プロローグ
粗文ですが、暇潰しにどうぞ。
アルミナ王国。
その国は、世界最大の大陸、ガイアの内陸の中心部に位置する。
国土の半分を森が占め、二割を山が占めている。
森が多いので木材には事欠かず、山からは貴重な鉱物資源が豊富に採れた。
そのため貿易が盛んに行われ、小国のアルミナ王国には、近隣の国から遠方の大国まで、様々な出身の人が集まった。
さらに、周りの国々を吸収合併し続け、結果、国土の広さは雪だるま方式でもりもり広がり、経済力もそれに伴い上昇。世界で三つの指に入る大国へと成長した。
栄華の国と言えばアルミナ。
出世国、アルミナ。
アルミナに行けば仕事が見つかる。
そんな事が世間で言われるようになる程、アルミナ王国の状況は、順風満帆であった。
しかし。
過ぎた栄華は諍いを産む。
というより、周りの国々を取り込んでいったという時点でお察しである。
望んで取り込まれた国もあるにはあるが、それを望まない国が殆どの割合を占めていた。
それらの吸収合併されることを望まない国々が結託、連合軍を結成し、アルミナ王国相手に戦争を仕掛けた。
いくらアルミナ王国が大国とは言えど、周りの国々を全て相手に取ることになれば、少々厄介だ。
かといって、両者が本気でやり合えばアルミナ王国が負ける事は無かっただろう。
厄介といっても、兵力が少し削られる程度である。
結局、戦争から『策』というものを除けば、残るものは『物量の差』と『全体的な練度』でしか無いのだから。
それほどまでに数の暴力は圧倒的だ。
そして、アルミナ王国の兵士たちは、厳しい訓練を潜り抜けた、屈強な戦士達であった。
だが、それゆえ、アルミナ王国は慢心をしていた。
小国の寄せ集め程度、我が国の兵力を以てすれば、いくらでも叩き潰せると。
そして、その慢心からくる戦略の穴を連合軍はついた。
連合軍はまず小さな街を乗っ取り、それを起点に巧みな戦術を用いて侵略を始めた。
そしてーーー
新暦2629年、一月三日。
最後に残された街。
国の全てを司る王都、ルミスにて。
連合軍は、すぐそこまで迫っている。
国王はこの状況をどうにかしようと必死に策を練った。
だが、王都ルミス以外の街は全て陥落。
兵も七割方やられた。
もうどうしようもない。
国王は最後の手段に踏み切った。
召喚。
別の世界から『何か』を呼び出す禁術。
発動には、熟練の魔導士数十人が必要な大掛かりな魔術。
代償は、術者たちの命。
何が呼び出されるのかは全くわからない。
それが国を助けてくれるものなのかどうかもわからない。
だが。賭けるしかなかった。
失敗しても結果は変わらない。
運が良ければ、国が滅ばずに済むかもしれない。
どうせ無くなる命なら。
王は自分たちの少しの延命ではなく、国の未来を選んだ。
王城の地下空間、そこに描かれた直径約五十メートルもある円の中に、様々な文字や紋様が描かれた魔法陣の中心に立っているのは、王。
そして、円の周りに合計二十三名の魔導士たちが立つ。
戦争でなんとか生き残った歴戦の魔導士全て。
手や足を無くした者もおり、どれだけ戦争が過激なものだったか見て取れる。
彼ら、彼女らは、今から魔法陣にその命を差し出す。
「これより、召喚の儀を執り行う……」
円の中心に立った王はそう宣言した後、呪文を唱え始める。
魔導士たちの中には泣き出す者もいれば、手を組んで神に祈る者も居た。
王が呪文を唱え始めて数十秒が経過した頃。
魔法陣が淡く光を発し始める。
王は、詠唱を止め、上を見上げて天を仰ぐように手を広げた。
その目には何が見えているのだろうか。
薄暗く、松明が照らす広い地下空間の中。
王は、自分の生き様を嗤っている様に見えた。
そして魔法陣から放たれる白い光は、少しづつ強まってゆき、やがて地下空間全てを光に飲み込んだ。
不定期投稿です
土日は暇なので投稿している事が多いかと
書き溜めとかは基本的に無いです。
キリの良い所まで書いたらその場で投稿します
プロットとかも無いです
趣味で書いてます
2017/1/17 追記
なんか毎日書けてるので
一日一投を目指してみます
たまに二投三投
するかもしれませんが(´・ω・`)土日とか
2017/1/19 追記
TASさんの喋りを平仮名にしました
幼女っぽさが足りないと思いましたので
読みにくいですが(断言)
2017/1/21
前書きがガチもんの異世界ファンタジーの前書きみたいだったので、大幅に追記しました
\何言ってんだこいつ/
2017/2/5
投稿ペース、決めてみました
平日一話、土日二話、といったペースで更新していくと思います(´・ω・`)多分
まぁ、今まで通りですね(´・ω・`)ハイ
後々変わるかもしれませんが(´・ω・`)
2017/2/7
タイトルを少し変更しました
異世界で→異世界にて