて――発射する』


『はっ』


首都圏近郊の海に浮かぶ駆逐艦。


その後方に積まれた「新兵器」が――


『Fire』


――発射された。





眠い。

くらくらする。


このまま寝落ちしたい。


いろいろ全部出し切った達成感と疲労感、たくさんのモンスターたちやドラゴンさん……そして多分初めてな、人間よりも強い知的生物との戦闘。


ノーネームさん。


……君、やっぱり遊びたかったんだね。

最初からそう言ってくれたらいくらでも付き合ったのに。


「……先ほどから、リスナーのみなさんが……」


「? どうしたのぉ? えみちゃん……」

「いえ、るるはそのまま薬が効くまで寝ていてください。 ……しかし……」


ぼんやりとした目でノーネームさんを見上げる。

多分、今まで見てきたモンスターの中でも飛び抜けて強いやつ。


……できたら1対1で、お互い全力で戦いたかったけども……しょうがないよね。


そもそもダンジョン攻略って言う時点で攻略側はへろへろになって到着するもんだし、ノーネームさんもノーネームさんで最初からじゃなくて途中から倒されたボスモンスターに入ったみたいだし。


いつか。


いつか、普通に戦いたい気がする。


でも、まずは願いの泉だ。


だから、


「……また会おうね」


そう、声をかけておく。


「ハルちゃん?」

「ううん、何でも――」


「―――――――――――グォォォォォォ!!!!」


「っ!?」


さっきまでとは明らかに違う声で叫び出すドラゴン……ノーネームさん。


……君、どうしちゃったの?


急にるるさんと僕から目を離したじゃん。

いつもいつも、ずっと見てきてたのに


「ドラゴンが!? またぁ!?」

「これはさすがに……ハル様、惜しいですがリストバンドを」

「待ってください、コメントに寄りますと――」


急に吠えだしたドラゴンさんなノーネームさん。

もう体力はないはずなのに、急に起き上がって何かの魔法を使おうとしてる。


さっきみたいに僕のことは見てない。


どこ見てるの?


……「上」?


上の……上の上の上の上の、ずっと上の――?


「……予測ができませんね。 ノーネームさんなら無いとは思いますけど、自爆攻撃もありえるかも……るるさん」

「うんっ!」


【ミサイル】

【マジ!? ミサイル撃ちやがったアイツら!?】

【は?】

【なんで合衆国軍がこっち向けてミサイル撃ってんの??】


【たまたまテレビ局のヘリが撮ってたんだってよ!】

【ヘリは大丈夫なん!?】

【ああ、事前の警告とかもなかったとか】

【アナウンサーも固まってる……】

【あの、盛大にミサイル飛んでるんですけど……】

【こわいよー】


【えぇ……】

【なぁにこれぇ……なぁにこれぇ……!】

【ちょ、空襲警報】

【えみちゃーん! ミサイル! ミサイル来てるぅぅぅ!】

【逃げてぇー!】


「――リリさんはえみさんを!」

「はいっ!」


ノーネームさんが、僕から目を逸らすほどの何かが起きてるんだ。


スマホ見ながらぶつぶつ言ってるえみさんは置いといて、僕たちで臨戦態勢。


「ま、待ってください、外で……えっと……ミ、ミサイル……?」


【ニュースで言ってる! えっと、ダンジョンでスタンピード……が起きるからって! 合衆国から連絡入ったって!】

【だからってこんなところにミサイルぶっ放すか!?】

【でもさ、ダンジョンにミサイルとかあんま意味ないんじゃ……】

【いや、なんでもダンジョン攻略用の新兵器だとか】

【付近はすごく揺れるとか言ってるんですけどー!】


【警告範囲の外にいるヤツ! すぐ屋内に逃げろ!】

【合衆国兵さんたちも慌てて逃げてる】

【テレビ局のスタッフさんとかの手を引いてる】

【優しい】

【そんな場合じゃないって!】


【兵士も今聞かされるとか……現地はどうでもいいってこと!?】

【あ、俺んちの前で酒盛りしてた兵士べろんべろんだわ……】

【草】

【お前、ずっとやってたのか……】

【ハルちゃんの配信観ながらな。 お互いに言葉が分かってきたところだったんだよ……とりあえず俺んちに押し込めとく……】

【やさしい】

【そんな友情は良いから、とにかくみんな逃げて隠れてー!】


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― 新着の感想 ―
ちくしょう!発射した軍人さんは疑念を抱きながらも職務を全うした素晴らしい人たちじゃねぇか! それはそれとしてべろんべろんになったぐんじんしゃんwww
[一言] ダンジョンがあるのが東京だったら女神転生してしまう…
[一言] このTOKYOにICBMが打ち込まれる感じ・・・メガテンだ じゃあ世界中にモンスターがあふれて、バイオレンスがジャックして、マッドがマックスする、そんな世紀末になるのか・・・?
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