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つまり 私が異世界電池 / 神獣と私と異世界と  作者: 弦紐 かえる
神気増槽
17/24

ドナドナ♪ド~ナァ~♫

 私はドナドナされている。

こんな風に云うと、何だか楽しそうに聞こえてくるから、不思議だ。

 だが、実際は楽しいなんて、とんでもない。

今私を連れている女性、名を『ドリュー(・・・)』と云うそうだ。私が咄嗟に、口にしてしまった『エラ』と云う名前にも、何やら、いわくあり気な様子だった。

 そもそも、私が、彼女を『エラ』と呼んだのは、今の自分の姿と同じで、見覚えがあったからだ。

あのゲームで使用していた、複数の”従者”のうちの一つだ。


その中で、家内のことを想って作ったのが、今の自分の姿。

そして、その前に作った”自分の理想の女性像”で作ったのが、彼女だった。


(当然、思い入れも一際という訳だ。)


 この世界での私の役割は、はっきり理解している、つもりだった。

なのに彼女の存在を知ると、少し怖くなった。


 想像してくれ、仮想世界だと、思っていたものが、いつの間にか、現実の中に染み出している。

これでは『幻想世界』ではなく、『空想科学』の世界だ。


 昔読んだ”幻想小説”の中にこんなことが書いてあった


『………そもそも彼ら、架空の生き物は、全くの想像から生まれた、のだろうか。実は、実際に出会っていて、それをもとに書かれたのではないだろうか?もしくは、そうした実在の、影が現実に影響を及ぼしている、のではないのか。』と。


 正直私は怖い。このあり得ない状況が。

そして、それ以上に”自分でも”びっくりするくらい楽しんでいる。

(元の年齢で)いい年して、ワクワクが止まらない。



それにしても………………………………………


………………………………………、少し前を歩く”ドリュー”を見る。


もうただ、只管………………………………………、


「素晴らしいぃ!」としか出てこない。


褐色の肌に白銀の髪(私も銀髪だが、私は緑系の白銀、彼女は青系の白銀)

身の丈は、二メートルを超える”大女”、そのウェストは高い。

大きなお尻に、”外国産”で”天然モノ”を主張しているかの胸部と、

出る所は出る、引っ込むところは引っ込む、『理想的なプロポーション』をしている。




そんな《・・・》彼女を、見上げる様にして、遂、眺めてしまう。



「そんなに熱い視線を注がれても困るのだが…………………………………」


「えっと、その。ごめんなさい。」


「いや良い(見られることには、慣れてるからな。)それより…………………その、なんだ。………………………………………私の名前のこと、なのだが、どういう(・・・・)事か聞いても……………あ、いや、回りくどいのは、苦手だ。なぜ、あの名を知っていたのか、教えてもらえるかな?」


「えっと、どういう事でしょうか?」


「いや、だから”エラン”のことだが?」


「えっ、”エラン”ですか?」


「そうだ。”エラン”だ。」


(どういう事だ?)


「いえ、私が言ったのは”エラ”で、”エラン”じゃ有りません。済みません、知人にそっくりの女性がいたので。」


「なんだ、そうか。それは済まなかったな、何だか、無理を言ってしまった様だ。もし、良かったらその”私そっくり”と云う女性に、”会わせて”もらえないだろうか?」


「いえ、もうずいぶん、遠いところにいるので、難しいと思います。」


「いや、これは失礼した。まさか…………………………」


「あぁ、いえ、亡くなったという訳では。ただ、”遠く離れすぎた”だけなので、お気になさらず。」


「そうか。すまんな、重ね重ね。」


「いえ、どういたしまして」


(えぇ、もう本当に無理ですよ。ゲームにインターネットとか”王侯、貴族”すら考えつかない、であろう、”遊戯”の説明とか、もう絶対無理っ!)



 彼女もいろいろ事情があるようだが、むしろこちらの方が”マズイ”。神獣とか、神獣とか、神獣とか…………………そして、彼女は”何か”を知っているような気がしてならない。


”門の前での一件”にしても、なぜ、あそこで出てきたのか?


 タイミング良く登場できるのは、お茶の間のヒーローか、訳知り顔の”やり手営業マン”くらいだぞ。

とにかく、そう考えると、私のような”アホ子ちゃん”、鴨葱以外の何物でもないな。

慎重にいかないと………………………………………。



 そんな事を考えつつ、他愛もない話をしている内に…………………………………





 私達は、冒険者ギルドにたどり着いた。


 ところで、気になってた入門税。

実は、彼女が全部、立て替えてくれました。

もちろん、最初は”お返しします”と言ったが、まるで受け取ろうとしない。


だから私は、代わりにと

”始原の森”で採った、果物や木の実を出す………………………………と



「それでは多すぎる!」


と”皆(門番さんも含めて)”が言う。


ので


「じゃあ今度ご馳走しますね。」と云うと、皆喜んでくれた。


 特に、ドリューのさりげなくも、だけがキラキラしていたのが、妙に印象的だった。

(女の子なんだなぁ~。)


 ただ、首輪については、ほとんど聞いてこなかった。

それが、妙に引っかかる。


 そういうことがあるのか?

