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つまり 私が異世界電池 / 神獣と私と異世界と  作者: 弦紐 かえる
神気増槽
21/24

トラ面の保持者

少し間が開きました。もう少しコンスタントで行きたいです



 歩きながら、私は考えた、先程の”神気漏れ”について。

このままでは、私は”歩く芥子畑”とは言わないけれど、高位の魔獣、等から”妙に”、敬意を集めたり、精霊が、”何処に”行ってもついて来てたのが、全部”神気”の所為だったとか!恥ずかしすぎる。そのうち、何か対策した方が、良いよなぁ~。

 私が、”娘”に戻ると、部屋一杯の大気(エアラ)の精霊たちは、徐々に散っていった。(【本性】出してたら、いつの間にか集まってたんだよね)

ともかく”お披露目”なる、私の黒歴史は、こうして幕を閉じた。


 そして今、私は武具屋へ、向かっている。

大剣が傷んだ、と云っていたドリューについて来たのだ。『私には”爪”があるから』と言ったが、「どんな依頼も”それだけ”でこなせる(・・・・)つもりか?」とドリューが……。確かに、少々無理があるかも、と反省した次第。


 



 そうして、武具屋へとやって来ました!見れば、色んな武器が所狭しと、並んでいます!(なんかワクワクしてきます。うぉぉっ、大鎌もあるっ!)

 凄いですよね、これ全部、”現役”なのです。芸術品の”模造刀”でも、資料館にある”過去”の遺品でも、ないんです。その存在感が、ひしひしと伝わってきて、ちょっと感動(・・)しています。



「お~い!ガロン爺、居るかぁ~。」と、ドリュー。


「なんじゃァ~、そんなでかい声で叫ばんでも、聞こえようがぁ~。でぇ、なんじゃ?まぁた、面倒ごとかぁ?」そう言って、出てきたのは、何処かギルド長を思わせる、老いたドワーフであった。


 老いた(・・・)、と表現したが、決して老け込んでいるのではなく、顔こそ年相応(?)だが、その”はち切れんばかり”の肉体は、今も現役であることを物語っている。


「有無、息災で何より、そして我は、然ぉう難しい(・・・)ことを頼んだ覚えはないのだが。まぁ良い。まずはコレを見てほしい。」


彼女が背の大剣を、すらりと抜き、老鍛冶師にかざす……………………と


「馬鹿者っ!何を斬った?」(怒った!!)



見れば刃に”くっきり”と、”八本”の切り欠きがつき、さながら”ノコギリ”の様だ。


「いやぁ―(照れっ)久々に大物であった。」

「大物っ!じゃ~ぁあねぇ~ッ!!良いかッ!この剣が何で出来とるんか、お前さんが(・・・・・)知らんはずなかろうぅがっ!ええかッ。これはなぁ、わしが生涯で”恐らく一度きり”しか打てん、業物・・じゃぞッ!!!それをこうも………………………。無理じゃッ、帰れッ!」



(ヤバッ、咄嗟とは言え、やっちゃったの私だ。どうしよっ?)



「有無、分かっておるとも。そして、敢えて頼もう。わが家宝(・・)である、この”神殺しの大剣(バルショディシーダ)”をなおして欲しい。」


「何言っとるのか、分かっとるのか?これにはなぁ、”神気”がつかわれとるんじゃ。お前さんが一番分かっとろうが。」




(ナッ!)驚いたのは私だ。斬りつけられた時、もしやと思っていたが(こんなところに?)




「あのぉ~、ちょっといいですか?」



「おぅ、ってお前さん初めて見るの?なんじゃお嬢さん?」


「はい、ルゥナと云います、それでですね。その大剣は”神剣”なんですか?」


「はっはっはっ。面白いお嬢さんだ。知らんようだから、言うが”神剣”っちゅうのは、こんな”半端モノ”じゃあないんじゃ。分かっとるよ、お嬢さんの云いたいことも。確かに、これはわしの”一番”の出来じゃ。でものぅ、それでも、”本物”にゃ、届かんのじゃ。済まんのぅ。」


「あぁいえ。それでそのぉ~”神気”があれば、どうにかなるんですか?」


「ハハ。然うじゃ。じゃが”神気”が、どこにあるのか知っとるか?”神剣”じゃ。じゃがそれは、王宮の、奥深くじゃけぇ、ドウモならんっ。」


「ハハハ。気が利く”友”がいて、幸いじゃ。よろしく頼むぞ。”(子猫ちゃん)”よ。」


「うっ、ナ、ナニ言ってるんですか!私が原因ですし、手ぐらい貸します。」(思い出させるなっ)


