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つまり 私が異世界電池 / 神獣と私と異世界と  作者: 弦紐 かえる
神気増槽
24/24

つまり 古城探索  2

2話目です。


2/2

 今私がいるのは、城壁の中にある、船着き場だ。

この城は元々、船を使って出入りしていたようだ。


 恐らく往時には、対岸に町があり、往復するための船(と云うより、足場と云った方が良いか?)があって、城下も栄えていた気がする。

その証拠に、先程の桟橋以外にも、もっと大きな桟橋の”跡”があった。


寄る年波に勝てなかったのか?誰かが”わざと”落としたのか知らないが。


 そんな”玄関口”には当然、上り口があり、そこを抜けると広い前庭に出た。見上げれば、月光に煙る、古の城。

何とも、雰囲気満点である。もっとも、私はこういうものが、怖いと思ったことは無い。何時頃からか、待ち遠しくなったのは………あれは……もうずっと昔の、夢のように感じる。

亡くした『大事な人に会える?』なんて………………。







 はてさて、そんな雰囲気に流されることなく、慎重に進んでゆくと…………


そこには”池”があった。いや、屋外であれば私も、驚かなかったが、まさかの室内(プール?)である。池と言ったのは、丁度、プールで言えば、飛び込み台のある位置に”葦”の様なものが生え、そこから水辺が始まっている。それを見下ろすここからは、石段が水面へと続いていて、さてその先は?と慎重に下りてゆくが




ズァッバァァァ~ッ!黒い水面を割って、何やら黒い影が飛び出し




咄嗟に下がろうとして、ぬかるんだ石段に足を取られた、私を



バクリッ!と咥えた。私の股間(・・)から……………………




「ぎぃぃぃいゃ嗚呼あぁぁ―――ッ!!」







………✿✿✿漏らした




そして、ポカポカと、その大きな頭を叩く私。


なぜ、爪を立てないか?こいつ、さっきから、咬まずに只管、……………………………私を舐めて(・・・)いるのだ。



(なんだ?この『山椒魚』は?)



しばらくすると、(やっと!)満足したのか、解放してくれた。そこで、こいつに文句を言ってやろうとしたら




「きゃぁ~♡きゃぁぁ~~♡」というかわいい声と共に



(今度は何ッ!)




何かが突然、私にぶつかる様に抱き着いて来たッ!


否!首筋を噛みつかれたっ!



(ぎゃあぁああ――)


一瞬、振りほどこうとするも、咬まれた(・・・・)はずの痛みが一向に、来ない。「これはなんだ?」と思っていると、さらに




「まぁまあ~、どのような御方がいらっしゃたのかと、思えば、この様な”愛らしい”方だったなんて♡」


そう言いながら、妖艶な美少女(?)が現れた。えっ!と驚いていると



「ッンパ、ふぅう~ッ」と先程のナニカが口を離した。



はっ!として、すぐそれを引き離して見ると


『びちっ、びちっ、びちっ』と”下半身”をうねらせていた。






(……………………………………ッ!!!)声もなく、叫んだッ!



(な、何だこの生き物はっ!)



 そう思い、改めて見ると、それは、下半身こそ、ナメクジの様であるが、上半身は”愛らしい”幼女であった。

ただ、その瞳は形こそ”人”のそれだけど、白目もなく、只、『桃色の輝石を敷き詰めた』かの様だった。髪はピンク、下半身もややピンクっぽい。口元には小さな牙が覗いている。




