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オルタナ外伝ーアルトレア物語ー  作者: 絃芽こう
1学年 新しい学校生活

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52 試験に向けての話し合い

「えっ、はぐれたときの合図?説明の時にあった信号弾でいいんじゃないの?」


この前先生から、校外学習についての説明があったわけなのだが、どうやら内容としてはギルドの擬似体験に近いものらしい。

このギルドと言うのは、アリアス・ベネウッド・ユニウスの3大陸で、昔から国境を超えて魔物を討伐するための組織として存在している。


今回は、近くの森を対象に3年生が依頼を発行、1年生が受注をし、達成した内容等に応じて成績が付くと言うものらしい。

一応受けられる依頼は、採取・討伐とあるらしいが、どちらにせよ森の中に入ると言うことで、もしも遭難した時にその場へすぐに救助が向かえるようにと、各人に信号弾を打ち上げるための道具が渡された。


そして今日、私達は班のメンバーで集まり、改めて試験の内容の確認と、どのような方針で行くのかを決めていく。

その中で今は、森の中で孤立した時にどうするのかを話し合っていた。


「そうだよ。サヤカっちみたいに魔法が使えなくても大丈夫なように、センセーが配ってくれるみたいだし、それを使えばいいじゃん☆」

「ばーか、そんなの使ったらどうせ減点されるに決まってんだろ。そうならないように、俺らで合図を決めといて集まれるようにしといた方が良いだろ。」

「それに、救助された後試験に戻れるかは明言されていなかったので、信号弾=事実上のリタイアと言う認識でいたほうが良さそうですね。」


これまでの評価の仕方なら、素直に信号弾を使ってリタイアでも問題なかったのだろうが、今回は恐らくチーム毎に成績が付けられるので、この試験の点数が来年のクラスに大きく影響するものだと考えると、それ以外の方法を考えておく必要があると言う意見も理解できる。


しかし、だからと言って信号弾以外に使えそうな方法があるかと聞かれると、なかなかそれに変わる案が出てこない。

私も何か魔法を使わずにお互いの場所を共有する方法は無いかと考えていると、ふと自分の腕にあるものを見て、あることを思い出す。


「ねぇ、確か校外学習って魔道具の持ち込みは禁止されてなかったわよね。」

「う、うん。自分は持っていくつもりだし、大丈夫な筈だよ。」

「なんだ、何かあるのか。」

「これならそんなに魔力必要ないし、使えたりしないかなって。」

「何これ。コンパス?」


私が質問すると、すぐにカツミが答えてくれ、リュウレンが続きを促すので、私は腕を持ち上げ、手首に巻いてる物を皆に見えやすくする。

それを見ると、サヤカが不思議そうにこの魔道具の事を尋ねてくる。


「確かに腕に着けたら楽に見れるけど、それぐらいは皆持ってるんじゃないの?」

「と言うか、今ボク達はどうやって合流するか話し合っていた筈では?」

「そうね、これもある意味コンパスみたいなものだけど、指すものが違うのよね。」


フレアもそれを見て方位磁針だと勘違いし、ワタリは何故今更そんなものを?と問い掛けてくるので、私はこの魔道具が、決まった方角ではなく、登録した魔力を検知して、その方向を指し示す物だと言うことを説明する。


「へぇ、凄いじゃないか。そんな魔道具があったなんて知らなかったな。」

「そ、それじゃあ、皆がそれを付ければ問題解決では?」

「うーん、そうできたら良かったんだけど、これはまだ試作段階で私と先輩しか持ってないのよね。」

「なんと、学園生の発明品なんですか。…良ければ後で、その先輩に会わせて貰えませんか?」

「おい、そんな事どうでも良いだろ。それよりも、結局それが人数分無いなら他の方法を考えねえとダメじゃねえか。」


するとそれを聞くなり、彼は目を輝かせて私の腕を取り、しげしげと魔道具を見たかと思えば、製作者に会わせてくれとお願いをしてくる。

その反応に少し私やスイネグ先輩と似たようなものを感じるが、返事をする前にリュウレンが間に入り、本題から話がずれるのを阻止する。


「あぁ、ごめんなさい。それで、話の続きね。この魔道具は1個しか持っていけないんだけど、これを反応させる魔石があるから、信号弾の変わりに使えたりしないかなって思ったんだけど…どうかな?」

「魔法が使えなくても良いの?」

「そうね。魔石は後で持ってくるけど、魔力を流せばこの針が少しの間反応してくれるわ。」

「へー、めっちゃ便利だね☆」


まだ試作段階と言うこともあり、魔力を流しすぎると魔石が砕けてしまうこと、魔石が砕けた時に魔道具の方角が分かるようにしてあることを説明すると、思ってたよりも皆の反応が良く、他に代案も浮かばないので、はぐれた時はとりあえず、信号弾を撃たずにまずは魔道具の持ち主、つまりは私の所へ合流するのを目指すことに決定した。


「ただ、魔石の方もあまり数は用意出来ないから、渡した分が全部砕けたなら信号弾でも良いわよね?」

「そうですね、捜索に時間を掛けすぎても依頼が達成出来なくなってしまうかも知れませんし、信号弾が上がれば自分達の班かそれ以外が脱落したかは分かりますからね。」

「それじゃあ、森ではレアっちが迷子にならないように真ん中に居て貰った方が良いかな?☆」

「あぁ、そうか。隊列の並び順も考えないといけませんね。」


そうして、1つの事が決定する度に私達は、次の相談を始め少しずつ試験への準備を整えていくのだった。

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