座りすぎるとお尻が痛いです。
「君ー、どうしたの?君だよ、君、君!そんなところでうずくまってどうしたー?
お腹痛くなっちゃった?
足挫いちゃった?
頭が痛くなっちゃった?」
シ「……うるさい。関わらないで。」
「そんなこと言っても、日も落ちちゃうし、ここにずっといたら危ないよ。」
顔をあげて見ると、そこには黒のセミロングに白いトレーナー、淡い黄色のロングスカートを着た女性がいた。
綺麗だと思ったがすぐに顔を伏せる。
シ「もう、いいんだ。
少し充実した時間を過ごしただけで、変われたような気がしてた。
なんでも出来るような気がしてた。
充実した時間を作ってくれていただけなのに。それに気づかず甘んじて。
根本は、なにも変わってなかった。私は、ずっと弱いままだった。何も出来ないままだった。
確かに、今までしたこと無かった経験が出来たかもしれない。だけど、けっきょくは、人前に立つと何も出来なくなる。
弱い自分には、負け犬らしい生き方がお似合いさ。
だから、もう、いいんだ。」
「なーんだ、そんなことで悩んでたんだ。
1度や2度失敗したくらいでグチグチと悩んでさ。
ずっとうずくまってるから、てっきり大事な人でも無くしたのかと思っちゃったよ。
うちなんて、失敗ばっかりだよ?
相談くらいのってあげるからさっ。ほら!立ちなよ。」
シ「あんたに、何がわかるんだ。
なんも知らないくせに。
大事な人だって無くした。無くしたのに、自分は、大事な人の為に頑張れなかった。
無力なんだ。負け犬なんだ。あんたには、わかりっこない。」
「人間ってね、失敗する生き物なんだよ。
でも、その失敗を繰り返す前に次はしないようにすることができる生き物なんだよ。
他の動物だって失敗に罰を与えて何度も何度も挑戦させれば正しい判断をするようになる。
でも、それじゃ遅いのわかるよね。
君が無くした大事な人も、次に生かしてくれれば、きっと喜んでくれるよ。
立ち止まったままの君を見ている方がきっと悲しむよ。
うちだってよく失敗する。
事の大小はあるけれども。
今日の気分はこの服だったけど、向かう先を考えたら違ったなとか。
靴は右から履きたかったのに急いでたから、左からになっちゃったなとか。
今、ちっちゃい悩み事って思った?
でもね、人によって悩みごとの大きさなんてそれぞれなんだよ。
君がさっき、なにもわからないくせにって言ったけど、もし、ちっちゃい悩みだと思ったなら、うちにとっての悩みなんかわかりっこないよね。
みんな人の悩みなんかわかりっこないんだよ。
でもね、少しでも共感しようとすることが大事なんだよ。
同情でもなく、哀れみでもなく。
共感だよ。
上から見るのでも下からへりくだるのでもなくて、同じ立ち位置に立とうとするの。
だからさ、立って、相談して。
うちを一緒のところに立たせてくれないかな。」
なんだ、この人、人のプライベートゾーンにズケズケと入ってくる。
だけど、なんでかわからないけれど、悪い気はしない。
どうせ、なにもすることが無いのだし、親切心を無駄にしないよう少し話してみようかと思う。
シ「それで、どうしたいの?」
「とりあえず、ここにいると危ないからさ近くのレストランにでもいこっか。」
シ「Pほとんど持ってないんですけど。」
「大丈夫大丈夫! うちが払うからさ!
ほら、いこ?」
ご飯にありつけるのはありがたい。
考えてみれば昼からなにも食べていなかった。
「自己紹介がまだだったね。うちの名前は……、ケレソニア。新しいこととか冒険が大好きで、いっつも楽しそうって思ったらすぐに行動しちゃってるんだけど、それでよく怒られちゃうんだよねー。
君は、なんて言うの?」
シ「シュラ。もう、会うことはないだろうから覚えなくていいよ。」
ケ「え、なんで会えないの?
ここらへんに住んでる訳じゃないの?」
シ「もと居た村が魔物に襲われてね。こっちに逃げてきたから住む場所もないし、職を探そうとしてもそもそもここの情報が集まらないし、ここを出てどこか生活できそうな村を探そうと思ってる。」
ケ「それならさ、手伝ってよ。」
シ「え?」
ケ「外に冒険しに行きたいんだけど、一緒にしてくれる人が見つからなくて、シュラもクエスト受けてクリアして報酬貰えれば収入になるし生活して行けるよね!
だからさ、手伝ってよ。」
シ「でも、私は、強くないよ。魔物にダメージ与えることすら出来ないし。」
ク「いいのいいの、ギルドってとこでクエストさえ受けてきてくれれば、クエスト許可証が発行されて、それがあれば自由に街の外に出れるから。うちはこう見えても小さい頃からけっこう武術の稽古してきてるんだよね。
何度か外で実戦もしてるんだけど、女の子ひとりで外に出るのは危ないって止められちゃうからさ。だから、お願いっ!
引き受けてくれるなら、しばらく生活出来るよう手伝うからさ!」
さすがに、女性に戦わせて危険を負わせるのはダメだろう。とりあえずステータスを見て、低いことを伝えて諦めて貰うしかない。私の基準でしかないが素早さが35を超えれば、小型の魔物が飛びかかってくるのを目視すれば避けられるから、それ以下だと厳しいことを伝えよう。どうせ、女性だしオバァ程度だろうから。
シ「わ、わかった。よろしくお願いします。」
握手を求める。
ケ「ありがとー!
近くの宿取っておくから今日からそこに泊まってね。これからよろしく!」
来たっ。
ステータス!
種族 ヒト
攻撃力 210
守備力 145
精神力 123
素早さ 182
運 255
バッドステータス なし
?????????へ??
えっ?えっ?
いやいやいやいや!!(笑)
人は見かけによらないって聞くけどここそのタイミングじゃないよね。
私の何人分なの。いや、とりあえずそこらの魔物には負けなそうだけど、あのデカいウッドハウスより強いって。冗談も大概にしてくれ。
てか、こんな強い人から逃げれる気がしないんですけど。赤子の手をひねるように殺られる。もういい。あとは野となれ山となれだ。明日、クエスト受けに行ってやる。
私も素敵な女性に拾われたいです。




