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つまり 私が異世界電池 / 神獣と私と異世界と  作者: 弦紐 かえる
神気増槽
16/24

首輪と私と異世界と

 私は混乱していた。

しかし、まずはここから、逃げる事だ。彼女については疑問が尽きないが、それより、町に入ることを、優先しよう。

 

 彼女たちは恐らく探索隊、じゃないかなぁ。だとすれば、ぐずぐずしてはいられない。あのエルフ(?)少年はともかく、彼女は要注意だ。結構、強くひっぱ(・・・)いた(・・)から、エルフ少年は町に、戻るだろう。

 彼女の方は途中から、飛び込んできた様だった。つまり、パーティを組んでいない?

もし、そうなら、彼女だけ追いかけてくるかも。()しんば、彼を町まで、送り届けたとしても、すぐに引き返してくる、可能性だって……………。

 いや、それはないか?

見渡せば、弾き飛ばした彼の弓も、無くなっている。咄嗟の行動とは言え、やはり彼女を侮るのは危険だ。


そして、彼女たちを見送った私は、すぐにその場を離れることに決めた。





 すぐ、”娘”に化けた私は、町に向かって、逃げた。

 理由は簡単だ。討伐隊が編成されると、面倒だから。

それに、

『彼女たちだけが探索隊』

と考えるほど呑気でもないしねぇ。

 そんなことで、町に向かって、逃げているんだけど


 人型になったら、妙に魔獣との遭遇率が上がった気がする。『始原の森』にいた時はあまり、感じなかったのに、この辺りだとなんで?魔獣の位階と関係してるのかな。まぁ、今は考えても仕方ない。



 そんな訳で、下手に戦っている所を見られても、面倒臭いと云うか………アレッ、助けられた振りをして、町に?……………………駄目か?

 よく考えると、事情説明が面倒な気が…………それにこの辺りの魔獣に苦戦する自分が、想像できない。

 やっぱりここは、いつか想ったように、”伝説の傭兵”のように行くしかないよね。







 結果、私は彼女(ドリュー)と出会うことはなかった。






 そして、無事に町にたどり着いた。


 いやぁ~長かったっ!あの洞窟・・を出てから、こんなに掛かるとは、思いもしなかった。虎って言うか、神獣だからもっと、のぉ~んびり出来るのかと思ってました。


 街門が見えてきました。思っていたより、随分立派な気がしますが。


さてどう入ろうかと、思案していると






「お嬢さん、どうしやした?」と、声を掛けてくる男が。


「?」

 振り返ると、彼と目が合う。

咄嗟に話そうとして、うまく話せるか?迷っていると


(考えたら、人以外としか、会話してないなぁ)


それを見た男が、私が困っていると思ったのか


「町にへぇるのに、困りごとがあるんでしたら、あっしらに任せてくれりゃぁ、よゆー(・・・)ですぜ。」と、そんな事を言った。


「有難う。でも大丈夫だよ。」と

うまく・・わる(・・)様にと思いつつ、応えた。


言葉・・・は伝わったようだ、が男は


「ところで、お嬢さん、知ってやすかい?ここの入門税が、最近上がったんでさぁ。そりゃ、皆さんお困りのようでしてね。」


「そこで、ちょいと、イイですかいぃ。実は、うまい手があるんでさぁ。」などと云う。


(あぁ、面倒だ)と思っていると


すかさず


「何ちょいと、装備品つけて貰えりゃあいいんでぇ。そんで一緒に門をくぐったら、装備品を外していただくだけ、何の問題もありゃあせん。もちろん、その装備品が気に入った、と仰るんでしたら差し上げますとも、そんな大した品じゃあないんで。」と、まるで立て板に水の、説明。


あまりの展開に(えっ、?)と固まっている間に、いつの間にか、その装備品とやらが手渡されていた。


「あの、困るんですが」と、返そうとすると


「折角、可愛らしいお嬢さんだ。ちょいと、試してやっちゃくれんせんかねぇ。」と受け取る気配がない。


 その首輪そうび ひんを見て、(面倒なことになったな。)と思っていると


「さ、さっ、遠慮なさらずに。」と言うので


「これ、隷属・・の効果があるんじゃないんですか?」と聞くと


「ばかぁ、云っちゃあいけねぇ、隷属の首輪チョーカーなんて高価なもん、そうそう手渡せるわけねぇですぜ。それに隷属の首輪だったなら、アッシがつけて差し上げにゃあ………。さ、サッ、ちょいと試すと思って。」




 まぁ、これも経験かぁ、と填めてみる。すると





パキィィィ――ッン!と甲高い音が聞こえて


ポロリと首輪が落ちた。



「………………………………………ごめんね。」


「………………………………………ッンナッ!!」男は硬直した。



そして



「どうなってやがんだぁ、ごらぁ―っ!てめっ、なにしやがったっ!ナニモンダッ、てめぇっ!!」と、急に、大声で脅しつけてくる。


「どう?も何も【隷属の首輪】だったんでしょ?これ!」


「ふざけんな!だったら、何で、外れんだよッ!可笑しいぃだろぅがぁっ!!」


「そんなこと言われても外れちゃったし、私、そういうの効かないみたいなので。」


「ッざけんなっ!!ッンナコトッ、あるか馬鹿野郎ッ!!」と男が、いよいよ大声で喚きたてて居ると




「何を騒いでるんだ!お前たち!」と門番の一人が、やって来た。



 そこで、私が掻いつまんで、事情を説明すると、門番は



「じゃあ、ちょっと詰め所に、来てもらおうか」と言う。



すると男が

「ハァアァッ!何でオレまで行かなきゃいけねえんだよ!」とごねる。



 そして、二人が「いいから来い」「なんでだよ?」と言い合っていると



「うちの者が済みませんねぇ。よく言い聞かせてるつもりなんですが。」と、恰幅のいい商人風の男が出て来た。


 確かに、商人に見えるが、その濁った眼はどうにかしてもらいたい。

私を舐める様に見る、その視線で、何となく考えてることが、分かる気がする。




いよいよ、面倒なことになって来たな、と思いつつ黙っていると





「何やら、面白いことになってるじゃないか。」


妙に楽しげな声がして振り返ると





「ッゲッ!!」と思わず、口から洩れた。





 

 そこにはあの、彼女・・が立っていた。そして


「あぁ、又、貴方ですか。今、取り込んでいるので、後にしていただけませんかねえ?」と、やや呆れたように門番が言った。


「まぁ、然う云うな。事情はさっき、そこで聞いてたよ。」

「さて、商人殿、その首輪、ちょっと見せてもらってもいいだろうか。何、ちょっと、そこの後ろにいる、あなたのお連れさんたちが、着けているものと比べたいだけなんだ。」



見ると、気づかない間に、3人ほどの、みすぼらしい恰好をして()()首輪・・・を着けた人々がいた。


「そ、それはちょっと………………………………………。」途端に顔色をなくす、商人とその部下。それを見た、門番が


ぴぃいいいっと、笛吹く。


すると、たちまち、四人の門番が現れて、周りを囲んだ。

そこで商人もあきらめたか、部下ともども、おとなしく連れていかれた。



一方私は



「あぁ、この者は私の連れでな、冒険者ギルドから、・・()に来たのだ。」


と、彼女が”私を見て”言うので


「え、ぇえ、そうです。田舎・・から冒険者になりに来たのです。」と


観念した(った)







お読みいただきありがとうございました。

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