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オルタナ外伝ーアルトレア物語ー  作者: 絃芽こう
1学年 新しい学校生活

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71 振り返り

「はぁー疲れた。ほんと、大変だったわね。」


私は今、自分の部屋でこの前あったことを振り返っていた。


あの日は森の中で熊に遭遇したこともそうだけど、学校に帰ってからもなかなかに大変だったのだ。


何せ、私が知っているだけでも数名、あの熊に襲われて亡くなっているし、なんなら、私達だって同じ道を辿ってもおかしくなかった状況だ。


おまけに私の班員がその子熊を連れて帰ってきたのだから、私の単独行動やら他の班員のそういった行動の意図を、根掘り葉掘り聞かれるのは当然だろう。


「まぁ、これに関しては先輩方の理解が早くて助かったわね。」


私やサヤカについては、途中で助けた男子の証言や、実際に熊を倒した後も、自力で学校へ帰るまでの余力があったことで、最初から無茶をする予定では無かった事や、すぐには信号弾を打ち上げる事の出来ない状況だったのを分かってもらえた。


リュウレン達の方も、最終的に子熊を学校まで連れていったらしいのだが、その理由が、私達と遭遇して即座に敵対行動を取らなかった事で、あの子熊には危険性が少なく、あそこで討伐するよりも学校で保護した方が、今後有益になると考えたからだという。


「どうせ帰ってる途中で、タクミ辺りが適当に考えた理由なんでしょうけどね。」


私があの場を離れた時の事を考えると、彼も子熊が自分達の近くに居ることのリスクを理解してるようだったけど、サヤカも私も居ない状況で、他の班員にそれを強く訴える事が出来たようには思えない。


それか、『親熊と遭遇した際にどうするつもりだったのか?』と言う質問に、『サヤカが様子を見に行ったから、心配してなかった』と、答えたのが案外本気の言葉だったのかもしれない。


「はぁ、サヤカには感謝しなくちゃね。」


私達が学校に帰ると、ちょうどリュウレン達がこの話をしていたようだったのだけど、私達が救助隊と居るのを見ると、こちらへ駆け寄り『まさか、信号弾を撃ったのか!?』と、大声を上げたのだ。


まだ帰ってきたばかりと言うのもあって、その物言いに思わずムッとしていると、私が反応するよりも先にサヤカが前に出て、『必要だと判断したから、わたしが撃った。』と言う。


それを聞くとリュウレンは、『ふん、そうかよ。』とだけ言うとまた話し合いへと戻っていくのだけど、それを見送るとサヤカが『ごめんね、レア。』と謝って来た。


私は突然の謝罪に驚くけれど、どうやら自分がリーダーなのに何も出来てなくて不甲斐ないとのことだった。


「そんなこと無いわよ。今日までずっと皆をまとめて来たじゃない。」

「それだけじゃなくて、信号弾とか…他にもレアの方が先に考えたこととかあったのに…。」

「私は思いついただけで、決めたのはサヤカだったじゃない。」


私がそれを否定しても、彼女は納得がいかないみたいだった。


「それに、何も出来てないって言うけど、あなたは予想外の事態が起きたのに、即座に皆をまとめ上げて単独行動してる私の助けにまで来てくれたのよ?」

「それだってわたしはレアの言う通りにしただけで…。それに、そんな言い方…。レアは皆の為に頑張ってたのに…。」


「あなただってそれは一緒じゃない?それに、私が同じことを言っても皆聞いてくれなかっだだろうし。とにかく、皆こうして無事に、大きな怪我もなく戻ってこれたんだから、あなたは立派なリーダーだったわよ。」


けれども、私はそう言って無理矢理締めくくり、私達へ事情を聞きに来た先輩の方に注意を促すのだった。




「それにしても、詠唱って凄いわね。まさかあそこまで威力が上がるなんて。」


私は、これからの予定の為にベッドから立ち上がると、出掛ける準備をしながらそう呟き、改めて熊を倒した魔術について考える。


あの時は、サヤカの剣に触れたことで予想外の爆発が起きたのだと思っていたけれども、よくよく考えてみると、魔術の効果自体が予想していたものと少し違っていたかもしれない。


「まぁ、その辺りも今度スイネグ先輩に聞いてみようかしらね。」


準備が終わりそう言って気持ちを切り替えると、わたしはサヤカにあるお願いをしに行く為に部屋を出るのだった。

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