第八十八話
完結しました。第八十九話までの物語です。主人公レオーナの物語をお楽しみください。
―カチャリ。抱き合う彼女らの耳に扉の開く音が聞こえた。
「・・・・・・」
玲緒奈が顔を上げると、白い部屋に一人がようやく入れるような扉が開かれていた。扉の向こうは青い光に輝いている。
「さあ、レオーナ様」
エーメが玲緒奈を扉の向こうに行くように促した。
「我らも向かおうぞ」「行きましょう」「私達の未来へ」
シデルートの剣士達も、扉へと歩いて行く。玲緒奈はエーメ、ラピスの二人に両手を引かれながら扉の向こうへと歩いた。
その扉から、彼女自身が受け継いだ物語の登場人物達が次々と部屋へと入って来た。皆笑顔で彼女を見つめている。
「・・・・・・」
ソードにカレエ、クレア、ソリエラ、マドリー、レッシー、皆彼女が想像した通りの姿をしている。
「これから、終わり、始まるのだ」
いつの間にか傍に居たディ・フォンが言う。
「さあ、行きましょう」
彼らに導かれ玲緒奈は扉の外へと向かう。
「―これは?」
玲緒奈の視界に青く輝く空が広がっていた。大地は地平線を描き何処までも続いているようだ。この世界は昔見た光景だ。そう、私は思い出したのだ、レオーナなのだと。
「・・・・・・!」
玲緒奈の視線の先に一人の男が立っていた。紛れもなく姿、形がイノスだった。金に淡く輝く髪に冴え冴えとした宵闇に似た瞳。
「―」
青の剣を玲緒奈はソードに手渡した。これで又彼らに、この剣を守ってもらえる。
「イノス様」
玲緒奈はそう言葉にして彼を認識した。
「今から、あなたはレオーナ姫ですよ」
エーメが嬉しそうに囁き、彼女に、目の前に急に現れたゲートをくぐるように伝えた。
「このゲートを?」
玲緒奈は黒光し人がようやく通れるゲートを怪訝に思いながらも言われた通りくぐった。ゲートの中では何かに全身が包まれていく感覚がした。
「え?!」
ゲートをくぐり終えた時、目の前で銀の髪が靡いた。
「ほら、レオーナ姫に大変身しましたね」
エーメは鏡を玲緒奈に見せた。玲緒奈は鏡を覗き込んだ。銀の髪に緑の瞳・・・・・・想像した通りの姿。彼女はレオーナその者であることに驚いた。右手の甲には金色の紋様が浮かび上がった。
「そう、これからあなたは、レオーナ姫として、イノス様と二人で、光を越えて、時空を超えて、彼女の元へ辿り着くの」
ソリエラがレオーナの肩を両手でしっかりと握ってイノスの方へ向けた。
「その女に気を付けろ!」
ディ・フォンの声が響いた。




