表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀の針姫と青の剣  作者: 瑞木晶
第二章 不毛の大地レーン大陸
80/91

第七十八話

完結しました。第八十九話までの物語です。主人公レオーナの物語をお楽しみください。

 青い空間がレオの前でキラキラと輝かしく煌めく。天と地がどちらにあるのか分からない。何処までも、その空間は無限に広がっていた。その中心にいる者を見てレオは叫んだ。

「旦那様!」

レオが恋焦がれたイノス・シリル・エリアード、その人だ。彼女が辿り着きたかった場所がようやくここにある。

「やっと、巡り合えた。旅も終わる」

レオはイノスの元へと身体を動かした。しかし、足元がジーンの触手が絡みついて身動きが取れない。

「・・・・・・!」

その触手が人の手に変わる。そして、人の姿となった。レオのよく知る姉の姿だ。

「・・・・・・フレイ姉さま」

セオドア第二の姫、フレイの姿がジーンの裾野から現れた。彼女のドレスの裾野にも触手が蠢いている。

「・・・・・・」

母親を同じくする姉だが、一つも姉らしいことをしてもらった事など無い。又レオよりも、ジーンの味方となるのだろう。

「フレイよくやったわね」

ジーンは満足そうにフレイに微笑みかけた。

「・・・・・・」

フレイはジーンに微笑み返すと彼女の傍に立った。

「さあ、世界を手に入れるわよ」

ジーンはフレイと共に、イノスの方へとレオを絡めたまま、動いた。

「これで、仕上げよ」

ジーンはイノスの身体に青の剣シェルシードを貫いた。

「なんてことを!」

レオは非難の声を上げた。

「青の剣シェルシードは鍵、そして彼の身体は錠なのよ。これで私は世界を手に入れるのよ!」

嘲りと共にジーンは青の剣シェルシードを九十度捻った。

―すると、イノスの身体から濃い青の光が放たれた。

「旦那様!」

視界が濃い青の光しか見えない。静かな世界にレオの心音にイノスの心音が重なる。旦那様はどうなったのだろう?レオは彼の心音だけが響く空間に全身をかけて、あらゆることを感じ取ろうとした。

「お前の旅はシェルシード、つまりイノス様を探すのではなく、遺跡に眠る第二の太陽を再び使えるように青の剣シェルシードで開放してきた旅なのよ」

濃い青の光の何処からか、ジーンの声が響く。そして、急に彼女はレオの前に現れた。

「あの儀式は旦那様の居場所を探すためではなかったのですか?」

そんな馬鹿な、レオは事実を知り困惑した。

「ソシア、つまりはディ・フォンもわかってなかった事だけどね」

彼が思い出す前に全てが終わって良かったわ、と嬉しそうに笑う声がする。

「全てが終わったとは、何のことです?」

レオは訝しげに姿の見えないジーンに問いかけた。

「第二の太陽が私の世界を作り上げるの。全てを焼き払い新しい世界を始めるのよ」

「世界を焼き払うのですか?」

「そう、全てがあの光に破壊され焼き尽くすの」

レオは歌うように話すジーンに心底から寒気を覚えた。そこから再び胸の奥から怒りが湧いてきた。何故このような者に世界が奪われる。一握りの者によって、世界が変わるなんて許されるものか!旦那様を返せ!



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 「―第二の太陽って、核兵器の事よね?光が全てを焼き尽くすって言ってるくらいだから」

娘が物語の途中で、私に突然訪ねてきた。

「そうだね、この物語の世界は核が信仰の対象でもあるんだよ」

「そんな世界最悪だね」

娘はかなりその事に憤慨しているようだ。

「・・・・・・何?」

娘は私の視線に気付いて私の目を見た。その目は怒りに満ちて黒い目に光を宿している。

「まだ、思い出してはいないのだな」

私は咳ばらいをしながらそう言った。

「何を言っているの?聞こえない」

「いや、気にする事はない」

(かぶり)を振り再び私は物語を続けた。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