ニリュ編 娘
ハゼは薄暗い牢屋に閉じ込められていた。目を開けると薄い光がハゼの身体を包んでいた。そして、その隣にはニリュがいた。
「てめぇ、よくも騙したな」
「静かに」
怒ろうとした瞬間ニリュに制止される。
「あなたは明日死刑という立場にあります。そこで、提案があります」
一呼吸おいてニリュはこう告げた。
「脱獄したいですか?」
ハゼはどうしたらいいかを思案した。しかし、まだハゼには怒りが残っていて、冷静にはなれていなかった。
「まず一つ聞くが、おまえノズベールって呼ばれていたが、それはなんだ?」
「それは私の本名です。あの少将ノズールが、そう、私の父がつけた忌ま忌ましい名前です」
「じゃあ俺を騙したって事だな、だったら容赦しないぞ」
「待って下さい。実は私はあなたに頼みがあります」
「・・・」
「父ノズールを倒して下さい」
その言葉にハゼは驚愕した。
「どういう事だ?」
「父は今、サウスクラウン神殿において、ひそかにある作戦をたてています。それは近隣都市侵略作戦です」
「なんだそれは?」
「隣のアトラスという町を占領しようとしているのです」
少しの静寂があたりを包む。
続けてニリュ改めノズベールが話を切り出す。
「ダンはノズールの近くに捕まっています。早く助けないと」
「あぁ、全部倒せばいいんだろ」
そしてハゼとニリュは牢屋を駆け出した。
道中向かってくる敵は風の力で倒した。
しばらくして元の場所、ようするに入口へ戻ってきた。そこではダンとノズールが戦っていた。ノズールは部下5人とともにダンを攻撃して、そして、たった今ダンはノズールの目の前で倒れた。