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つまり 私が異世界電池 / 神獣と私と異世界と  作者: 弦紐 かえる
神気増槽
15/24

ヒロイン  ヒロイン

さらに三話目


うまく描けていることを祈りつつ………………………………………。


                

 再び、”森林行”に戻った私は、ゆっくりと西へ向かっていた。ここまで、ゆっくりと来たのには理由があってのことだ。

 それは、まず始めに、町に入る方法についてだ。

私は、お金がない。同情より、金を!と言っている訳ではない。事実として、無いのだ、そしておそらく、町に入るのに、税金がかかるのではないかと、恐れている。いや、本当に社会人になっていないと、分からない部分もあるかもしれないが、”世の中()で、大抵どうにかなる”ものだ。どんなに身分が怪しくても、お金を持っていれば………………………………………最低ランクの信用は得られると良いなぁ。

 ここまでご高説垂れて、最後、それかと言われてしまうかもしれないが、”元”の世界の常識は通じないかも?と、ほんの弱気になった。実際、この世界で今まで、”人の”社会とは接触したことがない。ゴブリンたちの村があるし、その前の多腕猩々の集落も、社会と云えなくもないが、『この世界の常識的な』社会というと、違う気がする。

 前置きが長くなったが、つまり、金に代わるものを、集めながら来ていたのだ。主に、鹿や猪などの低位の魔獣がほとんどになるが、中には、最初のころ、倒したイノシシの魔獣みたいな奴もいる。もちろん、向かってくる様なものが多いが、後は、”始原の森”の近くで採れた果物や、木の実だ。(この木の実や果物がいかにおいしかったか、いやというほど、知ることになるんだけど。)


 そして、もう一つの理由は、町にすんなり行けるのか?と云うこと。いきなり、討伐隊が組まれでもしていたら、それこそ面倒になる。だから、もし、最悪討伐隊と出くわすことになれば、一時撤退も止む無しなのだ。と言いつつも、その可能性は低い、と思っているけどね。情報管理がどうなって?いるのか、分からないけれど、多分、私のことが一目で解ることは、無いんじゃないかな。後は”娘”に化けて、やり過ごせば、無問題モウマンタイ









 さて、そんな皮算用をしてた時があったなぁ~~~~~~~~~。




時は少し、遡る。


 あれから、西へ西へ、と進んできたのだけど、樹々も小さくなって(というより、”始原の森”とその周辺が大きすぎたのかも)私の【本性】のままだと、目立ちやすくなってきたから、そろそろ”娘”に化けておこうか、思い始めた時、前方に開けた場所が見つかった。

 「ヨシッ!」ここで小休止とったら、”化けて”から出発しよう。そう思い、広場に入ると、丁度良い感じに木陰を広げている気があるじゃぁあ~りませんか。早速、その木の根元をぐるりと回り、安全確認等、行った後、いざ、リフレッシュと、ごろりと横になる。日は高く、良い感じに木陰もあって、快適、カイテキ♡


 なぁんて、気を抜いた罰なんでしょうか、ふと、気づくと、少し離れた草叢に、明らかに人の気配。

 ちょっと、まずいなぁ、と思いつつ考える。今、私は寛ぎポーズの真っ最中、白い腹を上にして、ゴロゴロしてたりする。


猫らしいのは、結構だが、如何したものか、と考えていると






ヒュッン!と飛んでくる一本の矢。狙い過たず、私の心臓めがけて一直線。



ヤバいッ!と思う間もなく、跳ね起きて、矢の来る方とは逆に飛びのく。すると、先ほどまでいた処には、一本の矢が突き刺さっている。



 咄嗟に、近くの森の中に飛び込もうと、考えたが距離があり、それよりはと、神気(・・)を全身に巡らせると、射手へと一気に駆け出した。


 すると見る間に、体の至る所から、【浄炎(ほのお)】が噴き出した。踝、肘膝、片口、首筋、口の端から、背筋、尻尾の先端に至るまで。


 あらゆる処から、【浄炎】を吹き上げながら、迫る私。射手もマズイと感じたのか、草叢からすっくと立ち上がり、真っ直ぐ向かってくる私に、射掛けてきた。




ヒィュアッ!!


いきなり、目の前に飛んできた矢を思わず、





ガッ、ギィィッっ!と咥えるッ!!そのまま、ボギィリッッ!と噛み砕く私。そしてそのまま





グゥァバッと彼に覆いかぶさりながら、思いっ切り真横からハタキ込み、彼の弓を、番えた矢ごと弾き飛ばした。そしてそのまま、彼を抑え込み観念しろと、


迫ろうとした処で



ブゥウァッ!と迫る大剣を、アワやとギリギリで交わす。


 そこには身の丈に迫ろうかと云う、大剣を携えた”大女偉丈夫”がいた。その女を見て、私はさらに驚いた。



そして思わず、声を掛けた。





「エラッ!」




すると女は、これでもかとばかり目を見開くと





「なぜ、その名をッ!」と、呟いた。






 いったいどうゆう事だ。と混乱しているのは、私も同じだった。なぜ、彼女がいるのか、彼女は何者なのか。


頭の中が、疑問でいっぱいになりかけた時




ズッドォォォンッ!といきなり衝撃が、激しい音共に、直接・・・・私に響いた。




(イィッッテェェェッ!)