しかし、あの子分の言い草からすれば、滅多に無いみたいだったし………………。

と云うか、在り得ないというニュアンスに感じられたが?

さても謎多き美女、と云ったところ?なのかなぁ。




                 ∽∽∽





 さて、まずは入って、登録と買取をお願いしようか。

解体もお願いしてみよう。


(よく斬れる爪が、あるじゃないかって?)


刃物だけあっても、やったことないモノは、無理っ!

解体ショー、それも”四つ足”の?そんな”職場経験”もないよ。



 そして入ると


一斉に視線が………………………………………これが、お約束。

ではないですよね。

 ワンピにズタ袋、編み上げのサンダル、は問題ない。

(ブーツとか、複雑なデザインは無理だったので)

スカート丈だって、ひざ上くらいですし………………………………………



 やっぱり、色と髪かなぁ?

色は全部、真っ白。


 着色とか面倒だし、柄とデザイン”センスに至って”は……………………ごめん、聞かないで、理由もなく視界が、が、ガ。



 と云うと、最後、髪か。

流石に、を隠すほどの長さは、長すぎたか。



 あぁ、デザインを変えれば?と思うだろう?

けど、一応やってみたんですよね。

そして見事、惨敗です。


 どう”イメージ”しようとも変わる様子がない。”イメージ”そのものが難しいと、諦めました。



 そして、切ることは最初に、断念しました。

【神獣】の髪なんていう”【神気】の塊を”

どうしたら良いのか、考えつかなかったので。




まぁ、そう言ってても始まらないので、徐にカウンターに近づく。



すると

「いらっしゃいませ、冒険者ギルドへようこそ。あら、ドリュー、久しぶりね」

とピンクブロンドのおっとり美人入った。


(受付嬢って、本当に”美人”なんだなぁ)


「あぁ、久しいな。サーシャ」

「今日は、どういったご用件?」

「用件はここにいる、この娘に聞いてくれ」

「あら。今日は、サーシャと云います。御用は何かしら?お嬢さん」(見かけない娘さんね。どこの”貴族の”娘、かしら?)

「今日は。ルゥナと云います。冒険者登録と、買取をお願いします。」

「えぇと、”冒険者”についてご存じかしら?危険だし、かなり厳しいのよ?」

「はい、おおよそ。ですが戦闘には、自信が有ります。ぜひ、お願いします。」(ふふん、自己アピールこそ、社会人”経験の証”)

「かなり厳しいわよ。最初は”力仕事”になるし、まずは”能力”測定かしら?」(さぁ、”検討”なさい。そして、回れ右して、お屋敷に帰るのよ。)

「はい、お願いします。」(いぃっよっしゃぁ―。就職、確定ッ!)


(………………………………………。)あぁ、もうっ。何、この娘?あぁ、ダメだ。ドリューがあんなに楽しそう!もぉぅ~ドリューったら、いつも言ってるのに、ここは、依頼を”処理”するところで、依頼を”増やす”処じゃないって。あなたの紅滅姫って、依頼の事だけじゃないのよ!平穏も”紅滅(クラッシュ)姫《する女》”なの~~~~( ;∀;)


「では、”魔力測定”から行いますので、こちらに手を置いていただけますか?決して、”魔力行使”の内容を見る為でなく、飽くまで”魔力の質と量”を見るもので、情報はギルド内でのみの、使用に限る事は、ギルドの総意として、誓ってお約束致します。」

「はい。」(”魔力測定”ッ、来たッ―!!)


 すると、受付嬢サーシャはカウンターの上に、クリスタルの埋め込まれた、四角い箱状の装置を置いた。

その、半円球の部分に、言われた通りに手を置く。

 すると、クリスタルはジワリと光だし、やがて、眩しいほどに輝くと、途端に光は消え、静かになった。

そして、じぃぃっと装置を向う側(出力画面があるのかな)で見ていた受付嬢は


「………………………………………????」(ナニコレ。ギルドでこんな事教わってないわよ??)


「えぇーっと、少々、お待ちくださいね」


そう言って、席を立ち、奥へと消えて行った。




(………………………………………なんだこれ?)

 そして、私の目の前には、半透明のスクリーンがあり、

そこには


『神気による承認申請、認可。初期化しますか?  Y/N? 』


の文字。



(ヤラレタッ!)



 後ろを振り返れば、ニコニコ(・・・・)と楽しそうに、成り行きを見守っているドリュー。


 嵌められた!どこから?決まっているッ!ズットダ!!

恐らく最初から、”捕まって”いたんじゃないのか。彼女には、バレバレだったんだろう。

 どおりで、入門の際、市民証の様なものを、門番が確認しないはずだ。彼女が、どんな”力”を持っているか知らないが、彼女が出た時点で、全て彼女の”裁量”に任されたのだろう。



 とりあえず、初期化をキャンセル(空中の画面の、Nにタッチ)すると、装置は一瞬、反応したあと、黙り込んだ。




そうして、見事に”ドナドナ”された私は、受付嬢を待つのだった。




お読みいただきありがとうございました。

長くなりそうなので、切りました。

次回はなるべく早く上げます。

             では

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