花咲く調べに
不定期更新にて、失礼します。
説明回です。後、切りがイイとこで、切ったので、短いです。すみません。
では。
7/12 加筆修正
さて、一旦【本性】に戻るか。
流石に、一人きりとは言え、『裸族』になったつもりはない。
もちろんこの後、『娘』として人前に出る時は、ちゃんと【浄炎】製の服を着るつもりだ。
(デザインはお察しだが、まあ何とか頑張ってみるさ。)
小説なら、ここで主人公が”何故か持っていた【皮革製品製作スキル】!”でどうにかするかもしれないが、あいにく私は、ファッションセンスのなさでは”定評”があった、オッサンなのだ。もちろん、一人暮らしをしていたから、一通りはできる、いや、「何とか形になる?エッ!ならない?」くらいだろうか。
(家内にも言われてましたし、「えっ!そんなのが良いの?」って)
そんな私は【本性】に戻りつつも、今も目の前で舞っているナニカを見つめる。
(なんだろうなこれ?)
考えてみても、何も浮かばないと云うことは……………………
(【神獣の知識】にも入っていないのか?)
取りあえずは害もない様なので「放っておいても良い」のかな?そう思いつつも、✿に誘われ洞窟の中に作った”定位置”に行くと
……………………何やら、見慣れぬものがある?いや居る。
形は三角錐に腕の様なものが生えているようだ。左右が対象で無いものもいる。
顔と呼べるのか?目と口の部分に、穴がある。
然う、三角錐の埴輪みたいなものだ。
空を舞っている(こちらは”クリオネ”の様な形をした)ものと同様に、特に『何かをしかけてくる』ような感じはしない。
よく見れば、と云うよりも『よく見なければ』見つからない、そんな印象を受ける。
「これは何なのか?」
こんなにも”身近”にいるのに「【神獣の知識】に何も記されていない」と云うことがあるのか?
今も目の前にいる彼らを見ながら、ふと思った。
「態々記す必要のないモノとは、何か?」
答えは簡単だ。
”水、空気、土、火”など、環境”そのもの”じゃないか。
恐らく彼らは”【精霊】と呼ばれるもの”ではなかろうか。
この世界には魔素があり、それを扱う術もある。なら、『独自』の環境が「生まれていても良い」のではないか。かなり強引だと自分でも思うが、”虎”の頭では、ここら辺りが精いっぱいだ。
少し前まで、何も考えずに【浄炎】を使っていた。
が
(ひょっとすると、これは…………………)
ちょっと思いついた私は、早速【浄炎】を出すと、『石』と念じた。
…………………すると、やおら先程の”三角埴輪”たちが、【浄炎】のもとに集まると、一斉に手を伸ばした。そして、【浄炎】に触れた途端、【浄炎】は『石』になって地面に転がった。
「まさか、こんな事になっているとは!」
よく目を凝らさなければ分からない、と云うことは、このことに気付いている人は『ほとんどいない』のではないだろうか。
いや、それも仕方ないか。第一【神気】なんて、私以外に使える人はいないのだし、どの道、教えることもないだろう。
それと、今は『石』と云う単純なもので試したけれど、『服』などと云う複雑なものになれば、何が何やら、さっぱりだ。
(見ても「きっと理解できない」んじゃないかな。)
あれ?じゃあ何で、”三角埴輪”は”定位置”にいた?これって……………私の✿!
(そうなのか?でも、さっきの事を考えると…………………)
然うだ、恐らく彼らは『運んで』いるのだ。何処へかは分からないが、そう思うと何となく、納得した。実際に運ぶのか、そうでないのか。そこはあまり関係ないだろう。
要は、「彼らが魔素に係わっている」
そう言う事だろう。
私、と云うものがこの世界に、どれ程の影響力を持つのか知らない。
が、『自分の存在をこれほど”明確に”示された世界』とは、なんだろうな。
そんな事を考えて
「私は外へと歩み出した。」
いつもありがとうございます。
作者の力不足の為、遅い展開で申し訳ありません。
7/12 修正しました。今後の展開に配慮しています。