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スライムのほうがかわいい。

「いらっしゃ~~い。何を~お求めですかぁ~。」

 間延びした声が聞こえる。


ケ「魔物用トラバサミってありますか。」

「あるよ~。大中小あるけどどれがいい。」

ケ「タレメドッグに使うので中を5つほどください。」

「毎度あり~。でも最近のタレメドッグは学習してきてるからあまり引っかからないけどいいのかい?」

ケ「いいんです。おいくらですか?」

「1個150Pだから750Pだね。」

ケ「ではこれで。」

 ギルドカードを出す。

「はいよ~。カードは便利だね~。」

 ピッと音がして会計が終わる。

 でも、スライムのほうが可愛い。スライムがいいと思ってしまった。



ケ「はい、これあげる!

 使ってみて!」

シ「でも、タレメドッグって引っかからなくなってるんじゃ……。ましてや部屋の中で丸見えで引っかかる奴なんていないよ。」

ケ「だから、シュラの魔法を使うんだよ。シュラの幻覚を見せてトラバサミに飛びつかせる。罠なら攻撃力関係なくなるからちゃんとダメージ入るし、タレメドッグ程度なら中1つでダウンさせられるよ。」

シ「なるほど、問題は幻覚をコントロールすることか。でもどんな幻覚を見せれるか把握出来てないのだけれど。」

ケ「うちが居るじゃん。実験台になってあげるよ!

 楽しそうだし。うちの推測だと術者本人のイメージを送り込むと思うんだよね。他の魔法も術者の精神状態に影響するし。」

シ「わかった。ミミズツキをイメージして幻覚を生み出させるね。」

 そう言ってシュラは、ケレソニアに魔法をかけようと手を伸ばす。

 そして、気がつく。目の前の綺麗な女性に今から自分から触れることに。

 残念ながら、これまで女性に触れる機会などほぼ無く、ましてや綺麗な女性になど、天地がひっくり返たとしてもなかった。


 そして……触れる。

シ「マカドシワス!」




ケ「……ねぇ、なんで目の前にうちがいるのよ、ミミズツキ出すって言ってたよね。しかも、服がちょっとはだけてるし!

 なんなの!

 変態なの!?

 童貞なの!?」


 綺麗な女性から言われる罵声は褒め言葉だっ……。なんでもない。

シ「あ、その!

 ごめんなさい、緊張しちゃって、イメージがブレてしまいました。でも、やっぱりケレソニアさんの言った通り術者のイメージがそのまま伝わってしまうみたいですね。」


 次は、ちゃんとミミズツキ出しますので、幻覚が消えたら教えてください。


ケ「うん、消えたよ。次こそちゃんと出してよね。」


ミミズツキのイメージを崩さないようにして手を触れる。

シ「マカドシワス。」


ケ「すごいすごい!

 やれば出来るじゃん。ちゃんとミミズツキが出てきたよ。飛びかかってくるけど幻覚だってわかってるからすり抜けちゃうね。幻覚ってわかってなかったらきっと痛いって思ってしまうんだろうなー。

 次はさ、ミミズツキの数増やしていこうよ!

 いっぺんにどれだけの幻覚見せれるのか知りたくない?」


シ「わかった。ミミズツキが大量にいるイメージね。マカドシワス。」

ケ「なにもいないんだけど、ちゃんとイメージしたの?

 もしかして大雑把にイメージした?

 1匹1匹をちゃんとイメージしてあげなきゃダメなんじゃないかな。なら次は1匹ずつ増やしていこうよ。」


シ「んじゃ2匹出すね。」

手を触れる。

ケ「お!

 2匹出てきたよ!

 やっぱり数が増えるだけで少し身構えるから効果ありそうだね。次は3匹いこっか。」


 手を触れる。3匹目。手を触れる。4。手を触れる。5……。

ケ「さすがに同時に5匹は無理だったかー。まあ、それだけ出来れば戦闘でも使えるかもね。最後にもう1回、5匹やってみようか。」

シ「マカドシワス。」


 シュラの魔法と同時に、ケレソニアが意識を失って後ろに倒れる。慌てて抱えると、彼女は、苦痛の表情を浮かべ、ブツブツと呟いている。


ケ「置いて行かないで、ダメ!

 閉めないで! ママ、お願い。私を1人にしないで。

 行かないで。行かないで。ママ……。」





おそめの更新になりました。

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