「驚かせてしまって、申し訳ありませんわ。ですが、そろそろ”娘”を返して頂いて、よろしいかしら?」


そう、先程の女性(少女?)が言うので、素直に渡すと


「良かったわね『ロヴィッサ』♡こんなに頂いて♡」


と娘(?)に話しかけていた。


「あなた達は、何者ですかッ?それにさっきの”魔獣”は、いったい…?」そう問いかけようとしたら


「あらっ?魔獣とは失礼ね。これでも”妖精”の端くれのつもりよ。」と声がした。



 声の主は?と見れば、目の前の美少女とはまた違った、艶やかな女性がいた。

先程の少女は、深紅の髪に、『ガーネット』のような瞳、真っ赤なドレスとも相まって

『妖艶な紅』を想起させる。

が、こちらは黒に近い藍色の髪、『黒曜石』の如き瞳、群青色のドレスと

『引き込まれそうなドーンパープル』を思わせた。その女性がさらに



「どうしたのかしら?自分だけが”『人化』出来ると思ってました”って顔してるわね?【神獣デュラーコ】さん♡」


「ナッ、何でそれを?それにあなた、さっき、私の…………………✿」


「あら、今代(こんだい)は鈍いのかしら?改めていうわね。先程はご馳走様♡私は水妖(サラマンダー)、つまり”水属性”の妖精ね。イヴォンヌよ。よろしくね。」


「えっ、えっと。はい、【神獣デュラーコ】のルゥナと云います。じゃなぁ~いっ!!!!(……✿)思い出させるナッ!」


「あらあら、まぁまぁ。仲間外れなんて、ひどいですわよ。(わたくし)はこの城の”元”城主、エレオノーラですわ。種族で言えば、女吸血鬼(ドラキュリーナ)になるのかしら。この娘も同じで、さっき言いましたわね、ロヴィッサですわ。娘共々、よろしくお願いいたしますわね、可愛い”お方”♡」


「さっきから、どういうことなのか?さっぱりなんですが、外の”魔獣”を呪ったり、冒険者の人たちを殺したのは、あなた達なんですか?」


「あらあら、ひどい仰り様ですわね。何時『殺した』などと申しまして?殺してませんわよ。」


「エッ?でも、行方不明になってるって……………………」


「それは、あの方たちが『勝手に目的を忘れて』別の町にでも、行ったんじゃありませんの?」


「エッ?何でそんな事に?」


「それは…………………その…………わ、………………ですのよ。」


「はッ?なんと?」「ですからッ!わたくし達が血や魔力を”頂く”時に、掛ける『魅了』が効き過ぎただけですわッ!お判りになってッ!」


「えっと、じゃあ、ここまで来た冒険者の皆さんは、何処か別の町に行ってしまったと?」


「恐らく、然うね。それに、外の魔獣、『水トカゲ』いえ今は『槍水竜(ガルディドラコン)』と呼ぶべきかしら(?)に呪いかけたのは、別のものよ。わたくし達もかけられている、いえ寧ろそこの”元城主”にこそ、掛けたというべきかしらね。」


「それは、一体?……………………………………」



「もう昔の事ですわ………………………………………………………………









そう言って、エレオノーラが語る”事実”とやらによれば


 彼女は、この辺り一帯を治める、領主の一人娘であったらしい。今でいう”魔人族(ディアボゥ)”も、その当時は数こそ少ないものの、”その国”では普通に一緒に暮らしていたという。今とは異なり、当時は、この辺りも含め、大きな”帝国”の一部だったそうだ。

 そして、帝国が滅ぶと、別の国が興り、それが今のこの辺りいったを治める、『ヴォトーク連邦』となり、ここも帝国西方州の総督府により、管理されることになったそうだ。ただ、本来は、領民の生活(種族が多岐にわたっていた等)を鑑み、元々の領主に治めさせるはずだったが、総督に収まった人物が、当時の領主、つまり、彼女の父親が魔人族、それも吸血鬼族だったことを嫌い、終には『呪い』を掛けることまで、してしまったそうだ。

 その”呪い”を掛けた人物もなくなり、はや百有余年、今では『呪い』の為に、この地を離れられず、ただ、己の能力を『暴走』させるだけの日々を過ごしていた、と謂う。


 今の”総督”がどういった理由で、この依頼を出したのか知らないが、今、私にできる事は



「あの、その『呪い』とは、どういうものなのですか?何となく、”呪った人物”がなくなれば、『呪い』も消えるような気がするのですが?」


「えぇ、普通はそのようですわね。でも、この「呪い』は”この場所()”に仕掛けて、我ら”魔素”を、『色濃く』身に宿すものを、狂わせるものですわ。」


「えっ!それでは、ここにいた魔獣も魔力の強い人物も、”皆等しく”能力を狂わせられたと?しかも、出られないッ?」


「えぇ、全く、どちらが『邪なる』ものだったのか。あぁ、いえ、ごめんなさい、つまらない事を……………………………………。」


「『呪い』の掛けられた場所が知りたいのね。案内してあげるわ、ついてらっしゃいな。」


「あぁはい。えっと、イヴォンヌさん、お願いします。」


「ちょっ、ちょっとお待ちなさいな。わたくしもご一緒に…………」

「きゃぁ~きゃはぁ~っ」








 結局、全員でこの『呪い』の発生する”礼拝堂”へとやって来た。

然う、礼拝堂だ。道々聞けば、『呪い』を掛けるのに、最も適した場所やモノがあるそうで、それが、『神を祀り、祈りを奉げる』所だと謂う。つまりここだ。


 そこは小さくはあるが、数十人の人が集まり、祈りを奉げる所であり、とても城内だとは、感じられなかった。高いところには小さいがステンドグラスもあり、嫋やかな女神様が”羅紗の様なもの”をまとっている姿は、正しく神々しくあるはず。それが、黒い、ぬめぬめした蔦の様なもので、締め上げられている。

