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ミッション22:「火蓋は切られた」

 日本本土より太平洋側、日本領海内のある離島。

 対フィアー作戦に伴う避難勧告対象から、ギリギリ外れているその島からは。上空に壮観な光景が見えていた。


「うわ……っ!」

「すごいーっ」


 島の小さな港の桟橋から、澄み渡る空を見上げながら。感嘆の声を零す幼い兄妹の姿がある。


 上空、高めながらも確かに視認できる高度には。

 日米の航空機の大編隊が。

 米軍の戦略爆撃機少女たちが中核を成し、その上空や側を日米の戦闘機少女たちが随伴し守る。

 対フィアー作戦のために巨大な編隊が、堂々と飛び行く光景があった――




 その離島からさらに離れた沖合。


 洋上には、アメリカ海軍第7艦隊。

 アメリカ海軍の最新鋭空母、ジョン・マーサー・ブルック級のネームシップ、「ジョン・マーサー・ブルック」を中心とする第7空母打撃群が展開していた。


 そしてそのジョン・マーサー・ブルックの甲板上。



 第16空母航空団所属。ラス・W・ハンクの、カタパルトに配置する姿がある。


 FTGS装備の彼女(彼)等は、ほぼ垂直の短距離離陸を可能とするため、カタパルトを用いる必要はすでに無いのだが。

 アメリカ海軍航空隊の彼女(彼)等は、出撃前の一種の景気付け、「儀式」として。カタパルトよりダイナミックに打ち出されることを望んだ。


 次には、射出要員のデッキクルーが合図を見せ。

 瞬間――ラスを乗せていた電磁カタパルトのシャトルが、爆発的な勢いで射出。ラスの身を、洋上の大空へと撃ち出した。


「――フゥッ」


 射出から無事飛行状態に移行し、一息を吐きながらも。

 ラスは同時に射出発進した相棒と共に、旋回を伴う上昇行動で高度を上げる。


「ジェイボーイズも、順調のようだな」


 その合間にチラと眼下、後ろ側方の少し遠くを見れば。

 向こうの洋上には、第7空母打撃群と行動を同じくする、海上自衛隊の護衛隊群が。


 新型の航空機搭載護衛艦、たいほう型一番艦の「たいほう」を中心とする事実上の空母打撃群が見え。

 その「たいほう」から、海上自衛隊 航空隊のF-35BをベースとするFTGS飛行隊の性転換少女達が。

 また出撃発艦。海上上空で高度を上げながら、編隊を組む様子が見えた。


 海軍、及び海上自衛隊の航空隊は、本土より出撃した作戦主力部隊のバックアップを主として務める。

 その任務を担うため、彼女等もまた洋上で巨大な編隊を完成させ。一路作戦目標地点を目指す――




 日本本土から出撃した日米合同の作戦主力編隊は。順調に行程を進め。

 中小のグループの集合から成す、巨大な大編隊にての進行で。広大な太平洋洋上の空高くを、うっすらと掛かる雲を掻き分け進めながら、堂々飛行中であった。


「――」


 その内で。隼の所属する第211飛行隊は、巨大編隊の翼端に位置して警戒を務めている。

 長距離の飛行行程であるため、適度に力を抜きつつも。しかし同時に最低限の警戒の意識を周りに張り、視線を巡らせる事は怠らない。


「――ッ!」


 ――その瞬間は、間もなく訪れた。


 隼に、各員の身に着けるFTGS装備の警告機構が、各警戒システムとリンクするそれが。

 「敵機襲来」を伝える警告音を響かせ伝える。


《――警告!上空、太陽の中から来るぞッ!》


 同時に味方機の誰かからの、張り上げ伝える声が通信に上がり届く。

 それ等をほぼ同時に受け。そして訴え促されたままに隼はすぐさま上空へ顔を上げ、視線を向けた。


 太陽を背に、複数の小さな影がゆらめくように動いている様子が見える。

 しかし次には、それが敵の――フィアーの、戦闘機型の個体の降下襲撃の行動である事が分かる。


《全機、自由戦闘を許可ッ。繰り返す、自由戦闘を許可するッ!》


 間髪入れずの直後には、後方で作戦行動を統制を務める空自のE-767 AWACSから。その力を携えた少女となった、FTGS装備の彼女(彼)から。

 作戦戦闘における全自由行動を認める許可が、すかさず空自機の全機に通達され。


 そしてそれを聞いた瞬間、いやそれよりも早いかのタイミングで。各機は堰を切ったかのように行動を開始した。


 隼の視界の端では、隼よりさらに飛行隊形の端に位置していた、二等空佐の橘花が、そして橘花のバディ機の彼女が。

 さらには隼のバディたる鍾馗が。

 瞬く間に立て続けに、連続的に。

 グアッ、と。その身を、機首を起こして鋭い上昇行動にて、襲来したフィアーを迎え撃つべく上がって行く。

 そして隼も違わず、それに倣い続き。しかし同時に、遅れは取るまいと競うかのように。

 その身を鋭利なまでの動きで上昇へと転じ、そして備えるバーナーを吹かし。

 襲来したフィアーを迎え撃つべく、秒を急ぐ上昇旋回行動を始める。


《編隊左下方からもフィアーの迎撃隊形ッ!》

《右方正面からもだ、同時に来やがったぞッ!》


 その僅かな行動の間にも、通信には立て続けに張り上げた声が飛び込む。

 それは各方からのフィアーの襲来、「迎撃」ないし「要撃」を伝えるもの。


「ッ」


 隼が、それを面白くなく思いつつも、しかしチラと作戦編隊本隊を視線を降ろして見れば。

 別方各方向の警戒を担っていた他飛行隊の、F-27JA少女やF-35A少女(いずれも彼)等に。

 さらにはアメリカ軍のF-39A マスタングⅡの少女たちが。

 それぞれ旋回急降下や、加速先行などの行動で。迎撃に向かう様子を、言われずともとの様子で見せており。

 別方から襲来したフィアーの迎撃にあっては、彼女(彼)等を信じて託し任せる。


 そうこうしている間にも、隼等が同時進行で進めていた旋回上昇行動は完了し。

 隼等は上空、頭上のすぐ向こうに。襲来するフィアーの小編隊を見止め、そのヘッドオンを完了。

 眼前の宙空に、電子的に投影されるHUDに。そのレティクルにフィアーを、小型の戦闘機型と判別できたそれを捉え収め。


 攻撃の意志を念じた――

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