第七十話
完結しました。第八十九話までの物語です。主人公レオーナの物語をお楽しみください。
―無事に儀式は済み、次の目的地の方向もわかった。北北西だ。
「済んだぞ」
ソシアがソード達を硝子の中から出してやった。
「さて、ここから抜け道を行こうかと思う」ソシアがそう告げると、「ここに抜け道があるのですか?」と皆で驚いた。
「左様、鉱山の主には、ここまで辿り着けない。カルウがここを守る限り」
なるほど、レオは頑丈な扉を思い浮かべて納得した。
「鉱山の主には嘘のレシピを教えた。彼らは今頃怒り心頭だろうな」
クククと悪い顔をソシアは見せた。
「嘘を教えたのですか?」
レオはなんて大胆な事を!と驚愕した。
「当たり前だ。あの美しい街をみすみす奴らにくれてやるものか」
「あの溶剤は本物なのですか?」
「ああ、僅かだが、本物だ。もう、ほとんど無いだろう。あの街に居たら、殺されるだろうな」
「だから、私も連れて来たのですね」
アーシェがようやくついてきた理由を知って、愚かでしたとソシアに頭を下げた。
「・・・・・・」
そんな彼女にソシアは顔を向けることも無く冷たくあしらった。
「ソシア様、そんな態度をとらない事です。せっかくの謝罪が。彼女に悪いですよ」
とレオが注意すると「わかった。お前はうるさいな。・・・・・・行く前によく説明しなかった私も悪かった。これでいいか?」とソシアはアーシェに謝った。「とんでもない事でございます」とアーシェは恐縮した。
ほら、こうなるから言わないのだ。とレオを睨むと、ソシアは遺跡の暗闇に向かって指をさした。
「向こうが抜け道だ。逃げるぞ」
―その頃、レオ達が駆け抜けた坑道に、大勢でやって来たアイバート達は、カルウの幻想に惑わされ恐怖を味わっていた。
「なぜ、館に来た時に奴らを捕らえなかったのか!くそう!」
アイバートは悔しさを坑道の壁に拳をぶつけ、怨嗟の声を上げた。
長い抜け道は暗くレッシーの松明だけが明るく先を照らしている。皆が疲れの表情を隠せなくなった頃、一筋の光が差した。
「ああ、外が見えてきました」
レッシーは嬉しそうに皆を振り返った。
「本当だ、外だ」
暗い道に光が溢れ辺りは明るくなってきた。風も感じられる。
岩が足元にゴロゴロしている先の上に出口がある。レオ達は岩を一段ずつ登り外に出た。
「―」
外は森の中だった。ラスティンの街から、かなり離れただろうか。空を見上げたが木々に阻まれ自分がどこにいるか見当もつかない。
「ここは?どこに着いたのでしょう?」
レオがソシアに訊ねた。
「森の中だな。それしかわからない」
ソシアは堂々と言い放った。
「ええ?わからないのですか?」レオが驚くと「何でも私が知っていると思うな。とにかく北北西に向かえばいいのだ」と指をさして、服から何やら手に取り出しそれを見ると、こっちだ、行くぞと歩き出した。
「何を見たのです?」
レオがソシアの後から声をかけた。
「何がだ?」
「服から取り出した物ですよ」
「お前には関係ない」
とソシアは無下もない。そうですか・・・・・・と引き下がったレオに「北北西の位置がわかるものだよ」とソードがこっそりと教えてくれた。




