コント:『炎上屋さん』
B=ボケ
T=ツッコミ
舞台はBの家。玄関前にTが立っている。
♪ピンポーン(チャイムの音)
B「はーい」
T「どうも、『あなたの町の炎上屋さん』です!
お宅のブログが炎上しているとの通報があり、ご訪問しました。」
B「ええ!? うちのブログですか?」
T「すぐ終わりますんで、ちょっと見せてもらえますか?」
B「そんなこと言って、流行りの燃える燃える詐欺じゃないですか?」
T「いえいえ、とんでもない! 誓って、詐欺などでは! なんでしたら、一部始終をドライブレコーダーで録画しながら作業しますので!」
B「ドラレコなら、思わぬ映像も撮れてて安心ですね。わかりました、そこまで言うなら、お願いします。」
ガチャ(家に上がる)
T「こちらのタブレット端末ですか?」
B「いえ、それはそう見せかけた薬入れです。」
T「タブレット違いですね!
では、こちらのパソコンでよろしいですか?」
B「いえ、そちらも収納です。
パーソナルキャビネットです。」
T「ううん、PC違い!
お客さん、収納お上手ですね。
では、お手持ちのスマートフォンをお借りしても……?」
B「これはスマートポシェットなので、家の鍵が入ってます。」
T「お客さん、お客さん。ブログが見れる、電化製品を出してもらえますか?」
B「なら、これです。
Heyボイジャー、ブログを出して!」
(スクリーンにブログ画面が映し出される)
T「おや、これは…なかなか!
吉原炎上クラスか、いや、金閣寺炎上か……!
お客さん、これ、ボヤかと思いきや、ガッツリ燃えてますよ。
外部犯のしわざですね。」
B「そんな、私の美しさに嫉妬したからって、何も炎上しなくても。ネタは何ですか?」
T「軽減税率がわかりづらい、いっそゼロパーセントへ戻せ! って書いたのが、火種みたいです。」
B「うかうかブログにグチも書けないですね。」
T「どうします? ここまで燃えてますと、おとなりさんにも影響が出ますね。」
B「ええ?! おとなりさんに。それは困りますね。いつも消費税反対のネタで盛り上がる、いい人ですから。」
T「んん?? お客さん、つかぬ事をお伺いしますが、マッチポンプって聞いたことは……?」
ボイジャー「ヨクワカリマセン」
B「よくわかりません。」
T「ボイジャー喋った! ええとですね、マッチポンプというのは……」
♪ピンポーン
B「あっ、はーい。ちょっと出ますね。
あっ、おとなりさんです。
こんにちは、ええ、増税反対、消費税をゼロに(爆笑)」
T「めちゃめちゃ盛り上がってる! それにしても、ブログの件といい、おとなりさん、タイミングがやけに……。」
(ボイジャーを見て)
T「ま・さ・か……!」
ボイジャー「ソノトオリデス。ヨクワカリマセン。モエロモエロ、ホノオヨモエロ。」
B「あっ、お待たせしました。いやぁ、おとなりさん面白くて。で、ブログの件、このままでいいですよ。」
T「このままで? え、こんなにガッツリ燃えてて、おとなりさんにも影響が出ますよ?」
B「あっ、おとなりさん、なんか計算通りなんで、全然気にしないでって言ってました。その内消えますからって。」
T「マッチポンプ……!!」
B「すみません、せっかく来てもらって。また、何かあればお願いしますね。」
T「……はい、わかりました。それでは、また。どうも、『あなたの町の炎上屋さん』でした。」
ボイジャー「アナタノマチノエンジョウヤサン、ソレハ、オトナリサン♪」
(了)