2/41
第二話 私の平凡な日常を
さて、ここで疑問が一つ発生する。
なぜ、一生徒のしがない私が、こんなに川村充大先生様のことを知っているのか――答えはただ一つ。それは、私がこの先生のストーカーであるからなのだ。
…という冗談はさておき。本当の理由は…。
私――尾ノ上桜は、この川村充先生とお付き合いさせていただいているからだ。
なぜ、十も離れている容姿・頭脳ともにパーフェクトな先生と見た目も成績も中の中のような私が付き合うことになったかというのは……聞くも涙語るも涙なため、取りあえず紆余曲折あったとだけ言っておこう。
ただ一つ言えることは、二年近く月日を重ねれば一応情も湧いてくるので、それなりに尾ノ上桜は、〝川村充〟という男のことを好きだと感じていることである。もちろん恋愛感情で。永遠とまではいかずとも、この御上市立櫻高等学校を卒業するまでこの恋を守りたいと思う程。ちなみに、小さいけれど私にとって大きな今の目標は、卒業後、先生と一緒に水族館へデートすることだったりする。