激しい痛みに思わす、グッと力を込め神気を行き渡らせる。それを見て驚いたのは、エラと呼んでしまった彼女だった。




 確かに叩き斬ったと思った、いや斬れずとも”叩き潰した”はずだった。それで付いたのは、小さな傷一つ、それもいきなり火を噴いた、と思えば、瞬く間に癒してしまった。

 信じられん!私の剣を受けておきながら、無傷、いや、確かに”傷はついた”が、あの程度でしかないとはッ!


 実際彼女の謂う通りである。曰く【紅塵(クリムゾン)】、曰く【紅滅姫(アニヒレータ)】彼女に対峙したものは、叩き”斬り”潰されて、”滲み”になるか”原型”をと止めないのだから。



(一体、何だ、この化け物は!)心の中で、悪態をつきながらも



「オイッ!少年!立てるかッ!とっと撤退だっ!」




 とにかく今は一時退却と、ズタボロで、未だ、フラフラしている少年を、引きずるように担いで、去って行く。二人。




 

一方、私は



 すっごく、安堵していた。楽勝だったって?冗談じゃない!(・・・)の身体に”只”の剣で、傷つけられる技前とか、もう悪夢ですよ。前にも話したが、私の体は、【神気】で出来ている。そして、この【神気】を気付つけられるのは、【神気(しんき)】で出来た【神器(じんき)】のみ。のはずだったんですけどねぇ。いつから、『技術革新(ブレイクスルー)』は起きやがった。(うっん、っん、失礼、取り乱しましたわ。)

 

「とにかく、只者ではない。気を付けないと。」

 

そんな風に、私が気を引き締めている頃



件の女は


「どうして私のことを知っていたのだ、あの化け物は。それに、あの”傷”。」

「この私の”剣”で斬れぬものなど…………………………………?!いや待て!………………………………ある!あるぞッ!斬れぬ、いや極めて斬り難いモノが!!」

「そうだッ!なぜ、忘れていたのだ。見つけたッ!遂に見つけたぞッ!!【神獣(デュラーコ)】ッ!!!これで、お爺様や、お婆様に顔向けができる。」


 そんな彼女が、喜びに打ち震えていると

 


「うっうぅ~ん。あれ?ここは?………………………………………ッ?!そ、そうだ。あいつはどうなりましたかッ?」


 少年は目を覚ますと、突然そんなことを言った。


「ああ、大丈夫だ。追ってきてはいない。多分、問題ないはずだ。それより、体は大丈夫か?随分やられたみたいだったが?」


「はい。大丈夫です。何とか動かせそうです。それより、問題ないって?!どういう事ですか?」


「いや、それについては、確証はないんだ。ただ、そんな気がするのだ。それより、君は、『”異常な魔獣”の探索依頼』だったんだろう。なら、すぐに帰って報告した方が良くはないか?」


「えぇ、そうですね。確かにその依頼途中です。それより、遅くなりましたが、助けていただいて、有難うございました。このご恩は必ず、お返しいたします。それであなた様は………………………………………?」「あっ、すみません。僕はユリウス・クリシュナシアと云います。」


「ほぅ、あの(・・)クリシュナシアか。私は”只”のドリューだ。そう気にするな。困った時はお互い様だ。」


「いえ、命を救われましたから。後、家名のことは、黙ってていただけると…。」


「あぁ、もちろんだ。私はまだ用があるからここに残るが、君は報告をしに戻ると良い。」


「エッ!大丈夫なんですか?アイツがまだ………………………………………?!」


「いや、問題ないよ。それに私一人なら、逃げるの容易い。」


「そう……………ですよね。失礼しました。では、僕はそろそろ行きます。どうか、お気をつけて。」


「ああ、気を付けて、行けよ。それとこれ。」そう言って、ドリューが回復薬を渡そうとすると


「あぁ、いえ、大丈夫です。これでも”エルフ”の端くれなんで。」


「そうだったな。薬草なら、君らに敵う者はいないものな。じゃあ、気をつけてな。」


「はい。あなた様も、お気をつけて。」

そう言うと、ユリシスは割としっかりした足取りで、町の方へ歩いて行った。



 さて残った彼女は



「さぁってと、どうやって行くかなぁ。まともにやり合うのが、得策じゃない事は、はっきりしてるんだけど。まずは、”見極め”からかねぇ。」





そんな事を言いながらゆっくりと森の中へと入っていった。



お読みいただきありがとうございました。


何とか読めるものなっていれば、幸いです。ではまた。


お気づきのことがありましたら、いつでもどうぞ

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