第二十九話
完結しました。第八十九話までの物語です。主人公レオーナの物語をお楽しみください。
「本末転倒なんです、我が愛する男色の片割れを好きになってしまいました」
とレオはクレアにそう泣きついた。
「当たり前ですよ。だって夫婦なのですから」
悔しそうなレオの様子に、クレアは可笑し気になりながら宥めた。
「だって、ソネリアンが恋敵になるのですよ。そんなの考えられない。ソネリアンにはアスキンがお似合いですから」
ああ、美しき世界に私が割り入るわけにはいかない・・・・・・レオは意気消沈した。
「そんなに、彼らの事を思うのなら・・・・・・こういうのはどうでしょう?アスキンを好きになる少年をレオーナ姫あなたがモデルになるというのは?」
「クレア様?」
「元々アネキン達の世界に四角関係を作る予定だったのですよ。アスキン、ソネリアン、ソネリアンの妻とあと一人」
「四角関係に陥るのですか?あの二人が?それも捨てがたい。けど、二人の世界だけにしてほしい気も・・・・・・」
レオは苦悶した。
「少年を自分の分身として、アスキンの美しさや心根を賛美しては如何かと。少年は彼ら二人の絆を深める重要な人物にします。少年が入る事でソネリアンがアスキンに嫉妬して彼への自分の愛を自覚するのです」
クレアはとどめを刺した。
「うう!そう来たかっ!つまりは邪魔者になるのですね。でも、私などが二人の間に。勿体ない話です」
すん・・・・・・とレオは鼻を鳴らした。
「十分ですよ。その瞳、髪の色、美しいじゃありませんか。創作意欲が湧きますね。そうですね。―レテレゼはアスキンの青き肌に、ソネリアンの触れた後を見つけた。彼の中で嫉妬心が湧き上がった。レテレゼはアスキンの肌に口を振れさせ彼の瞳を覗いた。困惑するアスキンに挑戦的に口づけていくレテレゼ。その様子をソネリアンが目撃して心を乱す」
流々と話を紡ぎあげていくクレアに、レオは頬を覆い真っ赤になりながら、素晴らしいです、と興奮した様子。
「レテレゼは私の事ですか?」
「そうです、今思いついたので、他の名にも出来ますがいかがです?」
「いえ、レテレゼで十分です。あのアスキンに私が近づくのですか・・・・・・」
「嫌ですか?少しあなたの性格と違う部分が、かなりありますが」
「いいえ、いいえ、想像しただけで卒倒しそう。二人の為なら喜んで邪魔者になります」
レオの精神は彼らの尊い世界に引き込まれているようだ。
「・・・・・・」
そんなレオの様子に、クレアは、まだまだ子供だな、恋に恋しているようだ、と首をすくめた。




