ギルドと私と受付嬢《オネエサマ》と
いつまでギルドにいるんだと、オオモイデショウガ~~
どうか長い目で見ていただいて
今日もよろしくお願いします。
「私のギルドカード。」
手にしている白い木札。世界に二つとない、Z級のカード。そんなカード、身分証明に使えるの、と聞いたところ、そういうカードを確認する為の魔道具があるそうです。安心です。えっ、カードの厚み?磁気じゃないんですよ。浅い抽斗が付いていて、そこに入れて閉めれば、OK。なんだか、妙に”ハイテク”なのは、”神システム”でしょうね。私を必要とするナニカ。
そして、ギルド長のお話はまだ続いていた。
「それで、カードを頂けたのは、うれしいのですが、私の事は……………」
「おぉ、そうそう。お前様じゃが、(どれ程の能力があるのか、はかり知れんからの)人と”仲良く”してくれる?と云うことで、間違いはないかのぅ?」
「はい。人と敵対するつもりは”今は全く”ありません。だから、国同士の諍いにも、出来るだけ、関わらない様にする、心算です。」
「然うであれば、有り難いのぅ。これからも、ずっと良い関係でありたいのじゃから。ギルドの長、としてだけじゃなく、”只の”老いぼれとしてものぅ。」
「いえ。こちらこそ、お願いします。」
「さてそこでじゃ。お前様の身分は、この老いぼれが保証しよう。 とは言え、”冒険者”として、に限るがの。」
「知らんかもしれんから、一応言うて置くが、冒険者と謂うのは、国の制約に縛られん者たちの事じゃ。故に国の中枢辺りから、毛嫌いされたり、市民から恐れられることも、多々ある。まぁ、そうは言っても、人の節度を、守っておれば、問題ない。但し、節度の”度が過ぎれば”、制裁もあり得る。心してほしい。」
「はい。もちろん”人の”良識も理解しています。」
「もっとも、お前さんを裁くなんぞ、無理じゃから、精々、冒険者資格の剥奪くらいかの。嫌な言い方をしたが、規則でのぅ。許してほしい。そんな感じかのぅ?」
「はい。気を付けます。ところで………………………………………」
いよいよ、ここから”本番”と、意気込んでいると
「おぉ、そうじゃ、忘れておった。専属のギルド員を付けるからの。もちろん、お前様だけの、特別じゃ。」
「分かっておろうが、【神獣】の事なんぞ、公にできんし、何よりお前様が望んどらんじゃろ。専属は、そこのサーシャに任せるとするかの。」
ギルド長の有り難いお話に、感謝していた私
とは逆に
「有難う御座います、ギルド長。”態々”ご指名いただきましてッ(怒りッ!)」
(ヒィィィ~~ッ。訓練場とは別のナニカが降臨したァァァァ~ッ。)
「どうしたんじゃ?サーシャ。好きだったじゃろ【神獣】」
「言うなぁ――ッ!あたしが好きだったのは、【神獣】のお伽噺で、ほんの小さな子供のころのことでしょッ!」
「HA、HA、HA、HA。」
「そうやって、いつもおじいちゃんは……………(はぁぁ~)もう、いいです。改めまして、私が担当させていただきます、サーシャです。」
そこには、寸劇をなかったコトに!したい美女がいた。
「改めて、よろしくお願いします。【神獣】のルゥナです。」
大人対応。
コミュニケーションの円滑化ツール、もちろん常備しておりますが何か?
「よろしくね。ところであなたって?【神獣】よね。本当の姿は”竜”なのかしら?アッ、気に障ったらごめんなさいね。で、どうなのかな?」
「あ、はい。私は…「有無、見事な”姿”であったな。」」
私を遮ったのは、紅塵のドリューだった。
「エッ!遭ってるんですか?カウンターでは何も、云われませんでしたよね。」
「そうだったかの。それより、こ奴じゃが、それは見事な”白虎”であったぞ。」
「もうっ!って、えっ?”白い虎”なんですか?」
「えっと、はい。何か、可笑しいですか?」
「えっ?だって”お伽噺には”白い竜”だって描かれていたから、てっきり、ルゥナちゃんも、そうなのかなぁ~って。」
「ハッハッハッ!サーシャは知らんのじゃな?【神獣】とはその時々によって、姿形が変わっとる。我が調べただけでも、”白竜”に”白龍”、”白狐”と様々じゃぞ。”白虎”がいても、何ら不思議はないわい。」
「そうなんだぁ~。本当によく調べてるね。」
なんだかさっきから、”黒いな”この受付嬢。それに彼女?
