ギルド で モクサツ
ギルドです。
さあぁボーケンだ
やがて、しばらくすると、初老の”ドワーフ(?)”の男が受付嬢と共に出てきた。(ドゥワァ~フ、キタ━(゜∀゜)━!)
「こちら、当ギルドのギルド長になります。この後は、ギルド長の方から進めさせていただきます。」
「うむ、わしが当ギルドの長をしておる、ガルンと云う。」
「さて、冒険者登録したい、との事だが、現状では出来んのう。幾つか確認させてもらえるなら、話は別なのじゃ。どうするかの?」
「初めまして、ルゥナと云います。はい、手続きをお願いしたいのですが、何をしたらよろしいですか?」
彼は、即答するとは思っていなかったようで、
「お、おう。ではまず、戦闘能力”等”から見せてもらおうかの。」と云った。
「ふむ、では我が相手を致そう。」とドリューが”嬉々として”言い放った。
(戦闘狂かぁ~、そんなとこだけ似なくて良かったのにぃ~~~。)
そして、ギルド内にある、訓練場へ来た。
ギルドの(建物の)中を向けて、裏手に出ると、何人かの冒険者が青空の元、剣や斧、槍などを振ったり、試合稽古をしていた。そんな中
私とギルド長、ドリュー、サーシャが入っていくと(何故か?サーシャもついて来た。)
「ウォッ!紅滅姫だ。」
「うぅーわっ!ギルド長に紅塵じゃねえか。側にいる娘、誰だ?」
「マジかぁ~紅滅姫じゃん。でもあの娘、かぁわいぃ~!」
「誰だろうな、あの娘?」
「可愛いけど、クラッシャーが一緒だぞ。」
「やべぇ~、かわいいけど、隣が別の意味でやべぇー。」
などと、色々聞こえてきた。耳が良いのも困りものだ。(あと、クリムゾンとか、クラッシャーってなんだ?何となく分かるが………………………………………)
そんな事を考えていると、開けた処に来た。徐にギルド長が、訓練場の隅を指し
「武器は何を使うのか知らんがの、そこのラックにあるものなら、刃引きしてある。適当に使ってよいぞ。」
見れば、大小様々な剣、槍、斧など、色々置いてあった。中には、どう使うのか良く分からないのも、あった。
「ありがとう。じゃあ、遠慮なく」
そう言って、短剣を一振りずつ、両手に持つと、すでに、刃引きした大剣を持つ、ドリューの前に立った。正直怖いが、スピードで迫れば、ひょっとしたらと、思う。娘の時にどれ位”戦える”のか、ほとんど試したことは無いが、何とかなるかと思っていた。
確かに、”身体能力”に胡坐を掻いていたのは否めないが、わずか、一合で弾き飛ばされた、のは予想外だった。舐めてたつもりはないが、この女、”化け物”過ぎる。森で、出会ったあと、逃げをうった自分を誉めたい。私の目でも動きが追えないとか、どうなってるんだろう。確かに今の彼女の剣は、今も背中に背負っている、大剣と比べると、一回り以上も小さい。そんな、余分なことを考えていたからか
「どうしたッ!全力で掛かって来い、と云ったはずだが?手前、舐めてるのか?いざ、魔獣に出会った時、手抜きしてやり過ごす、つもりではあるまいな。死ぬぞ?手前が無事でも、他の者が死ぬぞ?どうするつもりかッ!」
確かに彼女の云う通りだ、始原の森にいる間に”平和な”日本人気質は捨て去った、と思っていたが、まだまだだった様だ。
ドッガラガッシャァ―――ン!!!
突然大きな音を立ったと思えば、彼女が、手にした大剣を投げ捨てた。
そして
やおら背中の大剣を抜き放つと、一気に斬りかかって来た。
「――ッ!」
目の前に迫りくる刃と云うには、あまりにも巨大なソレに
私は思わず、
片手に四本ずつ、合せて”八枚”の爪を抜き放っていた。
ギィィインゥッ!
両手の指をクロスさせ、何とか刃を受け止める。
見れば、両手の先。
ハンドボール大の炎球から大きな爪が伸びている。
それは、まるで”炎の向う側”から、”爪の持つ”恐ろしいナニカが出てこようとしている、かのようにも見えた。
さらに、攻め立てようと、ギリギリと大剣を押し込んでくる、彼女。単純な力勝負ならと、四肢で踏ん張る、私。
((なんて馬鹿力ッ!))
二人の気持ちがピタリとそろう、も次の瞬間
ヒュッッヴァッ!ヴッヴァッ!!
翻る刃にざっくりと、太腿を切裂かれていたっ!
「GgguhGhaaa―――!!」思いがけない痛みに、獣の吼え声を放った。
見るとザックリ、深い傷口が覗いている。つい、人目を忘れて、神気を体中に一気に巡らせる。
それは傷口だけでなく、肘膝、肩、髪全体に至るまで、【浄炎】を吹き上げる、事になった。
皆の視線が一斉に集まる。
(これ、治癒魔術でごまかせるかな?)