「おい、何言っとるんじゃ?」


「あぁ、言うておらんかったな。こ奴が”神獣デュラーコ”じゃ。問題なかろう。」


「ナッ何ぃ――ッこのお嬢さんが、じゃと?じゃがそんな……………」


「有無、まぁ見てもらうしかあるまいの。」



「良いんですか?サーシャさん、怒りますよ。」

「有無、任せた。」


(~~~っ。)




 とまあ、色々あったが、私が【浄炎】を出した時の、ガロン爺の顔は忘れられない。

まあ、おかげで(?)「ガロン爺、……」「嬢ちゃん……」と呼び合えるように、なったのは収穫だ。


 それで、肝心の”修理”だが、修復用の”素材”に神気を馴染ませ、それを………というものだった。

最初は戸惑ったが、考えたら「、終端装置テルミナルと同じだ。」と気付いた。

後は簡単で、ささっと済ませた私は、工房の中を見回していた。



すると、”破損した”大盾の様なもの、を見つけた。


「ガロン爺、あの”破損した大盾”は何?」

壁に”奉るように”掲げてある、大盾を指して聞くと、こんなことを言った。



「有無、やはり”神獣デュラーコ”様じゃなぁ。ありゃ、”神盾”じゃ、更に言えば”神盾の残骸”じゃな。あそこまで逝く(・・)と流石に、このワシでもドオモならん。」


「そうなんですか。アレッ?でもお店の方に、似たような盾があったような?」


「ああ、ありゃ只の”魔盾”じゃ。模倣作じゃよ。一応、本物と同じ、”魔紋”を刻んどるがのぉ。」



 ガロン爺によると、『魔紋により』魔術を発動させられる武具、があるという。詳しい事はさっぱりだったが、要は魔力が小さくても、魔道具を『起動』出来さえすれば、”魔術を使える”武具との事。それさえあれば………、と思うが、聞けば、素材の『貴重さ』から始まって、制作過程の『煩雑さ』にまで至り、その難事は、”かかりっきり”でも年に(・・)数本打てれば、良い方だという、当然値段は跳ね上がる。そんな訳で、有るにはあるが、ほとんど『見かけない』らしい。


 さて”そんな”モノが目の前にある。なら



「ガロン爺、ちょっと、試してみて良いかな?」


「あぁ、構わんよ。無理せん、ようにのぉ。」


 早速、私は店先に戻ると、その”大盾”を手に取った。





 それは”大きな”盾だった。

形は所謂、タワーシールドと呼ばれるものだが、160㌢位の私の身長からすると、まるで”少し湾曲した”戸板(・・)を担いでいるようなものだ。

片手で持つと、その異様さが、なおハッキリする。

重いのだ、”私”が持っても、ズシリと重みを”感じる。後で聞いたところによると、ほぼ”誰も”持ち上げる事さえ、出来なかったという。(そんなもの、試させるな!)とも思ったが、まさか、持ち上げるとは、考えなかったらしい。


 さて、その盾には、さらに浮彫が施してあった。それもハイレリーフの様で、見事な”獅子”の頭が!


「えっ?何で?」


と思い、工房のガロン爺に声を掛けよう、として偶々、それが目に入った。

”神盾の残骸”、その表面に掘られた”白竜”の姿を。つい、目が潤みそうになった。


「ガロン爺、この盾のレリーフは、ガロン爺が?」

「おぅっ。カッコ好かろう!」

「そうだね。ねぇ、少し試してみたいことあるんだけど、いいかな?」

「お、おぅ、壊すで無いぞ。分かっとろう(・・・・・)がのぅ~。」

「エ、えぇ。もちろんッ(;^ω^)」



 広い裏庭(試し斬り用?)があると聞いた私は、早速、向かった。その頃、ドリューは


「爺、賭けはわしの勝ちじゃのぅ。」

「ナッ!貴様、そんな古い事をッ!大体、卑怯じゃろ。神獣デュラーコ様、ご本人を連れてくるなど。」

「呵々ッ!”持ち上げる”事が出来る『者』、という話、じゃったじゃろう。”神盾”のレプリカじゃ、”御本人”様に、来て頂くのが筋じゃろう。さぁ、つべこべ言わず、さっさと出せ!あの”幻の銘酒”をッ!!」

「くそっ!あれはわしが、200年寝かした、秘蔵中の秘蔵だというのにっ!何処ぞで嗅ぎ付けおって。但し、見合う肴を用意せぇよっ!!」

「呵々っ。任せろ、当てはある(ルゥナが持っとる)。」


と、そんな事を話していた(皮算用していた)





 さて、そんな事は露知らず、私には試したいことがあった。

その試したいこと、と云うのは…………………神気を流したら、この魔紋はどう反応するのか?と。





 念のため、広場の真ん中で(万が一、吹っ飛ぶとか?ないと良いなぁ)


少しずつ、神気を馴染ませるように、”魔紋”に向かって流し込んでいった。


すると、魔紋は光り始め、やがて盾全体に広がった、と思ったら、突然ひかりは消え、盾の”真ん中”辺りが振動した!と思ったら



盾からナニカが出てくる予感





(マズイッ!)


