表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀の針姫と青の剣  作者: 瑞木晶
第二章 青の都ウェンデル
18/91

第十六話

完結しました。第八十九話までの物語です。主人公レオーナの物語をお楽しみください。

 お茶の作法以外の様々な作法を覚えた後、レオはようやく知識の塔へ行ける事となった。いそいそと身支度をして出かけようとしたレオに、レッシーは少し待つように伝えた。

「―これは何?」

レッシーはレオの右手首に小さな黒い物を押し付けた。

「うう?」

レオは右手首のポツンと付いた、丸い玉のような黒い物体を見つめた。何だかホクロの親玉みたいだ。

「私の言う通り言葉を続けて下さいまし」

とそうレオに伝えると、レッシーは自分の右手首のホクロを、レオの黒い物体に付け「我の目となれ耳となれ」と唱えた。

「我の目となれ耳となれ」

レオは頷きながら、レッシーの言う通り言葉を連ねた。

次の瞬間――キンッと耳が鳴った。

右手首の物体は何処から見ても、ホクロにしか見えなくなった。さっきはもう少し膨らみがあった気がする。肌にホクロとして定着しているようだ、とレオはその見事さに感心して、しげしげと見た。ホクロは微かに光った。

「何?このホクロ光ったな」

「このホクロのような物は通信機のような役割を果たします。今光ったのはレオーナ様のホクロと私のホクロが繋がった証です」

「え?通信機?何だ、それは?」

レオは初めて聞く言葉に興味津々だ。

「このホクロに繋がりたい人の名前を呼び、声をかける事で相手に言葉が届きます。必要とあれば、相手の見た物を見れる機能もございます」

レッシーは淡々とレオに説明をしていく「凄いな!こんな物があるのか」ウェンデルの技術の高度さにレオは感動さえ覚えた。

「じゃ、誰とでもこれがあれば通じるのか?」

「基本的にそうですね、男と女で繋がるのはお薦めできません。では、お帰りの時間になれば、姫様に御声掛けいたします」

「ああ、それでこのホクロが付いた訳だな?」

レオは合点がいった。

「はい、以前のような事にならない為にもお願い致します」

「分かった。気を付ける」

これで知識の塔に居る時間は限られたな。彼女達に心配かけるわけにもいかないし。

―ま、仕方ないか・・・・・・。レオは、まあ、よしと頷いて「じゃ、行ってきます」と部屋を出て行った。

―今日は早く知識の塔に向かおう。急がないと。レオは二階の広場へと向かった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 はぜる暖炉の焚火の前に私は娘に一族に伝わる話を話していた。

「――そういえば、私達一族は皆、右手首にホクロがあるわね。おじい様とひいおばあ様もそうよね?」

と私は急に思い出した様に娘にそう訊ねた。

「そうだね、偶然かな?いつの時代の人かわからないけど、物語に取り入れたのかもしれないね」

娘はそう考えながら答えた。

「そうねえ・・・・・・」

その言うと私達親子は、思案顔でお互いを見つめた。

「どの時代の人がホクロの話を入れたのかしら?」

「興味深いわね」

ふふ、と私達は微笑み合った。

「それから、不思議なおじいさんに出会った女の子はどうなったの?」

「あれから、幸せに暮らしたわ。だから、私達が生まれたの。そのおじいさんには二度と会えなかったのだけど・・・・・・」

「この話、本当かなぁ」

疑い深く彼女は聞いて来た。

「本当よ、その証拠に」

私は宝箱から三つの玉を取り出した。そして、娘の手に乗せた。

「これは私のおばあ様の宝物。この話を引き継ぐ者に代々伝わる物なの。大切になさい」

「へえー綺麗な玉、本当にあるんだ」

娘が光る玉を手のひらに転がす。

「この話を語るのは継ぐ者に伝える時だけ。そして一つ以上話を付け加えること」

「うん、任せて!それより先の話を聞かせて、主人公はどうなったの?」

「そうね、じゃ続きを話しましょうか。長い話よ、ついて来られるかしら?」

「大丈夫よ。こんな話なら時間を忘れるわ」

娘は楽しそうに微笑んだ。

「じゃ、続きよ」

私は娘に物語の続きを語り始めた。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