表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【2巻予約受付中・25/10/20発売】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~  作者: あずももも
7章 最下層、そして「泉」とるるさんと僕

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

111/639

111話 最後の夜、そして500階層へ

こちらは本日2回目の投稿です。今日の1話目がまだの方は前話からお楽しみください。

「美食の国の華の都とか……あ、そうだ」


僕が身分の問題に想いを馳せていたら、いつの間にか行くことになってたらしい海外旅行。


そのプランニングで盛り上がってたるるさんが、声を上げる。


「『外が』ってコメントが多いんだけど……えみちゃん分かる?」

「いえ……しかし多いですね」


【まずい】

【ごまかせごまかせ】

【誰か任せた】

【人頼みかよ】

【だって俺苦手だもん】

【草】


【……そう、マスコミ! ダンジョンの入り口、ハルちゃんが2週間の攻略帰還な画を取りたいっていっぱいで大変だから!】

【そうそう、マスコミとか野次馬がね!】

【それだ!】

【そうそう、大変なのよ!】

【たくさん居てね? 1回捕まったらハルちゃんたち離してくれないほど熱心でね?】


「……攻略したら、まずは帰還直後が大変みたいですね」

「あ、ほんとだ。 マスコミさんがいっぱいなんだって」


「ふーん」


【危ねぇ】

【セーフ】


聞いた話だと、ノーネームさんがいろいろやらかして配信サイトも落ちてたみたいだし……そりゃあカメラもいっぱいこっち向いてるよね。


僕自身は隠蔽スキルで、いざとなれば全くの素通りもできるだろうけども、るるさんたちはそうはいかない。


えみさんも大変だろうし、外国人なリリさんだって群がられて大変だろう。


なんとかしてあげたいけども無理かなぁ。


「ノーネームさん?」


【ひぇっ】

【唐突な召喚の儀やめてハルちゃん!】

【やめてハルちゃん! 俺たちの心臓止まっちゃう!!】

【というかここまで来てもまったくコメント見てないハルちゃん】

【ブレないな】


【あのあと事務所に当直で残ってたスタッフさんがワンオペでコメント選別してくれてるのにね……】

【スタッフさんかわいそう】

【ま、まぁ、るるえみが代わりに読んでくれるから……】



【何】



【お返事来てるよハルちゃん】

【って言うのをるるえみプリーズ】


「……だそうです。 と言いますかハル」

「だってえみさんたちが読んでくれるから」

「ハルちゃん変わらないねぇ……それで?」

「あ、そうだ」


ノーネームさんに話しかけようとしたけども……あれ、ノーネームさん、どのカメラから見てるんだろ?


これかな……それともこれ?


