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オルタナ外伝ーアルトレア物語ー  作者: 絃芽こう
1学年 新しい学校生活

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22 決意

アリアス大陸=アルトレアの出身地-魔素が豊富

ベネウッド大陸=学校のある大陸-魔素はアリアスの半分ほど

「す、スイネグさん!?いつの間に来ていたんですか。まさか、今の話も聞いて…。」


私が扉の音にびっくりして後ろを向くと、そこにはスイネグさんが立っていた。


「なかなか来ないと思ってたけど、盗み聞きしてたの?」

「いや、ちょうど今到着したところだ。」

「そうよね。貴方はそんなことするぐらいなら、とっくに部屋に入ってきてるものね。」


スイネグさんは、教室に来るのに時間がかかった割には、手ぶらで何も荷物を持っていなかった。


「時間を無駄にしたくないからな。そっちの話が終わってるなら、さっさと今日の本題に入らせてもらうぞ。」

「話は終わってるようなものですけど、今から何をするんですか?」

「はぁ、サクから聞いてなかったのか?魔法について色々教えてやれって言われてるんだが。」

「あんまりツンツンした言い方しちゃダメよ?あーちゃん、此方へいらっしゃい。」


私が彼の言葉に軽く反抗心を覚えていると、セイラ先輩が彼を窘め、私を教卓の前の席に案内する。




「お前は魔素と魔力についてはサクから聞いてるな。」

「魔素は魔法を使うときの力の媒体みたいなもので、魔力は、体の中にある魔素みたいなものだと。」

「では、その2つの違いをどのように理解している。」

「私たちの大陸では魔素を、こっちの大陸では魔力で魔法を発動しているとサク先輩からは聞きました。」


「なるほどな、少し勘違いしている部分があるが、サクが進めてくるだけはあってそれなりの理解力はあるようだな。」

「勘違い…ですか。」

「ふむ、どこから話すのが分かりやすいか…。」


どうやら私の認識とサク先輩から聞いたこととは少し違うようで、スイネグさんがどのように教えるか考え始める。


「お前は確かアリアス大陸出身だったな。それなら魔素の方から説明した方が分かりやすいか。」

「よ、よろしくおねがいします…。」

「まぁ、最終的には魔素と魔力、どちらの扱い方も覚えてもらうことになるとは思うが…。」

「あら、そうなの?教える方も、教わる方も結構大変そうだけど…。」

「当然だ。サクがゴリ押ししてきたんだから、俺の研究に役立って貰わなければ。もっとも、これはとても一朝一夕で出来るものではないがな。」


スイネグさんはそう言うと、私を試すような表情で此方を見てくる。


「先輩方が時間をかけてきたものですから、教えてもらってすぐに出来るようになるものだとは、私も思っていません。」

「ほぅ?この研究を手伝う奴が欲しいと思ってはいたが、お前は大人しく俺の言うことを聞けるのか?」

「強くなるためだったら何だって聞いてあげるわ。」

「あーちゃん、あんまり簡単にそう言うこと言っちゃダメよ?特にスイネグは、加減ってものを知らないんだから。」


私はセイラ先輩の言葉で、他の人がどんなお手伝いをしてきたか気になったが、それ聞く前にスイネグさんから選択を突き付けられる。


「俺はやる気の無い奴に構ってやれるほど暇じゃないんだ。俺の助手になるのかならないのからここで決めろ。」

「別に、奴隷になれってことでは無いんですよね。」

「あーちゃん、よく考えて慎重に答えてね。良くも悪くもここでの選択が、この学校での生活に大きく関わって来ることになると思うから。」


セイラ先輩は、今すぐ答えを出さなくて良いと言ってくれるが、2人とも、サク先輩の時と違って私に強制するつもりは無いらしく、選択が私に委ねられる。


「私は今よりももっと強くなりたいんです。貴方に着いていけば、1人で出来る限界の先を見られますか?」

「さあな、俺はただ知識と技術を与えるだけだ。それで強くなれるかは本人の意思と努力次第だろ。」

「周りの人達に置いていかれそうってなっちゃうかもしれないけど、焦らずに1歩ずつ進める?」


私の言葉にスイネグさんは素っ気なく、セイラ先輩は確認するように聞き返す。


「俺に着いてくるとなれば、お前が来年Sクラスに上がることはないのは確実だ。」

「確実…ですか…。」

「ああ。もっとも、今のままでも上がる可能性は低いがな。ただ、お前の友人はサクが面倒を見ているんだ。恐らく来年はSクラスに上がるだろうな。」

「もう、そんな風に言って…。あーちゃん、スイネグこう言ってるけど、貴女はまだ1年生なんだし、無理に今決める必要もないわ。」


セイラ先輩は私を心配してか、今すぐに決めずにある程度スイネグさんから教わってからでも良いと言ってくれる。


だが、私の答えは決まっていた。

私が欲しいと思っていたものが目の前に用意されていて、願いを叶えるためには時間がかると分かっているのならば、迷っている時間一分一秒が無駄だ。


「Sクラスに上がれなくても構いません。私にもっともっと、魔法の事を教えてください。」


そう言って私は2人に頭を下げるのだった。

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