 あの蔦が原因なのか、この部屋に入ってから、気持ち悪い。イヴォンヌたちを見れば、震えて跪き、何やら『黒い煙』みたいなものまで、体から出ている。


「あれを、何とかすればいいんだよね。」


「ど、どうか無理をなさらず…………………」

「わたくし達はこれまでも、何とか………してま………た…………」

「ぐぅっぎゅっぐぅぅ……………………………………」


「やるよ。こんなの許せるわけないじゃん!」



私は、着ていたものや装備を一旦、【浄炎】にしまうと同時、神気の焔を上げて【白虎(本性)】へ成った。

皆が驚き、目を見張るのも構わず、辺り一面に【浄炎】で『聖浄』の念を、叩きつけた。

本来は蒼白い炎がさらに白く輝き、金色(・・)の火の粉を散らし、見える所全てを覆い尽くす様は、この場所(礼拝堂)を、一層神々しく感じさせた。


その炎が”蔦”を焼き始めると、少しずつ体が楽になっていくのが、感じられる。ならばッ!と、更に燃え上がらせ蔦を取り除こうと、一層念を込めれば……………







「や、やりましたのね。」「おぉ、本当にこのようなことが……………」「うぅきゃぅっ♡」





終に『呪い』の蔦は消えたかに見えた……………………………………が



「いえ、まだです。このままでは、また『呪われて』しまう。他に何か、『呪い』を抑えるような……………………………………」


ふと、女神像が目に入った。何とはなしに触れてみると


『神気の承認。神気の範囲効果、設定しますか?Y/N』と文字が浮かんだ。すかさず、”Y”に猫パンチ!すると


『効果付与した神器を設置してください。設置完了?  Y/N』とでた。私は……………………………………










 今目の前には、片手をあげた女神像がある。もう片方の手は”大きな盾”を支えている。そう、『神遮の大盾(ピリファディボルカ)』だ。この大盾に出会ったのも、こうする為だったような、気さえしてくる。”効果”は、『聖浄』そして『解呪』だ。解呪、と云われても、最初は何だろう?と考えてしまったが、『あの厭な思い』をしないようにと思えば、簡単だった。誰もが持つ『邪まなモノへの忌避感』。それを『避けられるように』と気持ちを込めれば、良かったのだから。



さぁ帰ろうと、”娘”に化けると


「あぁ。貴女が来てくれて、本当によかったわ。このご恩は忘れません。ですから……………………………………」

「なんと、お礼を申し上げてよいのか。わたくし、一生、貴女様に……………………………………」

「あ、あぅ~。デラ~クォ しゃまぁ~~ッ♡」


などと云い、一斉に抱き着いてきた、いや、噛んだり、舐められたりした。


「アッぁ~。デュラーコ様、おいしいですぅ~」「あぁ~、あぁ~。タマリマセンワ。ずっと、ついて参ります。」「あぁぁう~。まんまぁ~~」


「いやぁ~ちょっ~~アッ、そこはッ……………………………」





それから、どれくらいたったのか?やっと、皆が落ち着き、私は解放された。色々減った、何が?とは聞かないでくれ。彼女たちは、一緒にいることを望んだが、私が(ルーニスの町に)戻ることを告げると、残念そうに見送ってくれた。もちろん、帰りには、あの”恐竜もどき”に会うのも忘れなかった。どう約束させようかと、悩んでいたが、会うと意外にも、従順で、どうやら、『呪い』の所為で気性が荒くなっていたのは、本当だったらしい。彼女(彼?)が言うには、これからは、この辺りで人が魔獣に襲われない様、気を配り、城への行き来や、沼地で事故が起きないよう、見張るそうだ。食べ物はどうするのか?と聞くと、この湖には魚が豊富で、魔獣もいるから、食べ物には困らないという。(まるで、パークレンジャー、いや”レイクレンジャー”か?)





こうして、収まるところに収められて、私の初依頼は完了した。




戦闘シーン、と云うか、1クエストですので、途中で切れるのは、無いだろう。と思ってたら、遅くなりました。申し訳ないです。不定期なので、こう云うこともあるかと、思いますが、よろしくお願いします。

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