咄嗟に!盾に隠れるかのようにしゃがみ、盾の”獅子”面を上空に向けた!



直後ッ!!!


GuGHAAAAAAA――――――ッ!!!!



聞いたこともない、大きな砲声(吼え声?)と共に


光の柱が、天に向かって真っ直ぐ伸び、一瞬で消えた。それはまるで”ゲーム”にある


「レーザーキャノンかよっ!」



そんな風に驚いていると、



「どうしたんじゃ?無事かッ!嬢ちゃん!」

「何があったッ!ルゥナッ!怪我はッ!無事かッ!」



とガロン爺とドリューが駆け込んできた。

私は一瞬、呆けていたが直ぐに


「ごめんなさいっ!大丈夫ですっ!」


と応えると、何があったのかと聞くので、さっき、試したこと、結果、”攻撃的な”光を”発射した”事を話した。


「なんとぉ、そがぁなもん、組み込んどったかぁ~。驚いたわぃ。」


「有無、天晴じゃ!流石、我が友(ワタシノコネコ)最高ではないか(タノシミガフエタ)!」


(何やら、、違う言葉が(オモイヲカンジル)!)


「ところで、ルゥナちゃんや、”お代”は期待しとるけぇな。よろしゅぅ~頼むでぇ。」


「へっ???」


「なんじゃ、気付いとらんかったか?主の持っとるモンの表!ヨウ見よ。」


見れば、凛々しい”虎”面がッ!!!!!



(なんとぉ!!)さっきまで、立派な”獅子”面だったのに、今は”虎”に変わってるッ!



流石の私も、たった一度”神気を流し込んだ”だけで、レリーフを変える、なんて思いもしなかった。


「えぇ~っとぉ、わざとじゃないんで、見逃していただく訳には…いきませんよね。」


「有無、いつもニコニコ現金払いじゃ!」


「って、何でドリューが、口出してるんです!ここは仲間(トモ)をかばうとこじゃ?」


「甘いッ!そして二つ目の教訓じゃ『敵は斬っても、身銭は切るな!』。良いか、冒険者たるもの、金銭の管理はシッカリしとかんと、いかんのじゃっ!」


「何ぉ偉そうに言うとるんじゃ。ワシが教えたことじゃろう。ホントに、あの当時のお前さんときたら、身ぐるみ剥がされとっても、不思議じゃない、くらい”お嬢様”じゃったからなぁ。


「云うなっ!爺。それより、コレどうするんじゃ?」


「あのぉ~、すこぉ~し、負けてもらう訳には?」


「どぉお~したもんかのぉ~ヤぁ?………うははッ!冗談じゃケぇ。許せよ、嬢ちゃん。まぁ、でも、嬢ちゃんの”買い取り”は、決定じゃが。」


「ですよねぇ~。」


「まぁ、とは言うても、扱えるモンの居らんかった事じゃし………格安で、イケん事もない。」


「本当ですか?」


「有無。時にルゥナは”始原の森”の方から、来たらしいと、云うとったのぅ。その辺で………どうじゃ?」


「また、ドリューはァ~。分かりましたよっ。”物納”でも構いませんか?」


「えぇが?なにぉ持っとるんじゃ?」


「はい。素材になるのか、分からないし、解体もしてないですけど。」


そう言って、裏庭に、”始原の森”を離れる前に、集めた物などを出した。


「こ、これは………………………………………」


思わず、固まってしまったガロン爺をよそに、ドリューが早速、果物をより分け、解体の準備を始めた。それを見ていたガロン爺も、手が足りんと、助っ人を呼びに行き………………………………………後はそのまま、宴会へと雪崩れ込んだ。そう、一心不乱の大宴会である。


因みに翌日、ドリューとガロン爺以外は、死屍累々だったと述べておく。




そうして、私は”神盾(レプリカ”の使い手になった。



長すぎないか、気になります。

後、作中の言葉使いは、全て作者の創作です。

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