周りに浮いてるみんなのカメラを1個1個のぞき込むけども、何か違う。


んー、どれだろ……あ、これっぽい。


【かわいいぃぃ】

【ハルちゃんが1個1個のぞき込んできてる!!】

【不意打ちのガチ恋距離はやめて……嬉しいけどやめて……】

【あ、ちょっと高血圧の薬……】

【草】

【いつも通りのハルちゃんで安心した】


僕の頭の上にあるカメラ。

なんだかんだでお世話になってるそれに、話しかける。


「ノーネームさん。 僕たちが脱出したら、守ってくださいね?」


マスコミさんとか。


ほら、あることないこと書かれるって言うし、ストーキングされるって言うし。



【約束】



「約束してくれるって」

「そうですか」


とりあえず周りでふよふよ浮いてるカメラの何個かと目を合わせておいたから反応してくれたのかな。



【約束約束約束約束】



【草】

【ノーネームちゃん落ち着いて!!】

【ハルちゃんに話しかけられてよっぽど嬉しかったらしいノーネームちゃん】

【気持ちは分かる】

【確かにね……ハルちゃん、滅多にカメラ向いて話してきたりしないし……】


ノーネームさんはいたずらっこだけども、ほんとにひどいことはしてこないはず。


あ、でもるるさんの両親……そうでもないかなぁ。

今回のだって一方的に呼びつけてるし……やっぱよく分かんないな、ノーネームさんって。





それからぐっすり寝て翌日。

ふぃぃぃんと進んできた僕たちだったけども。


……ぷすぷすぷすぷす。


「む、ガス欠」


高度が下がっていくイス。


「……そういえばそうですよね……普通の乗り物ならバッテリー切れ、起こしますよね……」

「よかったぁ……これ、縦穴降りてるときじゃなくてよかったぁ……!!」


【草】

【抜群の安定感で忘れてたけど確かにそうだわ】

【でもできたらあと少し動いてほしかった気持ち】

【無補給で動くとか言ってたけど、さすがにこの酷使は想定していまい】

【しかしラスボス前でまさかのガス欠とはな】

【毎回おいしいハルちゃん】

【どこを切り取っても撮れ高にしかならない幼女】


今朝から「なんかスピード出ないなー」って思ってたイスっぽいの。

さすがに酷使しすぎたのか、ゆっくり着地してもう動かなくなった。


「今までありがとね」


とんっと着地して振り返ったイス……って呼んであげよ……は、どこかくたびれてる。


【やさしい】

【ハルちゃんいいこ】


「ハル様の髪の毛が……るる様に睨まれずに嗅げる、唯一の手段が……!」

「リリちゃん……」


【草】

【感動の場面の真横で打ちひしがれてるリリちゃん】

【リリちゃんおもしろすぎない?】

【さすがのるるちゃんもドン引きよ?】


【ここへ来て個性があふれてきたな】

【ああ……!】

【えみちゃん→幼女趣味】

【リリちゃん→クンカー】

【るるちゃん→ヤンヤン】

【ハルちゃん→ハルちゃん】


【くしまさぁん!】

【くしまさぁん! 戻って来てー!】

【この4人制御できるの、くしまさぁんだけなの……】

【くしまさぁんが唯一の希望になってて草】


499層。


階段は目の前。


「……ノーネームさんのせいですか? これ」



【違】


【違違違違違違違違違違違違違】



【唐突なジト目がノーネームちゃんを襲う】

【ノーネームちゃんしっかり!】

【致命傷だ、落ち着け!】

【えみちゃんるるちゃん! 違うって言ったげて!】

【じゃないとノーネームちゃん壊れちゃう!】


「あ、違いましたね。 普通にバッテリー表示ありました」

「え?」

「ほら、ここ。 イスのこのへんに」


ひっくり返してみると意外と軽かったイス。

その、おしりが乗るところの反対側にばっちりパネルがあった。


「……どうして裏側に?」

「さあ?」


おしりの下に潜って毎回操作するの?

あ、でも確かに、るるさんが変形させたときは下に潜ってたね。


……これ作った人も……ヘンタイさん?


【えぇ……】

【このイスっぽいの、ほんと……何……?】

【わかんにゃい】

【これ、どんな設計思想で作られたんだろうね……】

【ま、まあ、これまで無事に乗れてたから……】


よく分かんないけど、お世話になったのは確かだ。

ありがと、イスっぽいの。


正式名称は……なんか読めないからいいや。


【お、きちゃない袋】

【きちゃない袋にイスっぽいの、ないないしてる】

【すげぇ……どう考えても入るはずないのにしゅるって入ってる……】

【今さらだろ?】

【今さらだけどさ……ダンジョンのドロップ品ってすごいなって】


なんだか久しぶりに歩く気がする……いや、本当に久しぶりだ。


何日……2週間ぶり?

まとまった時間歩くの。


って言っても、目の前に階段、その下はラスボスフロアなんだけどね。


「……いよいよですね」

「そうですね」


かちゃかちゃっと装備を点検。


これまでの経験できちゃない袋にしまってると、とっさのときに出せないって分かってるから必要なものを1個ずつ。


「みなさんも必要なものとか言ってください」


「あ、では私は魔力ポーションを……」

「あ、私私ー! 長めの剣ー!」

「……水分補給を」


言われるままにきちゃない袋から1個1個取りだしていく僕。


……これ、何となくで入ってるのとか分かるし、何となくで取り出せるんだけど……欠点としては1個ずつってこと。


だから毎晩のキャンプ用のとかは地味に大変だったり。

まぁ運んで遅くなるよりはずっと良いからがんばってたけどね。


【すげぇ……まるでダンジョン攻略に向かうみたいだ……】

【お前は今まで一体何を見て聞いてきたんだ】

【えっ】

【草】

【辛辣すぎない?】


【だってそうじゃん! 今までのはどう考えても普通のダンジョン攻略じゃないじゃん!! ばか!!】

【なぁにこれぇ!】

【んにゃぴ!!】

【草】

【怒濤の返事で草】

【かわいそうに……ハルちゃんのせいでここにも情緒が破壊されたヤツが……】


【けどハルちゃんすごいね……斥候兼スナイパー兼メインアタッカー兼ポーターだもん】

【なんだその完璧超人】

【ハルちゃんだよ】

【そういえばそうだった】

【大丈夫、のんびりしてるし、おねむだしって隙は結構あるから……】


【でも並べられると改めてすごいな……】

【もうハルちゃんだけで良いんじゃない?】

【だからハルちゃんは電池切れが早いんだって】

【これ、もうハルちゃんとその仲間って感じだよね】

【ハルちゃんを無事に送り届けるのが攻略だからな……】


「あ、500階層、馬鹿でかいのと、モンスターわんさか居るので気をつけてくださいね」


「え?」


【え?】

【悲報・ノーネームちゃん本気】

【多分決戦が見たかったんだろうし……】

【ハルちゃんの実力を出させたいという確固たる遺志を感じる】

【なぁにこれぇ……!】

一応の最終話まで&その先を応援してくださる方は、おもしろいと思ってくださった話の最下部↓の【☆☆☆☆☆】を最高で【★★★★★】に&まだの方はブックマーク登録で最新話の通知をオンにしていただけますと励みになります。応援コメントやフォローも嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
リリさん……以前の気絶してた姿ここまで、すっかり変化してしまって…… ノーネームちゃんと約束!カメラを至近距離で覗き込んだうえで、あたりを見つけたっぽいからなぁ、大歓喜やろなぁ 野次馬(軍隊)がたくさ…
[一言] 満を持してノーネームちゃんが素体に魂を移して登場する! 理由:ハルちゃんと全力で遊ぶ為
[一言] ついに……!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