攻撃も補助も紙一重
午前中にイーさんの柴刈りを手伝い。
お昼を迎えた。
シ「ごめんください。」
ヨ「ああ、君か、こちらに来なさい。」
案内されたのは家具も何もない部屋。
ヨ「ここは私が魔法の練習する為の部屋。魔法は攻撃寄りと補助寄りの2つと言ったね。攻撃寄りだと外の開けたとこがいいが補助寄りはどこか部屋の中が良い。
理由は2つ。
1、物を損傷させたりする危険がない魔法を使って練習が出来る。
2、そして精神力は研ぎ澄ますことで上がる。閉鎖された空間のほうが精神を統一しやすい。
まず、魔法を使うには属性の特徴を捉え、そのもの自体をイメージする。これが難しい、火が燃えているところではなく。火そのもの。松明に灯ってるのでもなく火事で燃え広がっているのでもない。ひとつ助け舟をだすならば陽炎のようなもやもやとしたところで本質を見る感覚だろうか。それが出来るようになったらやっとイメージを形にしていく。イメージを練り上げ火をつくりあげる。
そうだな、君はこの苗を昨日みたいに枯らすのを目標としてやってみようか。」
苗を渡される。
早速、毒のイメージをつくろうとする。が、毒ってなんだ。ハチとか蛇とかあるのはわかる。わかるが見たことあってもどんなのかわからない。
火にも水にも土にも触れたことはある。静電気程度ならよくあるし身体には微量ながらも電気が走っている。
ただ、毒はわからない。
悶々としながら時間ばかりが過ぎていく。
心なしか苗もホッとしているようだ。
ヨ「最初からうまくできる人なんていない。意識していればそのうち出来るようになる。イメージするだけなら日常でできる。あとは形にするのにいくつかサンプルに触れてみるといいだろう。蜂や蛇だけではない。キノコや草等の植物系にも数多くある。
魔法はイマジネーションが大事だ。自分の中のイメージをいかにリアルにし、安定させるか。だから、精神力が高いほうが、そこの状況に流されにくいから安定しやすく強い。ただあの数値も問題がある。あれは1面から見た強さに過ぎない。気温が高くても湿度が低ければ涼しく、逆なら蒸し暑く感じるように、必ずしもひとつのモノサシでは測れないものがある。だから何より大事なことはイマジネーションを広げて魔法に幅を持たせること、火や水、土には先人の知恵があるが毒はない。そうすれば例え補助寄りでも一線をはれるようになるかもしれない。
話がそれてしまったが、要は魔法は術者のイメージがしっかりとしているかできまるのだ。だから今は出来なくとも、
基礎トレーニングを毎日やるといい。
私はこれから用事がある。
今日は、ここを5時まで使っていいから、その後は勝手に帰ってくれ
そこら辺の雑草を枯らせるようになったら、また来なさい。」
そういうとヨヂは、家の奥へと消えていった。
あっという間に5時となったが、進歩している気がしない。
イメージをつくりあげるのにもっといろいろと知る必要があるような気がする。
幸いイーさんとの柴刈りは、山の中のこともあり毒に触れる機会がある。せっかくだから活用させてもらおう。
この地味な魔法をデカい火の玉にする為に。
魔法についてヨヂさんが説明してくれました。