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ミッション25:「ボンバー・スピリッツ」

 出現。いやAWACS搭載の特殊装置が成した一種のジャミング効果によって、秘匿隠蔽から「引きずり出された」フィアーの「母船」。

 それから放たれ寄越され始めたのは、おびただしい数の大中小の迎撃対空砲火に。同じく迎撃のための無数のフィアーの艦載機。


 それらが一切合切の容赦なく、苛烈に襲い来始めた最中を。

 しかし作戦本隊も行動を開始。


 攻撃投射行動の第一段を務めるのは、アメリカ空軍の爆撃隊。B-75E インヴィンシブルフォートレスの爆撃機少女等だ。

 爆撃機少女等は数機ないし十数機ごとで成す、計三つのグループに分かれ。フィアーの母船に向けての進入を開始。


 所定の計画では、内二つのグループが二派に分かれて順に高高度より進入。誘導爆弾による爆撃を実施。

 「母船」の外枠の守りを、数にものを言わせて雑把にでも削ぎ剥がした後に。

 中高度、フィアーと同高度のより残る一グループが進入。此度のために用意された、対フィアー効果装置を搭載した、大型ミサイルを叩き込む算段だ。


 その役目を担い、それぞれの進入行動を開始した各爆撃機グループには。

 しかし早くも、戦闘機型フィアーたちの迎撃の手が及び。群がるそれ等からの苛烈な攻撃が浴びせ始められていた。


「――インディペンデンス中隊、ジャスティス中隊、進入隊形を各個に保てッ!怯みを見せたら、それこそ突かれるぞッ!」


 高高度より進入を開始した第一波、及び第二グループには。しかし苛烈なフィアーの攻撃に晒される姿が見え。

 最中に一機、二機と爆撃機少女等が力を損じ落ちていく、心苦しい姿が見える。


 自身は中高度からの攻撃を担う一個飛行中隊を率い、進入経路の最中にあるダニエルは。

 指揮下の皆のその姿を上空に見て、彼女(彼)等の攻撃に晒される姿に。その可憐な顔を苦くしながらも。

 その心情を殺し。通信にて、堪え気張るよう鼓舞する旨を、その透る声色でしかし張り上げ送る。


「アプローチコースに入る――ガールズモードボーイズ、準備はいいかッ!?」


 そしてその間にも、ダニエル率いる中隊は進入コースに完全に乗り。

 ダニエルは、率いる中隊の各員に向けて尋ね上げる。


「「「「イエス、マムッ!!」」」」


 それに答えたのは、苛烈な状況下にしかし臆することなどない。

 美少女及び美女の身に、しかしアメリカンボーイズスピリッツを宿した爆撃機乗り等の。少しの冗談を交えた、威勢の良い肯定の返事だ。


「いい返事だ――アプローチ・ゴーッ!!」


 その集まった返事に、ダニエルもニヒルな声で答え。

 そしてダニエルは続けて張り上げ。攻撃敢行のために、備える巨大な主翼に下がる多数のジェットエンジンを全開に吹かし。

 中隊各員もそれに続き、爆撃隊は進入突撃行動を開始した。


「――ッぅ!」


 進入突撃を始め、加速を各機が開始した直後。

 向こう正面に捉え見る、巨大なフィアーの「母船」から。水平射撃にて無数の強烈な対空砲火の熱光線が襲い来た。

 それ等は次々にダニエル等を掠め、近くで炸裂。

 彼女(彼)等を、熱に衝撃で煽り襲う。


「ッ……!?」


 そして、進入からさほど経たずと言うのに。ダニエルの側方で、被弾の嫌な音が響く。

 見れば、襲い来る強烈な砲火に。ダニエルの指揮下の隊員が一名、喰われ損傷していた。


「クーニッツ!?」

「ッ――……大佐、すみません、ここまでです……ッ!」


 ダニエルの呼びかけに。苦し気に、悔しくしかし申し訳なさそうに声を寄越した、その褐色肌に黒髪ショートが生える爆撃機美女は。

 同時にその携える巨大な主翼の、しかし片方を大きくもがれ。エンジンから火を吹く様子を見せている。


「構わない、離脱して不時着しろッ――なに、あとは高みの見物と決め込んでおけッ」

「海上から、見上げる形になりますがね……っ!」


 その彼女に、ダニエルはすぐさま離脱を指示。

 しかし次にはニカっと強引に作った笑顔で冗談を飛ばし。それに相手の爆撃機美女も、苦し気な顔をしかし笑みで取り繕い、そう返し。

 彼女は編隊から一足先に離脱して行った。


「ウチの見目麗しいボーイインガールを傷物にしてくれちゃって……いよいよ容赦はできないねッ!」


 そして、少しそれを見送った後に。ダニエルは正面向こうのフィアー母船を睨み刺し。

 発し上げると同時に、任務を成し遂げる意思を改めて確たるものとし。エンジンのスロットルを一層上げる。


 苛烈な敵の対空砲火に、煽られ傷つけられながらも。ダニエル率いる爆撃機少女たちはその只中を果敢に潜り抜け。

 いよいよ身に抱く、対フィアー用大型ミサイルの。それの大きな効果を期待できる確定射程範囲に踏み込む。


 見れば、高高度より進入した第一波の爆撃がすでに降り注いだのだろう。

 フィアーの母船からは、散発的ながらもいくつかの黒煙が上がっている。


「ッ!」


 そして直後、そのフィアーの「母船」が、再び無数の爆炎に覆い包まれた。

 見上げれば、上空にはやはり少なからず傷つきながらも。

 自らの役割を成し遂げ、離脱して行く爆撃隊第二派の中隊の堂々たる姿が見える。


「さすがだッ、インディペンデンス中隊、ジャスティス中隊ッ。ワタシのボーインズインガールズッ!」


 それを上空に見止め、指揮下のそれぞれが確かに成した役目に。ダニエルはまた高らかに発し上げる。

 そして、次はダニエルの番だ。


「――フリーダム中隊各機、スタンバイ――ロックオンッ」


 すでに、フィアーの母船はとうに有効射程。

 ロックオンのために投影される表示には、しかしその一杯に母船が入りはみ出し。すでにその必要も無い程。


 近づき、一層苛烈になった敵対空砲火が掠め。さらには時折戦闘機型フィアーの迎撃機が掠め飛び抜けるが。

 ダニエルはすでに構わない。


「――ファイアッ」


 そして、ダニエルが発し念じると。

 その腹に、そして巨大な主翼に下げ備えていた、複数発の対フィアー用巨大ミサイルが。

 一瞬の自由落下でダニエルの身を離れ――そして点火。

 他、ダニエルに続く各機も次々にミサイルを放ち。

 それらは次々に点火、群を成してフィアー母船を目指し飛び抜け始める。


 「撃ちっ放し」を可能とするミサイルの、その自立誘導の任せてダニエル等は進入経路より離脱。

 そして託されたミサイル群は、そのまま点火からの凄まじい速度でフィアーの母船へと直進。

 その最中、おびただしい対空砲火の熱光線の前に、いくつもが撃ち落されてしまうが。

 しかし、内の数発が砲火を掻い潜り。母船の懐に至り、そして――


 ――叩きつけ、拉げる衝突の音が。

 しかしそれが響いたのも一瞬。

 直後には、フィアーの母船の艦舷をこそぐ、巨大な爆炎がそこで生み出され上がった。

補足なんですが、本来パイロットだけでなく複数人のクルーで運用される大型機は、

FTGS化に伴いクルーの皆が「パイロット」と成れるようになり、

ローテーションでメカ少女化して任務に当たっているという設定だったりします。

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