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オルタナ外伝ーアルトレア物語ー  作者: 絃芽こう
1学年 新しい学校生活

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81 放課後のお誘い

「レア、凄い眠そうだね。」


私は昨日、結局あの後ノートを捲る手を止められずに、気が付けば部屋に日の光が入り込むまで読み続けてしまったのだけど、そのせいで少し授業にうつらうつらとしていた姿をサヤカに見られていたようだった。


「昨日図書室で借りた本を読んでたら、夜更かししちゃって…ほわぁ…。」

「そんなに面白かったの?」

「うん。先輩の研究ノートを借りたんだけど、そこにさっき話した子熊の事とかも書いてあったのよね。」

「そうなんだ。レアの先輩って、あのスイネグって人?」

「そう。ノート持ってきてるから後でサヤカにも見せてあげるわね。」

「うん、ありがとう?」


今は既に放課後なのだが、私はサヤカに連れられてとある道場へ向かっていた。

と言うのも、ノートを読んでいると、そこには校外学習でリュウレン達が連れ帰った子熊のその後についても書いてあり、その内容を伝えたところ、こうして一緒に彼女が噂を聞いたと言う道場へ向かうことになったのだ。


「まさか、近くに身体強化とか魔法を使わなければ、練習場所を開放している道場があったなんてね。」

「うん。去年聞いたときは別に興味なかったけど。」

「まぁ、わざわざ学校の練習場以外を使う理由も無かったものね。」

「そこの事覚えてて良かった。」

「そうね。」


その道場は、場所だけでなく備品の貸出しも行っているそうなのだが、それは学校の練習場でも同じなので、このような機会でもなければきっと訪れる事は無かっただろう。


「でも、誘うのが私で良かったの?ちょうど魔術以外にも、何かしら練習したいとは思ってたけども。」

「良い。わたしの練習にもなるし、レアにも教えられるなら一石二鳥。」

「それならいいんだけど…。」

「魔力を使わないで練習するの、久し振りだから緊張する。」

「私には分からない感覚ね。」


身体強化には幾つか種類があるのだけど、魔法を使う人達は基本的に魔力回路に魔力を通すやり方をする。


魔力回路は、血管のように身体中に張り巡らされてるので、慣れている人は私達が普段血液の流れを意識していないのと同じように、無意識レベルで魔力を流しているらしい。


今回、サヤカがそれを抑えているのには、道場の利用条件である魔力等の使用禁止ともう1つ理由がある。


「それにしても、まさかあの子熊が本当に研究に役立つなんてね。」

「リュウレン達、お手柄?」

「結果的にはそうなったようね。と言うか、これ私達が知っても良い内容だったのかな?」

「書いてあるなら、良いんじゃないの?」

「スイネグ先輩の事だからなぁ、どうなんだろ。」


あの子熊は、僅かに魔物化していることが発覚したそうなのだが、その後更に研究の結果、親熊が魔力を吸収する体質であったろうこと、魔物化した動物は魔力を探知する能力を持つことが判明したらしい。


それによって私達の班、つまりは、サヤカ、リュウレン、それと、フレアとワタリ、そして、カツミと私の6人は、恐らくその分の点数も校外学習の評価に加算される事になるだろう、と言うのはノートに書いてあったことだ。


サヤカの言う通り、この事は他の人に話して良いのか悩んだのだけど、彼女も無関係ではないと思いこの内容を軽く伝えたところ、『ふむ…。』と少し考えた後にこの道場の話を教えてくれたのだ。


「今度魔物と戦うときは、レアの足を引っ張らないようにする。」

「森での事は、むしろ来てくれて助かったってずっと言ってるでしょ?」

「でも…」

「それに、魔物だって別に魔力が無くても獲物を追えない訳じゃ無いのよ?」


そんな風にサヤカは言うけど、前回の場合は魔力を抑えてたところで、正直そこまで結果に変わりは無かっただろう。

なので、私はあまり気にすることではないと伝えるのだけど、彼女は納得のいかない様子だ。


「まぁどちらにせよ、出来ることは増やしておきたいわよね。」

「うん。」

「サヤカの場合、魔物と戦う機会も多くなりそうだしね。」

「どうして?」

「Sクラスになったら、2月の校外学習以外でも他の大陸に行くこと多そうじゃない?」


そこで、私は過去の話よりも先の事へと話題を変える。


「まだSクラスになれるか分からないよ?」

「何を言ってるの。あなたじゃなきゃ誰がSクラスに入れるのよ。」

「わたし、魔法使えないのに。」

「そんなことが問題にならないくらい、他の事が得意って事でしょ。あ、あそこの建物がそうかしら?」

「そんなこと…。」


そうして話していると、道場らしき建物が見えて来たので、私達は会話を中断し、建物の前で掃除をしている人に声をかけるのだった。

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