表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀の針姫と青の剣  作者: 瑞木晶
第二章 青の都ウェンデル
39/91

第三十七話

完結しました。第八十九話までの物語です。主人公レオーナの物語をお楽しみください。

「あなたの様に美しい者に出会ったことが無い」

レオは男装の恰好をしながら、相手役の手を取った。

わぁっと女性達の歓声が上がる。今日はマドリー達と約束した、『マリアロッテの手紙』の寸劇を披露する日だ。レオ達の階の全ての部屋を板で繋げて、芝居が出来るよう解放しており、いつもと違う更に広い空間が広がっている。レオは間違えないか内心ひやひやしながら台詞を続ける。声もカレエに、しごかれて、皆のエオリー像に近づいているはずだ。その証拠に、姫達のレオを見つめる眼はうっとりとしている。

「来たれマリアロッテ!わが手を取るのだ!」

この台詞がクライマックス、劇の胆だ。

キャーと姫君の黄色い歓声が上がる。レオはその反応によしと、手ごたえを感じグッと手を握りしめた。

「さらば、イースデン。さらば我が友、我が街」

そうレオが台詞を言い終えると幕が下りた。瞬間わっと歓声と拍手が()いた。レオは幕の裏でホッと安堵の息を吐いた。

「長かった」

レオはしみじみ噛み締めるように言い放った。本当にあの稽古はつらかった。カレエのあの厳しさ、つらかったな・・・・・・けれど、皆の喜びようを見てレオは頑張って良かったなと思った。ラディンディラ様にも観ていただきたかった。きっと今も観て下さったかも、とレオは彼女の事を想い目を閉じた。

芝居が終わった後、レオは姫君達に次々と称賛(しょうさん)をうけ、たくさんの感謝とキスをもらった。

「もうレオーナ様以外に、エオリー様を演じられる人はいませんわ!」

と観覧した姫君の一人がそう叫んだ。

「ぜひ、次回作も演じていただきたいですわ!」

と今度は皆でそう口を揃えた。

「へっ?」

意外な言葉にレオは驚いた。

「そうですわ!マリアロッテは、まだまだ続くのだから、何度もこうして演じていただきたいわ!」

とエルミーナ様が、興奮気味にレオに訴えた。

「え?いや・・・・・・その・・・・・・もう、無理だな」

「駄目ですの?」

レオの否定的な言葉に、姫君全員でうるうると上目遣いに詰め寄る。

こういうのに弱いんだよな・・・・・・。はぁ・・・・・・。

「―わかりました。そんなに何回も回数は出来ませんが、何とかします」

「キャー!」

レオの言葉に姫君達は歓喜の声を上げた。

――塔に行く回数は確実に減るな。・・・・・・ま、いいか、レオは姫君の喜びようを見て、しょうがないか、これだけ喜んでくれたのだから・・・・・・と満足し、少しの喜びを感じた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