なんて、どうでもいいことを想いながら、見回せば、皆一様に驚いている。
中でも、ギルド長は今にも、魂が抜けそうだ。
が、そんな中にあって、目の前の彼女だけが、”輝かんばかり”の笑顔を見せていた。
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あれから、復帰したギルド長によって、騒ぐ冒険者たちにしっかりと口止めがされた。
そして、事態が収まるのを見計らって、一旦ギルド長の執務室に、場所を移した。
「さて、”能力”を見る、と云うことで調べさせてもらったんじゃが」
「すまん。このとおりじゃ。」と、いきなりギルド長が頭を下げた。
「えぇーっ!」驚くのはこっちである。
まさかの、謝罪から入るなんて!予想の斜め上をいかれて、私は焦った。先程、【神獣】の力を使ってしまった事で、魔獣と間違われて、討伐されるという、危惧もしていた。それがまさかの謝罪である。
「いえ、大丈夫です。傷もすぐ塞ぎましたし、それより、その………………私の事なんですが……………不問という訳にはいかないですよね?」おずおずとそんな事を、言ってみる。
すると
「先程は本当に済まなんだな、うちのA級冒険者が迷惑をかけた。」あまりの言い草に驚いていると
「ひどい謂われようだな、ガルン爺。もう少し、A級を敬っても良いと思うぞ。」と紅滅姫が言う。
「やりすぎなのは、確かじゃろう。まぁ、それで、何とも無かったのは、流石、と云うところかの。」
「爺、はっきり言ってやったらどうだ。恐らく間違いあるまい。」
「あのお二人は、私の事、ご存じなんですか?」と思わず、声を掛けた。
すると、室内に入ってからずっと、黙っていた受付嬢が言う。
「あのギルド長、さっきから、お話が見えないんですが?」
「うむ、サーシャは聞いたことがないかの、【神獣】と謂う生物について。」
「………ッ!」私が思わず、息をのんでいると
「えっ?あの伝説の魔獣の事ですか?でもあれって、確かお伽噺じゃないんですか?」
「うむ、それじゃ。しかも、間違っとるの。【神獣】は【魔獣】何ぞと比べられぬぞ。あれは全くの別物じゃて。」
「爺の云う通りだな。あれはそんな、簡単なモノではないぞ。何せ、”ただ”の剣ではいかな技をもってしても、傷一つ付かぬ。」
「職員に歴史書も読ませた方が、良いのかもしれんのう。」
驚いて言葉が出ないとは、本当だった。まさかの【神獣】を知る人々がいるとは!異世界、侮り難し。これは、種族による、寿命の長さの違いによる、のかもしれないなぁ。
「さて、ルゥナと云ったかの。お前様は【神獣】で良いのかの?」
「はい。知っている方がおられるとは、思いませんでした。」
「ふむ、大抵のものはお伽噺と思っとるよ、そこのサーシャの様にの。」
「お見逸れしました。それで、今後の事なんですが、どうなるのでしょうか?」
「有無、冒険者に、と云うことだったかの。それについては、すでに案があるんじゃが、その前にの。ドリューからちと、話があるじゃろ。」
「爺様よ、我を孫の様に、あつこうてくれるんは、嬉しいのじゃが、もうちと、大事にして欲しいぞ。それで、【神獣】についてじゃが、別に直ぐでのうても良いぞ。その内、ちょっと付きおうてくれりゃあ、良い。」
「別に危険な事で無ければ、構いませんが。」
なんか妙なことに巻き込まれないと良いなぁ、と思いつつ応えると。
「大丈夫じゃ。ちと、我と一緒に行って欲しい、所があるだけだからの。」と。
これまた、終始ニコニコしている巨美人。
「では、わしの方からは、まずこれじゃ。」
そう言って、”紐からぶら下がった木札”の様なものを差し出される。
「これは?」
「それが、お前様のギルドカードになるものじゃ。【神気】を使うのじゃろ。その木札に【神気】をなじませるんじゃ。己の心を込めるつもりでの。」
(えっ、これが?)
そう思いつつも、”自分”を込めるつもりで、うぅ~~ンと神気を込める。
すると
只の木片に見えたものが、パぁ―――ッと光り、やがて収まると、手の中には、”白い”木札があった。
見れば、精緻な文様が施され、私の名前と”Z”の文字。
「凄い。これで、良いですか?」と木札をギルド長に見せると
「おぉ、伝承通りじゃ。」とやや、不安なことを言った後、
「それがお前様のものになった証じゃ。大事にするとよい。再発行はほぼ、出来んからの。」
「えっ。再発行できないんですか?」
「うむ、かなり難しいのう。材質は”聖樹”で出来て居るし、作り方は多分失われておるじゃろな。」
「”聖樹”ですか?」
「エルフの森の奥にあると言われとる、”樹木”型【神獣】じゃな。」
「”樹木”ですか。そんなものもいるんですね。」
「知らんかったかの。それで、お前様の級じゃが、”Z”じゃ。」
顔に疑問が浮かんでたのだろう。ギルド長自ら、教えてくれた。
冒険者には、級がある。一番下が、”G”で一番上が”A”さらにそのうえがあって、”S”らしい。もっとも”S”と云うのは、『勇者』の為の級だそうだ。まず、『勇者』しか出来ない難易度という、意味らしい。
それでは、私の”Z”級とは何処か?と云うと、序列外だと、ただし、その意味が”序列にないところ”にあるのだと云う。
それは
「つまり、”Z”とは【神】の事じゃ。」
こうして私は”Z”級になりました。
お読みいただきありがとうございました。