「ところで、失礼なんですけど、サーシャさんとギルド長って?お身内の方?」
「あぁ、そうね。ギルド長は、父方の祖父に当たります。ほら?」
そう言って、髪をかき上げると、そこには少し”とがった耳”が
「見てわかる様に、”ハーフ”なの。”ハーフドワーフ”と”ハーフエルフ”の。」
「えっ?でも…………………その…短い?…エルフ耳?……………………」
思わず、彼女の”厚い胸部装甲”に目がイキそうになるのを堪えていると
「こらっ、ダメでしょっ!分からなくもないけど。大体の男性はって、あなたも女でしょ。(コホンッ)それより、私の事だけど、他の種族についてはどれくらい知ってるかな?」
「いえ、ほとんど。でも(【神獣の知識】から)エルフ、ドワーフ、獣人、人がいることは知っています。」
「そうね。因みに後、巨人、小人、確認されてないけど竜人と謂う人達もいるらしいわ。」
「それで、その”ハーフ”同士なら、子を生せるのよ。知ってた?」
「それで、私の両親は、”ハーフドワーフ”と”草原ハーフエルフ”で、私は母の”草原エルフ”の血が濃く、出た結果なの。」
「えっ?エルフって、分かれてるんですか?」
「あら、そこから?そうよ、”森エルフ”と謂う、すらりとした体形が多い種族と、”草原エルフ”と謂う、割と”ボディーラインのくっきりした”種族がいるのよ。」
「そうなんですか。〈(;^ω^)〉ヨクワカリマシタ。」
その日、私は女同士でも、いやそれだからか?体型の話は”鬼門”である、と悟った。
「うむ、我も一つ忠告しておこうか。我はハーフ故、気にせんが、同胞に決して巨人と云ってはならんぞ。あれらは魔物の事じゃからな。」
「ギガントっていう、魔物がいるんですか?」
「あ、いや、ギガントと云っても、色々おるぞ。ジャイアン・トロールにキュクロプス、グレンデル、変わった所ではウペルリなんて謂う、”山の様に”大きな奴もいるらしいな。」
「適当なことを、言われても困ります。」
「いや、その報告なら、わしも読んだことがあるぞぃ。村人と、E級冒険者の話じゃな。じゃが、その冒険者のパーティメンバーに、後で話を聞く機会があったじゃが。恐らく、本当じゃ。パーティメンバーが件の村人に聞いた話にしても、信憑性があったしのぅ。」
「本当なの、ギルド長それじゃ、すぐ、討伐依頼を………………………………」
「いやいや、早まるな、サーシャ。多分大丈夫じゃ。報告書にも書いてあったじゃろ、隠れたがっていたようだと。それより、他にも様々な依頼が、あるじゃろ。」
「えぇまぁ、『南の湿地にある、お化け屋敷』とか、色々ね。」
「そんなに”危険ばかり”なのですか?」
「いやいや、そんなに、面白………………………………………うっうん!危ない事だらけのわけがないじゃないか。ちゃんと、冒険者諸君が処理しておるよ。」
今この巨美女、『面白そう』って言いかけたよな。
「ところで、私の級って、依頼はどれを受けられるんですか?」
「ギルド長?」
「有無、そのことなんじゃが、………………ギルド付きの特殊冒険者にしようかと思っての。」
「ギルド長ッ!」
「何じゃ騒がしいのぅ。昔はよく、おじいちゃん♡おじいちゃん♡いうて、可愛らしかったのに……………。家で呼んどるように、おじいちゃんで良いんじゃぞ。」
「いつの話ですかッ!後、家と仕事場を一緒にしないで下さいッ!」
「かわいいのぅ。さて、”特殊冒険者”じゃな、簡単に言ってしまえば、『ギルド直属の、ギルドによる、ギルドの為の冒険者』と云う事じゃな。」
「もう少し詳しく話さないと、分からないでしょう?以来の受付とか、通常の依頼とか、どうするのよ?」
「そこは、『直属』なんじゃから、ギルドの指名依頼がメインでの、後はサーシャちゃんの判断でよいぞぃ。」
「何が”サーシャちゃんの判断でよいぞぃ”よッ!私に丸投げって事ですよね?パーティメンバー、どうするのよ。本来なら、級を考えて、然るべきメンバーを組んでもらう、のが通常でしょう?!一人きりなんて、危なくって、依頼任せられる訳ないじゃない!!」
「おおぉ!流石、ギルドの”聖母”殿だな。」
「茶化さないでください!クラッシャー!」
「オカシイな。友から名を呼ばれただけなのに、貶められた気が……………まぁ、それはともかく、パーティメンバーならここに、居るではないか!何の問題もないぞ。」
「(流石、わが友、気づくなんて)問題、大ありです。貴方と組んだらどうなる事か?第一、まだ依頼の一つも熟していないんですよ。いくら”戦闘力”あっても………………………」
「私は大丈夫ですよ。暫くは”普通の”依頼を受けさせて頂いて、様子を見てもらえれば。それに色々覚えながら、やりたいです。」
「可愛らしいのぅ。それで良いじゃろう。ドリューには、適宜手を貸す、と云うことで良かろうぅ。」
「はぁぁ~っ。もう良いわよ、それで……………………………………。」
「有無、よろしく頼むぞ、ルゥナ」
「はい、お願いしますね、ドリュー」
こうして私は、冒険者になった。
お読みいただきありがとうございました。
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